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JTA News & Topics 」 第182回  

今回は、20231026日に実施しました「日英技術翻訳の勘どころ」セミナー第3(主催:バベルユニバーシティ、後援:一般社団法人 日本翻訳協会)受講者の吉田ひろみさんよりセミナーレポートを投稿いただきましたので掲載をしています。
情報提供:一般社団法人日本翻訳協会 (Japan Translation Association略してJTA)                                           https://www.jta-net.or.jp/
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          「日英技術翻訳の勘どころ」セミナー 第3

日本人の弱点を克服して Readable な英文を書こう  

●レポーター :吉田 ひろみ

バベル翻訳専門職大学院在籍中

米国ハワイ州在住。国際企業でフルタイム勤務の傍ら、子育てと学業の両立に奔走中。

前回に引き続き、平井講師(技術士/情報工学、(有) 平井ランゲージ・サービシズ代表取締役社長)の「日英技術翻訳セミナー第3:文法・語法おさらいその2日本人の弱点を克服して Readableな英文を書こう へ参加させて頂きました。

日本語で書かれた文章を英語に翻訳する上で、日本人が犯しやすい間違いを抑えながら、テクニカルライティングの考え方も取り入れたreadableな(外国人が自然に読める)技術英文を作成する方法に焦点をあてた一連の講義。

<セミナー目次(内容)>                                        1.形容詞/副詞                                            2.前置詞                                            3.接続詞                                            4.動詞/助動詞

日常会話では使われていても、フォーマルな文章では使わない方がよい、ネイティブでも間違えることがあるシチュエーション。例えば、U.S.天気予報でのTVニュースキャスターが平気で使っている "Hot temperatures/ Cold temperature " 、正しくは、" High temperatures / Low temperatures" “Red color, Blue color" 、日常会話ではokでも、フォーマルな文章ではNG、正しくは"This color is red/blue.” また、「xx 倍大きい」などの数量的比較表現(科学・技術英語と日常英語の相違)(xx times + 比較級 + than” の形は避けること)や、比較級のおさらいなど、改めてなるほどと思い、とても印象的でした。

一見非論理的な形容詞の使い方もある程度許容される(文学、日常会話等)(文脈から誤解される可能性が低い場合)(一般英語のあいまいさ)                                    例: Broken-hearted, he trod along the lonesome road.

* 比喩、擬人化、転喩、転移修飾等による(文学では巧拙を決める重要な要素)。科学・技術文書では、明快さ (clearness/clarity) を優先するので、極力避ける。

比較の原則                                                (1) 比較するものと比較されるものとは、同類または同じ範疇/次元のものでなければならない例:

(a)He is older than I.                                       <NG>:   (a) He is older than 51.                                    注: この原則は日常英語では看過されることが多いが、フォーマルな文書では守る必要がある

原級を用いた比較

“no [other, else]” との組み合わせによる実質的最上級                          例1: No [other] company is so (as) profitable as this corporation.                   例2: Nobody can sing that song so (as) beautifully as she.                        注: “other” は、比較相手が別の範疇なら使えない                          <NG> No other building is so (as) high as Mt. Fuji. ⇒(注:  “No building is so (as) high as Mt. Fuji.” はok

“may as well”: 「ほかにもっとましなことがないからしてもいいのでは?」 (控えめな提案)

“not so much…as~”: 「というよりはむしろ~

数量的比較

「xx 倍大きい」等の比較表現(科学・技術英語と日常英語の相違)

科学・技術文書では、「xx 倍大きい」と言った場合、「2つの量の差が元(比較対象)の  xx 倍」を表すので、実質的には「(xx + 1) の大きさ」となる(日常英語(日本語も同様)ではあいまいであるものの、「xx の大きさ」 を意味することが多い)  例: 下記の 2つの列車の速度を比較する文は、科学・技術英語と日常英語で少し違う

Train A  の速度: 300 km/h                                      Train B  の速度: 100 km/h                                       ・科学・技術英語として正しい文: Train A runs three times as fast as Train B.              (xx times + 比較級 + than” の形は避けること)

・日常英語としてよく使う文:                                    <科学・技術英語ではNG> Train A runs three times faster than Train B.                  (比較級前の “xx times”  は、本来差分を表すので、この文では、Train A の時速が 400 km/h ということになってしまう)

“no + 比較級 + than” 型

“A is no more B than C is D.”(AがBでないのはCDでないのと同じ)                  例1: A home without a cat is no more a home than a dinner without wine is a dinner.             (「ワインのないディナーがディナーでないのと同じように、猫のいない家庭は家庭でない」)

“no more than + 数詞([わずか] …しか [ない])例: He has no more than $25.[わずか/たった] 25ドルしかもっていない)

参考: “not more than + 数詞(せいぜい (多くても) 25ドルしかもっていない)

“no less than + 数詞 (そんなに多く))例: He has no less than $200. (200ドルももっている)   参考: “not less than + 数詞(少なくとも 200ドルもっている)

“no sooner … than ~”(や否や~する/した)例: No sooner had the lightening struck the transformer than the lights went off.                                       (「変圧器に雷が落ちるやいなや、電灯が消えた」)

「以上」、「以下」 と “more than” “less than” の相違                       ・「以上」、「以下」では、直後に来る数量を含むが、“more than” “less than” (他の形容詞、副詞も同様)は直後に来る数量を含まない

“no more than,” “no less than” は要注意                               ・通常の大きさの整数に関する「以上」、「以下」では、1個ずらして不等号(単純な “than”)表現すると同じ効果が得られる                                           例: 2以上」 = more than 1 

・非常に大きな整数や、連続数(温度などの物理量)で正確な境界値そのものにこだわる必要がない場合は、あまり神経質にならなくてよい

その他

・使っても文法的には問題なく、文語的でぎこちないとされている
・肯定の平叙文中の補語/目的語として、または、 “There (Here) is/are …”構文の補語として使わない方が口語として自然である(ただし、強意の目的で文頭に置かれる場合は構わない)・代替として使うべき語句: far → a long way many → a lot of, a [large] number of, a great many much → plenty of, a good (great) deal of

時間の起点/終点

  • 一般に、直後に来る時点を含むとされるもの                                 by   from since through  to
  • 一般に、直後の来る時点を含まないとされるもの                               after  before

・直後の時点を入れたい場合は、別の前置詞と組み合わせる                             : on or before September 30, 20XX

  • あいまいなもの(したがって、実務ライティングでは要注意)                              between   till   until

“between”: 一般的には直後の時点を含むとされるが、議論の余地は残るので、直後の時点を含むことを強調したい場合には、“inclusive” “included” を添える。

: between August 4 and 10 (both inclusive)

・主節が否定文の場合は “till,” “until” は直後の時点を含まないことが明白    : He will not be back until Friday.

注意を要する前置詞の用法

  • “for” と “within” は特定されない期間に用いる例1: for four weeks (4週間) vs. during the summer break (特定される) 2: Do this job within a week (1週間以内で) vs. <土曜日までに> Do this job by Saturday.

前置詞の省略

・一般に、フォーマルな文書では省略しない方が無難

「自動詞 + 前置詞」*の後に “that” 節または疑問詞節が続く場合

* “be + (adj) + 前置詞 を含む

例1: I am sure that he will attend the meeting.

例2: We are not sure [about] whether that is the case.

“whether” 節では前置詞を省略するのが普通 

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*ZOOM(オンライン)で受講できます。                           

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「日英技術翻訳の勘どころ」セミナー 第4回

― 日本人の弱点を克服して Readable な英文を書こう ―

日本語で書かれた文章を英語に翻訳する上で、日本人が犯しやすい間違いを最少に抑えながら、テクニカルライティングの考え方も取り入れたreadableな(外国人が自然に読める)技術英文を作成する方法に焦点をあてた一連の講義です。

<セミナー目次>                                          単語/フレーズレベルの諸ルール                                    1) 用語                                                2) 数量/単位                                            3) 図表                                               4) コロケーション                                          5) 法的/ビジネス的/社会的側面

●講師:平井 通宏(ひらい みちひろ)

・(株)日立製作所でメインフレームコンピューターの設計および輸出に35年間従事した後、社内外国語研修 所の運営に4年間携わり、定年退職後15年間神奈川大学や早稲田大学で技術英語の教鞭をとった。

・並行して(益財)日本英語検定協会顧問を11年間務める等、日本人の英語能力評価に携わった。

・日英・英日翻訳(含添削)歴は、社内従事や副業も含め49年に及ぶ(2023年春現在)。

・現職は、(有)平井ランゲージ・サービシズ代表取締役社長。

・英語能力検定試験*の最上級54件取得(日本一ネットで日本記録認定)。

・技術士(情報工学)、工学修士(米国ペンシルバニア大学)

* 米国翻訳者協会 (ATA) (JE/EJ)、JTFほんやく検定1級(JE/EJ)、

「JTA公認翻訳専門職(Certified Professional Translator)」認定取得、

TEP 1級、工業英検1級、TOEICR満点を含む

著書

・『速く正確に読む IT エンジニアの英語』

・『エンジニアのための英文超克服テキスト』

・『エンジニアのための英語プレゼンテーション超克服テキスト』

・『エンジニアのための英会話超克服テキスト-実戦! テクニカル・ミーティング』

・『キクタンサイエンス: 情報科学編』

訳書

・『はじめての STEP BULATS』

●第4回セミナー日程: 2023年12月22日(金) 15時~16時30分(日本時間)

●申込締切 : 2023年12月19日(火)(日本時間)

◆セミナーの詳細・お申込みはこちらまで↓

https://www.jta-net.or.jp/seminar_230623.html

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『CLEVER JACK TAKES the CAKE』で楽しむ絵本翻訳セミナー

― 楽しい物語絵本を、特に動詞に注目して訳してみましょう ―

今回のセミナーで取り上げるのは、お城やお姫さまも登場する、昔話風のお話です。cleverな主人公の物語に、読者がわくわくするような日本語訳をつけてみましょう。また、英語の動詞やオノマトペについて、ご一緒に考えてみたいと思っています。課題は始めの数ページとなりますが、ぜひ最後まで訳して物語の流れをお楽しみください。この絵本の邦訳はまだありません。参加者の皆さんとともに、楽しい訳を探っていきたいと思います。

【セミナー目次】

・参加者から提出された訳の、気になる部分をピックアップしながら、解説

・講師の訳も合わせて読んでいきます

・参加者が特に悩んだり迷ったりした部分があれば、聞かせてください

・英語と日本語のオノマトペについて

・その動詞、実際はどんな動作?

*このセミナーでは、ご参加者様にあらかじめ課題問題を解いていただき、各人が提出した課題の回答を題材に解説も致します。

*時間の都合でお送りいただいたご参加者様の回答を題材にできない場合がありますのでご了承ください。また、課題の添削はございません。

*課題の提出は任意でございます。

●講師:小林 晶子(こばやし あきこ)

・大学で国文学を専攻。
・小学校の読み聞かせ活動に参加して絵本の面白さに目覚める。
・3年間のカナダ滞在時に英語の絵本に触れる。
・バベル・ユニバーシティーなどで絵本翻訳を学ぶ。
・第18回いたばし国際絵本翻訳大賞英語部門大賞受賞『こおりのなみだ』
・翻訳作品『どこかな あるかな さがしてね くまくんの クリスマス』
『「危険なジェーン」とよばれても』(いずれも岩崎書店)

●セミナー日程: 2024年1月24日(水) 15時~16時30分(日本時間)

●申込締切 : 2024年1月18日(木) (日本時間)

◆セミナーの詳細・お申込みはこちらまで↓

https://www.jta-net.or.jp/seminar_20240124.html

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「字幕翻訳者になるためのガイド」セミナー

― 夢をかなえるために知っておきたいこと、やっておきたいこと―

コロナ禍でのウェビナーやオンラインイベントの普及、動画配信サービスの増加で、映像翻訳の需要がますます高まっています。でも実際には、どんなお仕事でしょうか。                       どうしたら仕事として始められるのでしょう。                                 字幕翻訳に興味がある、これから字幕翻訳の仕事をしたい、そんな方々の疑問を解決するため、現役の字幕翻訳者が産業系/エンタメ系における経験談を交えて「字幕翻訳」の中身をお話しします。

*字幕翻訳について何か気になることがあれば、この機会にぜひご質問ください。
セミナーにて可能な限りお答えします。
質問事項は、お申し込みフォームの「備考」欄にご記入ください。
*他言語の場合も共通点はありますが、基本的には英日字幕翻訳の内容になります。

<セミナー目次(内容)>                                     1.字幕翻訳にはどんな仕事がある?                                   2.他の翻訳と何が違うの?                                     3.どうやって勉強すればいい?                                   4.翻訳会社に応募する方法とコツ                                  5.仕事として続けるために                                     6.字幕翻訳の魅力と悩み

●講師:伊藤 史織(イトウ シオリ)

・英日字幕・出版翻訳者(通算11年)

・バベル翻訳大学院講師

映像翻訳では映画やドラマなどのエンタメ系から、ウェビナーやマーケティングなどの産業系まで、幅広いジャンルの字幕翻訳に携わる。

最近のエンタメ系作品ではNETFLIX配信「僕はトーレ」(日本語版制作:ACクリエイト)、イメージフォーラム・フェスティバル「虫が土の中から出てくる時、人間になる」など。

出版翻訳の訳書には『ウイルス、パンデミック、そして免疫』、『絵でわかる建物の歴史』など。

●セミナー日程: 2024年3月15日(金)15時~16時30分(日本時間)

●申込締切 : 2024年3月12日(火)(日本時間)

◆セミナーの詳細・お申込みはこちらまで↓

https://www.jta-net.or.jp/seminar_240315.html

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●●翻訳試験のご案内●● 

*試験は全てインターネット受験ですからご自宅での受験となります。 

●●実施日:2024120日(土)(日本時間)

●●締切:2024116日(火)(日本時間) 

◆《出版翻訳能力検定試験》

1) 41回ヤングアダルト・児童書翻訳能力検定試験(英日)                        2) 40回エンターテインメント小説翻訳能力検定試験(英日)

https://www.jta-net.or.jp/about_publication_exam.html 

◆《ビジネス翻訳能力検定試験》

1) 第3回 〔日英〕リーガル翻訳能力検定試験                             2) 第3回 〔日英〕医学・薬学翻訳能力検定試験

https://www.jta-net.or.jp/about_business_exam-2.html 

◆第38 フランス語翻訳能力検定試験ノンフィクション分野 (仏日)

https://www.jta-net.or.jp/about_french_translation_exam.html 

◆第38 ドイツ語翻訳能力検定試験ノンフィクション分野 (独日)

https://www.jta-net.or.jp/about_german_translation_exam.html 

◆第36 翻訳プロジェクト・マネージャー資格上級試験

https://www.jta-net.or.jp/about_pro_exam_tpm_2.html

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情報提供 : 一般社団法人日本翻訳協会 (Japan Translation Association略してJTA)

●一般社団法人 日本翻訳協会● https://www.jta-net.or.jp/
・設立:1986年10月
・Mission:「翻訳に対する社会の認識を高めること及び翻訳に関する技術及び知識を増進することによって翻訳の水準を高めること並びに翻訳者を支援してその自立を促進することを通じて、世界の文化交流及び産業経済の発展に寄与することを目的とする。」
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