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WEB TPT  2025年9月22日 375号 巻頭言                                                                                                                                                      日本の作品を世界に届ける                        バベル ・グループ代 表 湯浅 美代子                                                         

 バベル50年の第3期では、翻訳は「知の共有」を理念に掲げ、未訳の名著を翻訳し日本に届ける「地求図書館」を事業化しました。そして、年内には日本の作品を世界に届ける「Books & Rights Marketplace」を事業化します。

 バベルは半世紀にわたり、一つの理念を追い続けてきました。

 それは、言語を人と人、文化と文化をつなぐ基盤とし、創造と交流の力へと高めることです。
翻訳を「国の戦略」としてとらえ、独自の翻訳文法を築き、世界でも数少ない翻訳専門の大学院を創設しました。そして、その根幹となる、プレインイングリッシュとプレインジャパニーズを開発してきました。

 そして今、その土台の上に次の挑戦を始めます。
「Books & Rights Marketplace」を通じて、バベルは日本の声を世界に届けます。

 『般若心経』『老子(道徳経)』『方丈記』といった古典の知恵から、現代作家の作品、そして新たに芽生えた新人の作品まで-これらをプレインイングリッシュとプレインジャパニーズで再創訳し、誰もが理解し、楽しみ、共有できる言葉へと生まれ変わらせます。

 それは単なる翻訳ではありません。

再創訳――バベル流「新超訳」です。
作品の本質や美しさを損なうことなく、読む人の心に届く、生きた言葉へと変えていく営みです。この取り組みによって、私たちは――
• 日本の文学遺産を世界の読者に拓くこと、
• 新しい書き手が国境を越えて羽ばたくことを支援すること、
• 知識と想像力と共感が言語の壁を超えて行き交う未来に貢献すること、
をめざします。

 バベルはこれからも、プレインイングリッシュとプレインジャパニーズという明快で普遍的な言語の原則を発展させ、文学と知恵が真に共有される世界を築いていきます。
これが私たちの次の目標です。

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