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第55回 アメリカ書籍レポート

第 55回 アメリカ書籍レポート-柴田きえ美

世界の出版事情― 各国のバベル出版リサーチャーより 第 55 回
アメリカ書籍レポート
-8月- ペットに関する書籍と夏休みに活用したい書籍 柴田きえ美(バベル翻訳専門職大学院生)

夏真っ盛りで、うだるような暑さが続いています。連日 40 度越えで、朝 7 時でも外に出るのがためらわれるような酷暑です。日本も記録的な暑さが続いているとのことですが、体調には十分気を付けて、夏ならではのイベントを楽しんでいますか。
先日、子供のガールスカウトの活動の一環で、動物保護シェルターに行きました。7月は、独立記念日のために花火の打ち上げがそこかしこで行われるため、シェルターにとっては最も忙しい時期なのだそうです。花火の音に驚いて逃げ出すペットが多く、飼い主が現れるまでシェルターが保護してくれます。そうしたペットで手狭になるため、シェルターではボランティアの一時預かりを募集していました。数日から数カ月、任意の期間、犬や猫を自宅で預かることができるのです。そうすることで動物たちのストレスも減り、またシェルターの外での様子を報告することで、新しい家族を見つける手助けにもなります。一晩は無理だけど、日中外に連れ出せるという人には、お散歩コースも用意されていて、週末の時間があるときにお散歩させてあげることもできます。こうした一時預かりプログラムは、動物たちにとっても、長期ではペットを飼うことができない人にとっても、大変良いアイデアだと思いました。早速私も一時預かり希望登録をしてきました。
というわけで、今回は Barnes and Noble のベストセラーランキングから、ペットに関する書籍と夏休みに活用したい書籍をご紹介します。

 


Spy School(2012)

著:スチュアート・ギブス
邦訳:なし
シリーズ:1~11(グラフィック・ノベルを含む)
対象年齢:8~12 歳

作品について:
著者マーティン・マッケンナは、アイルランドのギャリーオウェンで生まれ育った。友人はもちろん家族からも「頭のおかしい」子供としてバカにされ、虐げられてきた。13 歳のある日、家を飛び出したマーティンは、やがて6匹の犬たちに仲間として迎え入れられ、家族のように一緒に暮らすようになった。牧場の納屋に寝泊まりしては牧場主に追い回されたりもしていた。そうして自分を守り、仲間たちを守るうちに犬たちとの意思疎通ができるようになっていった。犬の群れの中で学んだ厳しい掟や変わった習慣、仲間との絆、そして何より自分を大切にすること。マーティンは決して「おかしな」子供ではなかったのだ。今、オーストラリアで「ドッグ・マン」として名を知られ、犬とのコミュニケーションに悩む飼い主たちの手助けをしている。著者の体験は、周りに否定され、貶められてきた人々を勇気づけてくれる。犬について、より理解を深めることのできる一冊。

著者:
マーティン・マッケンナは、ファンタジー作品のアーティストであり作家でもある。これまでに複数の書籍のカバーイラストやゲームのイラストを手掛けており、『Digital Fantasy Painting Workshop』や『Fantasy Art Now』といったデジタルアートに関する書籍も出版している。近年では児童向け絵本にも挑戦しており、初めての児童書として『The Octopuppy』を Scholastic 社から出版した。

 


100 Cats Who Changed Civilization (1994)

著:サム・ストール
邦題:歴史を変えた 100 匹の猫
翻訳:戸嶋芳美
出版社:創土社(2008)

作品について:
猫好きなあなたにお勧めの一冊!猫は歴史を変える。ティブルスは、たった一匹で種族壊滅を起こしてしまった。はたまた、シャムの子猫、アーメダバードは、パキスタン全土に暴動を巻き起こした。あるいは、スノーボールは、殺人犯や犯罪者を何十人も有罪にしてきた。あなたは、初めて宇宙を見てきた猫、フェリックスを知っている?本書では、科学、歴史、芸術、政府、宗教などさまざまな分野で並外れた貢献をした猫に猫たち 100 選を紹介している。
訴訟を起こした猫や接近禁止命令を受けた猫、飼い主の命を救うために警察に電話した猫などの実話が美しいイラストで描かれている。表紙のイラストも味があって良いですね。
ちなみに、犬好きのために、もちろん『歴史を変えた 100 匹の犬』(訳:河野肇)もあります。

著者:
サム・ストールは、小説やノンフィクションなどこれまで 20 冊以上の著書・共著を出版している。テレビ広告商品のレビューや猟奇的犯罪の年代記などの現代カルチャー分野を得意としている。特にノンフィクションでは『子犬とはじめるハッピーライフ』(訳:東出顕子、イースト・プレス 2005)のように猫や犬などペット関連が多い。サム自身も3匹の犬たち、猫、妻のジャミと息子のジェームズとともにインディアナポリスに暮らしている。

 


The Kids’ Outdoor Adventure Book (2013)

作:Ken Keffer & Stacy Tornio
邦訳:なし

作品について:
さあ、外で遊ぼう!遠出することばかりが外遊びじゃない。ドアを開けて一歩外に出れば、そこは自然の遊び場だ。春夏秋冬、それぞれの季節で楽しめる外遊びをご紹介。夏は昆虫採集、秋には松ぼっくりで鳥の餌場作り、定番の雪遊びや春の宝探しゲームまで、各季節それぞれのやることリスト、チェレンジリスト、レシピや外遊びゲームのアイディアが満載。子供にとってはいつでもどこでも遊び場だ!ゲームやタブレットから離れて、子供のうちにやっておきたい自然の遊びがいっぱい。一年を通して親子で必見の情報ブック。
著者:
Stacy Tornio は、雑誌『Birds & Blooms』の編集者。自然が織りなす四季折々の芸術に魅了される。ミルウォーキーで子供たちにガーデニングを教えている。
Ken Keffer はワイオミング育ち。ナチュラリストかつ環境教育者としてこれまでアラスカ、メリーランド、ニューメキシコ、オハイオ、ウィスコンシン、そしてモンゴルのゴビ砂漠まで足を延ばした経験がある。趣味は、川遊びやバードウォッチング、西部の山々でのフライフィッシングなど。

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