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2022年4月7日 第313号 World News Insight (ALUMNI編集室改め) 

発行:バベル翻訳専門職大学院 ALUMNI Association

「 ‘ドライクリケット’に、ご用心!!                              

バベル翻訳専門職大学院(USA) 副学長 堀田都茂樹
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 ‘ドライクリケット’にご用心!! 

 ・河野太郎大臣のコオロギ試食

・大手メディアによるコオロギ食のアピール

・給食へのコオロギ食品を使用

・SDGsのためのエコな食品としてのコオロギ推進  

元環境大臣・小泉進次郎議員の「昆虫食」パフォーマンス

こういった「コオロギ食」推進の報道が突然、流れるようになりました。 

SNSやインターネット記事のコメントでは賛否両論あるコオロギ食ですが、大手メディアはコオロギ食を推進しているようです。ここで論じられているのが、「食糧危機」への対策としてのコオロギ食ですが、本当に食糧危機は迫っているのでしょうか。 

そもそも、食糧危機への対策として「コオロギ食」が正解なのか?この突然始まった「コオロギ食」にも「巨大な利権」が関わっているようです。 

私たちが知るべきは、コオロギ食の安全性や食糧危機への効果ではなく, 裏で仕掛けている「巨大な利権」の動向なのです。これを知らなければ、食糧危機という言葉で煽られ、コオロギに限らず、肝心な食べ物からコントロールされる人生になります。 

思い起こすと、日本で初めてこれを仕掛けられたのは、第二次世界大戦後のアメリカによる小麦粉の普及です。 

今では、 

・パン

・ラーメン

・パスタ

・ピザ

・ケーキ 

など、日本でも広く食べられています。

こういった食べ物が好きな人も多いでしょう。 

戦後から給食でパンを取り入れるようになったのもその一環。小麦粉はメリケン粉とも言われていました。メリケンとは「アメリカン」を指しています。本来、日本にはなかった食べ物です。これが戦後に広く普及され、今では日本人の好きな食べ物に多く使われています。 

しかし、そもそも、食糧危機だからと昆虫食を推奨する前に、他にやるべきことがあるのでないでしょうか。 

実際、日本では年に約612万トンもの食べられるはずの食料が廃棄されています。(出典/農林水産省・環境省調べ)最近も、大量の牛乳が廃棄され、国が牛一頭を屠殺するたびに15万円の助成金を国が出すと発表しており、農家は苦境に立たされています。酪農家の85%は赤字経営であるという調査結果も出ています。 

また、それ以前に、つい2018年まで米の生産量を減らす政策を実施していたわけです。それなのに、政府は昆虫食の企業に6兆円もの予算を組んでいます。そこまでして昆虫食を推奨するのは何故なのでしょうか。 

アピールが始まった時期を考えると、2020年1月に開催された第48回総合科学技術・イノベーション会議で、内閣府は「ムーンショット計画」なるものを立案した時期でしょうか。この計画のなかには2050年までの地球規模での持続的な食料供給産業の創出を目指しており、微生物や昆虫の生物機能を活用したり、食料の無駄をなくす解決法を開発するという項目が含まれています。 

これが具体的に動き始めた結果が直近の「コオロギの粉を食べる」という動きにつながっている可能性は高そうですが。 

国会では所管外のことについては一切何も答えないことで有名な存在となっている河野大臣が、まさに所轄外の昆虫食の領域で1年ほど前に徳島発のベンチャー企業が開発した乾燥養殖コオロギのミックスナッツ和えをメディアの前で食べて見せて、それが今頃になって炎上の材料になっています。 

徳島県の県立高校で試験的に「食用コオロギ」の粉末が学校給食として提供されたことがネット上で大きな話題となっています。昆虫食は「環境への負担が少ない」、「栄養価が高い」、「生産・加工がしやすい」、などメリットがあるとされています。 

従来の農作物では森林を伐採して環境破壊につながり、畜産は鳥インフルエンザなどのリスクがあるため行き詰まっていると言います。そんな食糧危機の救世主として注目されている昆虫食らしいですが? 

“環境推進派”の小泉進次郎が昆虫食「義務化」へ!!「昆虫食」騒動の中、あらためて注目されているのが、元環境大臣・小泉進次郎議員の「昆虫食」パフォーマンスです。環境大臣時代には悪名高き「レジ袋有料化」を実現したことで知られていますが、大臣を辞した後も、ヴィーガン食や食品廃棄などの問題に取り組んでいる姿がSNSで伝えられている。そんな環境にうるさいとされる彼の最新の興味が、あろうことか「昆虫食」のようです。 

また、MicroSoft創業者のビルゲイツは、2012年、昆虫食企業、‘AII Things Bug’に、昆虫種を使用して栄養価の高い食品を効率的に生産する方法を開発する、として10万ドルを提供しました。更に、2021年、別の昆虫食会社に220万ドル、更には国連食糧農業機関(FAO)には1100万ドル以上の資金を投資、昆虫食には妙に入れ込んでいる、という情報もあります。 

 しかし、ここで我々が考えたいのは、前述のフードロスへの無頓着さへの反省だけではなく、コメそのものだけではなく、日本古来の食文化への回帰です。そもそも、醤油、味噌、味醂、酒、漬物、梅干し、納豆、鰹節、酢などなど。我々は発酵食品なしで和食を作ることは不可能です。 

我々日本人は、世界で唯一、麹菌を家畜化した民族です。さらに、世界初のバイオ事業は、室町時代に始まった種麹屋です。我々の先祖は、当時は誰も実物を見たことがないにもかかわらず、麹菌を「飼育」し、次世代に伝えてきました。それが、今に繋がっています。 

ゲテモノを食らうより、日本人の麹菌(日本の国菌です)を初めとする「発酵食品」関連の歴史も我々が知り、子孫に伝えていかなければならない重要な資産だと思うのですが。

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