
WEB TPT 2026年7月7日 394号 巻頭言 AI時代、「Why」を翻訳できる人が未来を創る
バベル ・グループ代 表 堀田都茂樹
本稿を初めて紹介したのは2018年でした。当時、Simon Sinek氏の「Golden Circle」は、「優れたリーダーはWhyから語る」というリーダーシップ論として世界中に広まりました。
それから8年。生成AIは驚くべき進歩を遂げました。今やAIは、「何を(What)」すべきか、「どのように(How)」実現するかを、瞬時に提示できます。
しかし、AIがどれほど進化しても、自ら「なぜ(Why)」を持つことはありません。
なぜその本を書くのか。
なぜその会社を創るのか。
なぜその製品を世界へ届けるのか。
なぜその文化を未来へ残したいのか。
この「Why」こそが、人間だけが生み出せる価値です。
翻訳も同じです。
AIは言葉を翻訳できます。しかし、著者や企業、研究者、文化が抱く「Why」を理解し、それを異文化の読者へ自然に伝える仕事は、人間の翻訳者だからこそ担える領域です。
私は近年、「構造的翻訳」や「創訳(古典革新訳)」を提唱しています。それは単なる言語変換ではなく、「Why」を中心に据え、文化や価値観を超えて意味を再構築する翻訳です。
だからAI時代は翻訳者が不要になる時代ではありません。
むしろ、翻訳者はAIを最良のパートナーとして活用しながら、人間にしかできない「Whyを伝える仕事」へ進化していく時代なのです。
本稿で紹介するSimon Sinek氏の講演は、その本質を最も分かりやすく語っています。出版、企業経営、教育、研究、そして翻訳という仕事に携わるすべての方に、改めてご覧いただきたい名講演です。
【関連動画】
TED Talk
How Great Leaders Inspire Action
Simon Sinek
https://www.ted.com/talks/simon_sinek_how_great_leaders_inspire_action






















