WEB TPT 2025年7月22日 371号 巻頭言 バベル51年の社歴-2 バベル ・グループ代 表 湯浅 美代子
翻訳の定義も創業から、20年目を境に「翻訳はコミュニケーション」とre-definitionを行いました。2000年を境に、翻訳のビジネス領域が、日本から世界と転換、対象も企業、企業人を対象としたコミュニケーション支援ビジネスへと変換していきました。もちろん、並行して、出版翻訳の領域を極めるための、翻訳奨励賞、国際翻訳賞等を設け、日本だけではなく、欧米、中国、韓国等で翻訳コンテストを開始、日本に受賞者の皆様をご招待しました。
更に、この期の特徴的なことは、1996年に米国CA州に、BABEL Corpotation社を設立し、世界に向けて翻訳の専門職大学院を企画、スタートさせたことです。2001年には、米国の連邦政府の認証を取得、Babel University Professional School of Translation(インターネットによる翻訳専門職大学院)を米国ハワイ州に設立したことです。大学院はそこから20余年、5回のRe-accreditation(再審査)を経て、再び日本の地で翻訳教育を再開しました。
翻訳をコミュニケーションとして捉えてビジネス展開したこの期のひとつ象徴的イベントは、日本ディベート協議会と10年にわたりタイアップし、米国のディベートチャンピオンを日本に招請、日本全国で英語、日本語のディベート大会を実施してきたことです。
また、2007年には日本の企業の法務部員を集合させ、外国人、渉外弁護士に様々なリーガルコミュニケーションをテーマとするセミナーを実施していただきました。そのころより、トヨタ自動車をはじめとする、日本の自動車業界の海外赴任前研修を積極的に実施していました。月刊雑誌も、「Legal Com」と改称し、リーガルコミュニケーション、リーガル翻訳教育の日本における礎を創り上げて行きました。また、同時期に、Certified Professional Secretary(後に、Certified Administrative Professional)の養成を米国主催団体と連携して実施しました。
ことほど左様に、2000年代の10余年は、翻訳をコミュニケーションと捉えることで、ビジネスは企業人を巻き込みビジネスコミュニケーションの様相を呈していきました。