NEW! 核新訳投稿 現代版ごんぎつねすれ違い学校生活 消していた子 ― 『ごん狐』より 2026年10月20日 人を笑わせるのが得意な翔太は、ある日、クラスメートの直人が大切にしている青いクジラのマスコットをからかってしまう。翔太の何気ないひと言は、思いがけない形で広がっていった。言えなかったこと、見えなかったこと、思い込んでいたこと ― すれ違った二人のあいだに、最後に残ったものとは。 二学期が始まって少したったころ。九月にな... M管理人
核新訳投稿 約束信義編集者 締切日の夜――「菊花の約」(『雨月物語』)より 2026年9月16日 三年かけて書いた長編の締切日の夜。作家の羽鳥紗英は、完成稿を自分の手で編集者・佐伯真紀に渡すと約束していた。だが、午後八時を過ぎても彼女は現れない。電話もつながらない。やがて真紀のもとに届いたのは、待っていたものとは少し違う白い封筒だった。「約束を守る」とは何かを、現代の仕事と信義の中に問い直す物語。 午後六時を過ぎて... M管理人
核新訳投稿 進路創作自己像 アイコンに笑われた子 ― 『笑われた子』より 2026年8月10日 吉をどんな人間にするかということについて、吉の家では夕食の後になると、よく話が始まった。その夜もまた、その話が始まった。 吉は台所の隅で、食べ終えた皿を重ねていた。蛇口から落ちる水が、底の浅い鍋を小さく鳴らしていた。 「大学は無理に行かなくてもいい。専門学校で手に職をつけた方が堅い。」 父親がそういうと、母親は言った。... M管理人
核新訳投稿 現代版かぐや姫推し文化光 見つけた光、育てた光 ー 『竹取物語』より 2026年7月6日 今となっては、もう昔のこと。山あいの地に、竹細工のクリエイターとして暮らす若者がいた。古い家を改装して一人で住み、朝ごと夕ごとに裏山へ入り、竹を割り、削り、籠や小箱を作っていた。 ある日、若者が裏山へ入ると、草の間に何か光るものがあった。近寄ると、見慣れない型のスマートフォンだったが、ひとりでに光っていた。おかしいと思... M管理人
核新訳投稿 雪女現代怪談民話リメイク 消したはずの女 ー Lafcadio Hearn "Yuki-Onna" より 2026年6月9日 これは、箕輪がまだレスキュー隊に入って二年目だったころの話。その地方都市は、記録に残る雪に閉ざされていた。幹線道路は白く埋まり、信号は消え、除雪車も途中で止まった。山を抜ける旧トンネルで車が数台立ち往生しているという通報があり、箕輪は先輩の正木と現場へ向かった。 トンネルの電源は落ちていた。非常灯も半分は消え、奥の闇は... M管理人
核新訳投稿 日常都会オフィス 心のサプリー喜びと少しの毒 清少納言『枕草子』より 2026年6月4日 ふと、心が救われる瞬間がある。 たとえば、温かい紅茶を淹れながら開いたサブスクで、ずっと前に打ち切られたと思っていたお気に入りドラマの新シーズンが、ひっそりと始まっていたとき。 あるいは、仕事で致命的なミスをする悪夢を見て、息を呑んで飛び起きたけれど、それがただの幻だと気づいて、ベッドの中でゆっくりと安堵の息を吐き出す... M管理人