新着情報
                                                                 2024/9/7

世界のライターズ・マーケット近況

本稿では、現在およびこれからのライターズ・マーケットについて、世界の動向も踏まえて書いていきたいと思います。まず「ライター」(writer)がどのように定義されているのか、改めて「作家」(author)と比較して調べてみました。

日本の辞書では、以下のように書かれています。
広辞苑(第七版)

  • 作家: 詩歌、小説、絵画など、芸術品の制作者。特に、小説家。
  • ライター:著者。著述家。作家。執筆者。記者。

大辞林(第四版)

  • 作家:
      1. 詩や文章を書くことを職業とする人。特に、小説家。
      2. 美術・工芸など、個人の表現としての芸術作品の制作者。
  • ライター: 文章を書くことを職業とする人。

新明解国語辞典(第八版)

  • 作家: 小説家として世に認められ、それで生計を立てている人。[広義では、絵画・写真・生け花・作陶など、広い意味の芸術活動に従事する人を指す]
  • ライター: 作家。作者。

「作家」は小説や芸術作品を創作する人、という定義が多いです。「ライター」については、「作家」を含め、記事など様々な文章を書く人、といったところでしょうか。
大辞林では、「作家」も「ライター」も「書くことを職業とする人」と書かれています。

英語の辞書ではどうでしょうか。
Merriam-Webster Dictionary

  • Author - the writer of a literary work (such as a book)
    - one that originates or creates something
  • Writer - One that writes, such as an author or one who writes in a particular way.

Oxford English Dictionary

  • Author - a person who writes books or the person who wrote a particular book
    - the person who creates or starts something, especially a plan or an idea
  • Writer - a person whose job is writing books, stories, articles, etc.

Cambridge Dictionary

  • Author - the writer of a book, article, play, etc.
    - - a person who begins or creates something
  • Writer - a person who writes books or articles to be published

Merriam-Websterでは、日本語の辞書と同様、writerの定義に ”author” が含まれています。また、Oxfordではwriterは書くことを ”job” としている人、と定義されています。

このテーマで書いていく内容では、「ライター」は(「作家」も含め)書くことで作品を作る人、書くことを職業とする人としたいと思います。

Writer’s Digest

Writer’s Digestは、アメリカのライターのための有名な雑誌です。フィクション、ノンフィクション、詩、脚本などの執筆と販売に関するアドバイスを提供しており、ライターのための総合的な情報源となっています。具体的には、以下のようなコンテンツや記事を提供しています。

◆ 雑誌のサブスクリプション
現在はサブスクリプション制で、年に6回雑誌を発行しています。雑誌には、ライターの技術向上のためのより専門的なアドバイスや、投稿のガイドライン、コンテストなどが掲載されています。

◆ 執筆テクニック
フィクション、ノンフィクション、詩など、様々なジャンルのライティングスキル向上に関する記事を掲載しています。

◆ ダウンロード可能なコンテンツ
主に初めて執筆を始める人向けに、書く題材のヒントや書き続けるためのアドバイス、出版のプロセス、ヒントが書かれた文書や、取り組みやすいワークシートがダウンロードできます。

◆ 数多くのコンテスト
詩、ショート・ストーリー、エッセイ、ヤングアダルト、絵本、電子書籍など、様々なジャンルでコンテストを開催しています。

◆ マーケットリスト
上記のコンテストのほかに、書籍出版社や雑誌など、ライターが応募できる機会を多数掲載しています。新人作家を積極的に探している文芸エージェントのリストなどもあります。

同社は出版ガイドを書籍としても販売しており、その中の一つを紹介します。

『Writer's Market 100th Edition: The Most Trusted Guide to Getting Published』(2021年)

ライターが自分の作品を出版するための貴重な情報源として長年にわたり信頼されている出版ガイドの、100周年記念版です。主に以下のような内容が掲載されています。

◆ 包括的な市場情報
出版社、文学エージェント、コンテスト、雑誌などの詳細なリストが含まれていて、ライターが自分の作品に最適な出版先を見つけることができます。

◆ 提出のガイドライン
各エントリーに関する提出方法、必要な書類、連絡先情報などが詳細に記載されています。

◆ 執筆と出版のヒント
ライターに役立つ記事やインタビューが収録されており、執筆技術の向上や出版業界の最新トレンドについて学ぶことができます。

◆ 成功事例
成功したライターのストーリーが紹介されており、具体的な成功への道筋を知ることができます。

◆ デジタルリソースへのアクセス
オンラインリソースへのアクセス情報も提供されており、デジタルツールを活用した執筆活動も支援しています。

100周年記念版は、長い歴史と信頼性を持つWriter's Marketシリーズの集大成であり、あらゆるジャンルの作家にとって貴重なリソースとなっています。

Writer’s Digestウェブサイト
『The Most Trusted Guide to Getting Published』アマゾンサイト
<ライタープロフィール>

村山有紀(むらやま・ゆき)
IT・ビジネス翻訳歴10年以上。国内外の様々な場所での生活と子育ての
経験をふまえ、自分らしい発信のスタイルを模索中。

0
おすすめの記事