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2024年8月7日 第345号 World News Insight             (Alumni編集室改め)                                    米国連邦議会で拍手喝采、岸田首相´売国´スピーチ                                バベル翻訳専門職大学院 副学長 堀田都茂樹

2024年4月11日の日本の岸田総理の米国連邦議会でのスピーチの肯定的な反響は、皆さまもマスコミで聞き及んでいたかと思います。それに対して、京都大学大学院教授、元安倍内閣参与の藤井聡氏が、もっともな、痛烈な批判をしていることをご存じでしょうか。

日本の総理大臣である岸田総理が日本国民の生命や財産を蔑ろにし、アメリカに媚びることしか考えていないこと。16%という最低の国民支持率も納得ですが。ご本人はそれを挽回しようと(見当違いでしょ)、必死で米国議会でスピーチをしたのでしょう。

それも、1980年代にレーガン米大統領のスピーチを書いた経験があるベテランのスピーチライターを起用して書いてもらったとのこと。

その問題だらけのスピーチ原稿の一部をのぞいてみましょう。

そもそも、戦争に負けて、未だに占領状態といっても過言ではない。また、原爆投下され多くの一般人が殺戮された戦争犯罪を犯されたという歴史認識がないのでしょうか。広島出身の岸田総理が?

On the spaceship called "Freedom and Democracy," Japan is proud to be your shipmate. We are on deck, we are on task. And we are ready to do what is necessary.

⇒「自由と民主主義」という名の宇宙船で、日本は米国の仲間の船員であることを誇りに思います。共にデッキに立ち、任務に従事し、そして、なすべきことをする、その準備はできています。

世界はグローバルサウス、中国、ロシアと、決して"Freedom and Democracy"だけを信奉している国家だけで成り立っているわけではない。そのかじ取りをどう考えているのでしょう?

The democratic nations of the world must have all hands on deck. I am here to say that Japan is already standing shoulder to shoulder with the United States. You are not alone. We are with you.

⇒世界中の民主主義国は、総力を挙げて取り組まなければなりません。皆様、日本は既に、米国と肩を組んで共に立ち上がっています。米国は独りではありません。日本は米国と共にあります。

In 2022, we announced that we would secure a substantial increase of our defense budget by FY 2027 to 2% of GDP, possess counterstrike capabilities, and improve cybersecurity. Today, the deterrence that our Alliance provides is stronger than ever, bolstered by U.S. extended deterrence for Japan.

⇒2022年、日本は27年度までに防衛予算を国内総生産(GDP)の2%に達するよう相当な増額を行い、反撃能力を保有し、サイバーセキュリティーを向上させることを発表しました。今日、日米同盟の抑止力は、かつてなく強力であり、それは米国の日本への拡大抑止によって強化されています。

 extended deterrence for Japanは、米国が日本のために拡大している軍事的抑止力? そもそも、アメリカの国益でそうしているのでは。せめてU.S. extended deterrence in Japanではないのか。

"The United States has maintained the international order almost single-handedly. But there is no reason for America to shoulder this burden alone. The world counts on American leadership, but America should not be forced to safeguard the international order by itself, without help. Japan was once a regional partner of the United States, but today, we stand as a global partner."

⇒ほぼ独力で国際秩序を維持してきた米国…米国、一人で秩序を守る理由がない。世界は米国のリーダーシップをあてにしていますが、米国は、助けもなく、たった一人で、国際秩序を守ることを強いられる理由はありません。日本はかつて米国の地域パートナーでしたが、今やグローバルなパートナーとなったのです。

once a regional partner of the United States, but today, we stand as a global partner."
ウクライナ、中東、米国の世界戦略を全面肯定し、それに全面協力することの意思表明??
もはや世界の警察官を演じる力のない米国に対して、全面協力をする??

以上が、その問題スピーチの一部ですが。

このようにアメリカに対して、日本を守ることが仕事であるはずの総理大臣が媚び、国を売るといったことは今に始まったことではないのはご承知でしょう。

例えば、郵便貯金や簡易保険などの国民の財産を、外資に売り渡す郵政民営化も、アメリカの指示によって小泉内閣が行ったと言われています。

また、明日食べるものにも困るような若者を多数生み出した労働派遣法の改正も、アメリカ企業が日本でビジネスをしやすくするために、小渕内閣がアメリカの要求で行ったと言われています。

日本全国の商店街をシャッター街に変えた大店法の改正も、アメリカ企業、トイザらスが日本で儲けるために、アメリカの指示で行われたと言われています。

つまり、アメリカによる、アメリカだけが得をし、日本人に損害が出るような要求を日本を守ることが仕事のはずの総理大臣が通し、国を売り飛ばしてきたのが実態です。

そしてこのようなアメリカによる搾取に次ぐ搾取、日本のトップ自身による“売国”はこれからも続いていくのではないでしょうか。なぜなら、このような話はほとんど報道されることがないからです。

テレビや新聞を見ていて、日本の政治の裏で蠢く「アメリカ」の存在を感じたことがあったでしょうか。

いや、ほとんどなかったはずです。アメリカの要望によって重大な売国政策が、これまで何度となく通されてきたのにも関わらず。結局、くだらないスキャンダルばかりを連日報道し、目先の数字やカネにしか関心のないマスコミに国民に正しい情報を届けようなんて思いはないのです。日本国民は言わば、情報鎖国状態に今もあります。

アメリカの企業からスポンサー料を貰い、成り立っているマスコミにとって、国民に正しい情報を届けるなんて「そんなことしても1円にもならない」としか思っていないでしょう。
つまり、政治の裏側で行われる政治家による売国行為や、アメリカによる日本国民への搾取を、私たちに知らせてくれる存在は今や日本に存在しないのです。

しかし、それを、伝えようと孤軍奮闘している、藤井聡氏、をはじめとする‘ジャーナリスト’がいます。これをバベルは翻訳ジャーナリストとここでは呼びます。翻訳ジャーナリストとは、異なる言語間でニュースや情報を翻訳し、読者に提供するジャーナリストです。言わば、情報鎖国の状態を解消し、国境を越えて正しい情報を人々に伝える役割を担っています。

異なる文化や言語の架け橋となり、国際的な情報の流通を支える重要な役割を果たしています。また、翻訳ジャーナリストには、異なる言語や文化に関する深い理解と、正確な翻訳スキルが求められます。ここで私が勝手に考える翻訳ジャーナリストを紹介しましょう。

堤未果(国際ジャーナリスト)
藤井厳喜(国際政治学者)
藤井聡(京都大学大学院教授)
竹田いさみ(現場を歩く国際政治アナリスト、独協大学名誉教授)
前田高昭(金融翻訳ジャーナリスト、バベル翻訳専門職大学院教授)
池上彰(ジャーナリスト)
鈴木宣弘(東京大学大学院教授)
馬渕睦夫(元ウクライナ大使)
施光恒(九州大学大学院教授)
丸谷元人(危機管理コンサルタント)
川添恵子(中国研究家)
谷本真由美(「世界のニュースを日本人は何も知らない」シリーズ著者、元国連職員)

こうした、翻訳ジャーナリストが、日本の情報鎖国を解消してくれることを、切に望みます。

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