WEB TPT 2024年1月9日 334号 巻頭言 自分自身を初心の状態にー2024年始 バベル ・グループ 代 表 湯浅 美代子
月日の経つのは、本当に早いものですね。1947年に生まれて、今現在は、75歳から76歳への半ばを過ぎたところに居るわけですが、この間の様々な体験や、様々な見聞などを思い返すに連れて、当時には分からなかった事柄の意味や、当時、何故それらを体験しなければならなかったのか!などなど、これまでの感じ方とは、又違う事情などが浮かび上がってきました❣️
やはり、実際に体験して、それを深く、また、多面的に思考するだけで無く、体感、実感してみる事が本当に大事なのだと、実感します。
何故なら、外から見える事柄と、内側で起きている働きとは、又違う機能であり、働きだからなのですね❣️
私達人間は、自分自身の身体機能であっても、自分が実感している感じ、感覚を他者 ― それが医者であっても― 実際に今体感している当人自身の実感とは、又違う感覚でしか表現できないのです。
実にそれが【言葉】なのです!
仮に、その医師が同じ病気を体験していたとしても、それは、他者の体験であり、今そこで苦しんでいる患者の痛み、苦痛そのものでは無いのです。
これらの病を自分自身が体験して来た医師であっても、同じ体験を共有することはできないのですから、医師と患者の間には高い壁、深い谷が有るのです。
従って、自己の体験や、知識としての体験、病理学上の治験、知見にのみ依存しないように、常に、自分自身を初心の状態に置いておく事が必要になりますね。
これまで、年齢と、身体機能や思考能力は、人それぞれの様に見えるし、実際、そのように感じて来ました。然し今、自分自身がその場に置かれてみると、やはり人それぞれだと、実感します。
【他者は我が鏡】とは、よくぞ言ったものですね。
そして、『 他人(ヒト)の振り見て、我が振り直せ』とも言いますから、《 鏡は屈み 》だと思って道を歩けば、深い学びが得られるようになっているのでしょう。