――プロットを捨てよ。物語は「設計」から生まれる

ベストセラー作家のディーン・クーンツ(Dean Koontz)は、かつて緻密なアウトラインを書いていました。しかし、ある時期から、その方法をやめます。

彼が重視するようになったのは、プロットを先に発明することではなく、人物が状況の中でどう動くか、という発想でした。

主人公を強い状況に置く。その人物が何を信じ、何を恐れているかに従って動かしていく。すると展開は、外から作為的に与えられるのではなく、内側から自然に立ち上がってくる。作者は筋を「発明」するのではなく、人物の選択を「発見」していく。

これは、キャラクター駆動型創作の王道です。

しかし私たちは今、AIという新しい道具を手にしています。

ここで問題が生じます。
クーンツの方法は、優れた作家の直感に深く支えられています。経験のある書き手だからこそ、「人物を置けば動く」と言えるのです。ところがAIに対して同じことを曖昧に指示すると、もっともらしいけれど薄っぺらい文章が返ってきやすい。

そこで私は、このキャラクター駆動型創作を、AIに適応する形へと構造化して考えてみました。

人物を「行動エンジン」として定義する。
信念を文章化する。
状況を五感レベルで固定する。
してAIには、物語を作らせるのではなく、一定の条件下での反応をシミュレーションさせる。

言い換えれば、クーンツの発見型手法を、「状況駆動型創作」という設計思想に翻訳したのです。

物語を作るのではない。
物語が発生せざるを得ない条件を設計する。

今回は、この考え方を具体的なテンプレートとプロンプトの形で示します。

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