
WEB TPT 2026年8月22日 397号 巻頭言 『ちいさきもの』に宿る千年の美学
バベル ・グループ代 表 堀田都茂樹
7月24日、スクリーンに巻き起こった『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』の熱狂——公開3日間で興行収入22億4000万円、観客動員150万人突破という大記録は、単なる一進一退のエンタメニュースではない。初週末の動員数であの『アナと雪の女王2』すら凌駕したという現実は、日本人が何に魂を揺さぶられるのかを痛烈に物語っている。たまごっち、ポケモン、リラックマ、すみっコぐらし……この国では「ちいさくてかわいいもの」が、時代を超えて繰り返し国民的現象となってきた。1000年前、清少納言は『枕草子』に「なにもなにも、ちひさきものは、みなうつくし」と書きつけた。この感性こそ、一寸法師から江戸の職人技、そして高度経済成長期のトランジスタやウォークマンに至るまで、日本の創造性と産業美学を貫く一筋の黄金律である。「小ささ」を愛で、凝縮させる知恵の中に、私たちが未来を拓く鍵が眠っている。






















