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2026年6月8日 第389号 World News Insight                                                     1180億人の知を蘇らせ、80億人へ届ける
―AI時代にバベルが提唱する構造的翻訳
バベル翻訳専門職大学院 元副学長 堀田都茂樹

AI時代、翻訳は終わるのか
近年、多くの人がこう語ります。
「AIが翻訳する時代になった」
「翻訳者はいらなくなる」
確かに、AIは驚くほど高い精度で文章を訳すようになりました。
しかし、本当にAIだけで世界中の読者に本やコンテンツを届けられるのでしょうか。
答えは「ノー」です。
なぜなら、読者が求めているのは「訳された文章」ではなく、「理解でき、共感でき、行動につながるコンテンツ」だからです。
ここに、AI時代の新しい翻訳の役割があります。

バベル52年の歩み
バベルは創業以来52年間にわたり、
• 『翻訳の世界』約700号(別冊含む)の発刊
• 翻訳文法の研究開発
• 翻訳教育
• バベル翻訳専門職大学院の運営
を通じて、日本の翻訳業界の発展に取り組んできました。
この半世紀の間、私たちは
「翻訳とは何か」
を考え続けてきました。
そしてAI時代を迎えた今、一つの結論にたどり着いています。

翻訳は「言葉を変える仕事」ではない
従来の翻訳は、
「原文を別の言語に置き換える」
ことが中心でした。
しかし出版の世界では、それだけでは十分ではありません。
たとえば、
日本で売れた本を英語に訳したからといって、
そのままアメリカで売れるわけではありません。
なぜなら、
• 文化が違う
• 価値観が違う
• 読者の関心が違う
• 出版市場が違う
からです。
そこでバベルが提唱するのが
「構造的翻訳(Structural Translation)」
です。

構造的翻訳とは何か
構造的翻訳とは、
文章を訳すことではなく、
作品そのものを
読者に届く形へ設計し直すこと
です。
例えば、
従来型翻訳
• 原文を忠実に訳す
• 著者中心
• 言語変換が目的
構造的翻訳
• 読者に届く形へ再設計する
• 市場中心
• 出版成功が目的
という違いがあります。
翻訳者は単なる翻訳者ではなく、
編集者
マーケター
権利ビジネスの担い手
として活動することになります。
私たちはこのような人材を
Translation Architect(翻訳設計士)
と呼んでいます。

80億人へ届ける「横軸の翻訳」
現在、世界人口は約80億人です。
AIの登場によって、
世界市場へ作品を届けるハードルは劇的に下がりました。
しかし同時に、
「どの国へ届けるか」
「どんな読者に届けるか」
「どんな表現に変えるか」
という設計力が重要になっています。
そのためにバベルでは、
出版翻訳和訳講座
翻訳文法を基礎から学び、
出版翻訳の実践力を養う。
出版翻訳日英文法講座
日本語の発想を英語で伝える力を磨く。
Plain English講座
世界に伝わるシンプルで論理的な英語を書く力を身につける。
読みやすい日本語講座
伝わる日本語を書く力を養う。
これらを通じて、
AIを使いこなしながら世界市場で活躍できる人材を育成しています。

1180億人の知を未来へつなぐ「縦軸の翻訳」
バベルがもう一つ重視しているのが、
「縦軸の翻訳」
です。
人類史上、これまで生きた人間は約1180億人と推計されています。
彼らが残した思想や文化は、
古典として今も存在しています。
しかし、
• 言葉が古い
• 背景知識が必要
• 現代人には読みにくい
という理由で、多くの人が古典から遠ざかっています。
そこで私たちは、
古典の本質を現代に伝える
古典核新訳
を提唱しています。

古典核新訳とは
古典核新訳とは、
古典の「核」となる思想を抽出し、
現代人に届く言葉で再構成する試みです。
単なる現代語訳ではありません。
例えば、
• 論語
• 徒然草
• 方丈記
• 道徳経
• 仏典
• 神道文献
などを、
現代人が読める形に再編集し、
さらに世界へ発信することを目指します。

古典核新訳講座で学ぶこと
古典核新訳講座では、
• 古典を読み解く力
• 思想の核を抽出する力
• 現代人へ伝える編集力
• AIを活用したリサーチ力
• 多言語化への応用力
を身につけます。
これは単なる翻訳講座ではありません。
未来へ知を継承するための実践講座です。

AI時代だからこそ、人間の価値が高まる
AIは言葉を変えることができます。
しかし、
何を残すべきか。
誰に届けるべきか。
どう届けるべきか。
を決めることはできません。
そこに人間の役割があります。
AI時代に求められるのは、
翻訳者ではなく、
翻訳設計士(Translation Architect)
です。

バベルの次の50年へ
バベルはこれから、
横軸
世界80億人への多言語発信
縦軸
人類1180億人の知の継承
を結ぶ事業を進めていきます。
出版翻訳和訳講座、出版翻訳日英文法講座、Plain English講座、読みやすい日本語講座、そして古典核新訳講座は、その実践のための学びの場です。
AI時代は翻訳者が不要になる時代ではありません。
むしろ、
「言葉を通じて世界をつなぐ人」
「過去の知を未来へ届ける人」
の価値が、これまで以上に高まる時代です。
バベルは、その新しい翻訳の担い手と共に、次の50年を歩んでいきたいと考えています。

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