ブックコミュニティ第8回
第16回「Goodreads Choice Awards」発表!
世界最大級のブック・コミュニティ「Goodreads」は、Amazon.comが運営する読書愛好家たちのプラットフォームです。このGoodreadsが2009年から主催している「Goodreads Choice Awards」は、審査員や専門家による選定ではなく、一般読者の投票によって決定されるユニークな書籍賞として知られています。今年も6,261,936票もの投票が集まり、読者から真に支持される作品が選ばれました。
【フィクション部門】
人生に行き詰まっていたフィービー・ストーンは、高級ホテルで開催される豪華な結婚式でゲストと間違われ、
新婦との思わぬ友情を通じて新しい人生の可能性を見出していく。今年最も驚きを与えた、心躍る小説。
【歴史フィクション部門】
24歳の看護学生フランシス・"フランキー"・マグラスは、ベトナム戦争に従軍し、陸軍看護隊の外科看護師としての使命を見出す。アメリカに帰国後、戦争の現実と家族の期待との間で彼女の人生はさらに複雑になる。今年度、全部門中最多得票となる253,147票を獲得。
【ミステリー&スリラー部門】
1975年、裕福な家族が所有するサマーキャンプで13歳の少女が失踪。その16年前には兄も同様の失踪を遂げており、
家族の闇が次第に明らかになる。犯罪小説、心理サスペンス、家族ドラマが見事に融合した珠玉のミステリー。
【ロマンス部門】【オーディオブック部門】
内気な児童書司書のダフネは、元婚約者ピーターと復縁を試みるが、彼の親友の元恋人マイルズとの同居生活が始まり、
予期せぬ友情と愛情が芽生える。“ロマンスの女王”エミリー・ヘンリーがダブル受賞を果たした。
【ロマンタジー部門】
人気シリーズ「クレセント・シティ」の第3弾。セクシーな堕天使と彼らを愛する人間たちを主人公にした物語で、
ファンタジーの新たな地平を切り拓く一作。ヤングアダルトファンタジー部門で同賞の常連であるサラ・マーズの、
ロマンタジー部門での初受賞作品となった。
【ファンタジー部門】
2020年に大ヒットした『The House in the Cerulean Sea』の続編で、マルシャス島の謎めいた孤児院とそこで暮らす不思議な子供たちの物語。
無条件の愛と、家族の発見というクィアフレンドリーなテーマが描かれる。
【SF部門】
19世紀の極地探検家とタイムトラベルで出会うコメディタッチのロマンス。スパイや時間物理学など、多彩な要素がちりばめられた遊び心満載の作品。
作者のデビュー作でもある。
ホラー小説の帝王スティーブン・キングの短篇集。運命と死、悲劇、暴力といった人間にとっての永遠の恐怖をテーマとしたこの短篇集は、キングの最高傑作との呼び声も高い。ホラー、ミステリー&スリラー、ファンタジー、SFの分野で11度目の受賞となった。
【デビュー小説部門】
悲劇的な過去を抱える二人の作家が、人気書籍シリーズのテレビ映画化をきっかけに再会する。人生のように複雑なストーリーを二つの視点からユニークな構成で描く。作家のユーリン・クァンは、今年のロマンス部門とオーディオブック部門で受賞したエミリー・ヘンリーの小説『Beach Read』の映画化において、監督と脚本を務める。
【ヤングアダルトファンタジー部門】
昨年の同部門受賞作の続編。戦地から傷心のまま帰還したアイリスと、記憶を失ったローマンが、敵同士でありながら、心の距離を縮めていく。スチームパンクと呼ばれるレトロフューチャーな世界を舞台に、戦争の流れを変えるため、二人は自らの心と未来を危険にさらすことになる。
【ヤングアダルトフィクション部門】
LGBTQ+グラフィックノベルのベストセラー『ハートストッパー』シリーズの第5巻。Netflixによる映画化をきっかけに、新たな世代のファンをも魅了している。恋に落ちたニックとチャーリーの人生における、あらゆる小さな瞬間が描かれ、それが大きな共観を呼ぶ青春グラフィティ。
【ノンフィクション部門】
社会心理学者のジョナサン・ハイトは、世界的に広がる10代のメンタルヘルス危機を調査し、テクノロジーが若者の発達に与える影響を詳しく分析する。親、学校、ハイテク企業、政府に対する具体的な提案もされている。
【回顧録部門】
女優ケリー・ビショップが、ハリウッドやブロードウェイでの人生を振り返った回顧録。2000年初頭のテレビドラマの金字塔である『ギルモア・ガールズ』に出演した際のエピソードや、スクリーンから離れた自身の日常での姿を率直に語っている。天性のストーリーテラーであるビショップの文章は、多くの人の心に響く。
【歴史&伝記部門】
アメリカの書店の歴史を深く掘り下げ、そうした文学的施設が地域社会や文化、公共政策に与える影響を探る。書店が地域のコミュニティを育み、創造し、それぞれが文化、言論、公共政策へと枝分れしていくことを、説得力をもって、また愛情に満ちた筆致で論じている。
さて、あなたの読みたい一冊は見つかりましたか?