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2024年5月に東欧で同時開催される二つのブックフェア

                                       2024/5/22 

東欧のポーランドとチェコでは、今年5月23日から4日間にわたり、二つの国際ブックフェア「ワルシャワ国際ブックフェア」と「ブック・ワールド・プラハ」が同時に開催されます。

ワルシャワ国際ブックフェア(Warsaw International Book Fair)
2024年5月23~26日開催
https://targiksiazkiwarszawa.pl/en/

1991年から毎年5月に開催されているワルシャワ国際ブックフェアは、ポーランドでは最大規模のブックフェアです。昨年2023年には、500近い出展者が集まり、ポーランドをはじめ14カ国から著名な作家が参加しました。4日間で開催されたイベントの数は約800におよび、およそ千名の作家、翻訳者、イラストレーター、業界関係者が参加しました。来場者は、10万人を超え、過去最高となりました。

このブックフェアでは、毎年一つの国をゲスト・オブ・オナーとして迎えます。ゲスト・オブ・オナーは、数々のイベントを通して、来場者に自国の文化や文学を紹介します。昨年はウクライナがゲスト・オブ・オナーとして参加しましたが、今年2024年は、イタリアです。イタリアからは、出版社12社が参加します。開催期間の4日間にわたり、イタリア文化・文学を紹介するさまざまなイベントが企画されており、著者のスピーチやサイン会、ディスカッション、ワークショップなど、イタリアの作家や作品と親しむ機会が得られます。また、イタリアの出版社やエージェントとの交流を通して、イタリア出版業界との関係を深めることもできます。もちろんイタリアだけでなく、開催国であるポーランドやその他の参加各国の作家や作品を知る貴重な機会ともなることでしょう。

ワルシャワ国際ブックフェアは、ワルシャワの中心部に位置する文化科学宮殿とデフィラト広場で開催されます。2004年からは、歴史文化財団(History and Culture Foundation)が主催しています。入場は無料です。

ブック・ワールド・プラハ(Book World Prague)
2024年5月23~26日開催
https://www.svetknihy.cz/praha2024/navstevnik/informace?lang=en_US.UTF-8

チェコ最大の本の祭典であるブック・ワールド・プラハは、プラハのホレショヴィツェ展示場で開催されます。このイベントは、1994 年に最初に開催され、今回は 29 回目となります。約 400 の出展者が参加し、4 日間では 6 万人の来場が見込まれています。

2024年のブック・ワールド・プラハは、ドイツ語文学をテーマとしており、著名な作家がドイツ(Judith Hermann、Reiner Stach)、オーストリア(Tonio Schachinger)、スイス(Peter Stamm)から招待されています。同時に、フランツ・カフカの没後100周年であることから、今回のイベントのモットーとして、「本というものは、わたしたちの内なる凍った海を砕く斧でなければならない」というカフカの言葉が採用されています。

チケットはブック・ワールド・プラハのウェブサイトから購入できます。

ポーランドとチェコは隣接しており、ブックフェアが開催されるワルシャワからプラハまでの距離は約500キロ。バスや鉄道で8~9時間ほど、飛行機を使えば約4時間の距離です。近くにお住まいの方は、二つのブックフェアをはしごしてみると楽しいかもしれません。

<ライタープロフィール>

荒木智子(あらき・さとこ)
立命館大学英米文学専攻卒業。バベル翻訳専門職大学院法律翻訳専攻修士課程修了。
特許翻訳歴約 10 年。心も体も健康に 150歳まで生きるのが目標。完全菜食主義で、野菜は自然農で自給を目指す。自然の美に感動しながら田舎で楽しく暮らしています。

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