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WEB TPT  2025年8月7日 372号 巻頭言                         バベル51年の社歴-3                                バベル ・グループ代 表  湯浅 美代子

 翻訳の定義は創立40数年後を境に、Knowledge(Wisdom)sharing, ‘智の共有’へと発展、進化していきました。地球上の未訳の本を発掘し、翻訳を通じて日本語化はもちろん多言語化して、その智を皆で享受する、翻訳をより立体的に定義し進化していきました。このタイミングで始めたのが知求翻訳図書館(Global Knowledge Garden)、バベルグループの翻訳者に協力をいただき、未訳の良書を発掘し、出版社に提案する翻訳出版支援事業です。はじめは、輸入、すなわち和訳を想定しての作品発掘でしたが、やがて日本の良書を発掘、世界中の出版社に提案する事業へと発展、今現在はこちらも力を入れていきたいと考えています。 

 そして、その先には、翻訳という言語変換を経ずに、自らの言葉で書いて考えを発表、共有する方向へと進めて行く予定です。それも母語の日本語だけでの発信にとどまらず、英語を皮切りに智を発信していきたいと考えています。この段階は、創業から25年目にかけてわが社が20余年手掛けた日本語教育、アメリカ国務省日本語研修所(元所長P.スケアー)、昭和女子大学(高見澤孟先生)、JETRO(諸見国際部部長)と共に展開した「ビジネス日本語」、世界における日本語の普及へとつながることになります。あたかも、一度来た道を別のルートで周る感覚さえ覚える、不思議な展開です。ことほど左様に、バベル51年の後半の歴史は、螺旋階段を上り下りしているような不思議な感覚を覚えます。

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