2025年3月22日 第360号 World News Insight (Alumni編集室改め) 日本の未来を守るために バベル翻訳専門職大学院 副学長 堀田都茂樹
在留外国人問題と国家戦略の視点から
近年、日本国内において「外国人が増えた」と感じる人が増えている。これは単なる感覚ではなく、統計的な事実に基づく現象である。現在、日本の在留外国人数は約359万人に達し、その割合は日本全体の約3%、東京都では約20人に1人という水準になっている。さらに、訪日観光客も年間4,000万人に迫る勢いだ。
一方で、日本の人口は減少の一途をたどっている。2008年に1億2,808万人だった人口は、2024年には1億2,389万人へと約400万人減少した。このままの傾向が続けば、2065年には8,800万人まで減少すると予測されている。このような状況下で外国人の比率が増すのは当然のことであり、日本社会の在り方にも大きな影響を与えている。
移民政策と「2008年の分岐点」
この外国人増加の背景には、2008年の福田康夫政権下で推進された移民政策が大きく関係している。当時、自民党の一部議員による「1,000万人移民受け入れ」という提言がなされ、さらに福田首相は「留学生30万人計画」を策定し、これが達成された。その結果、現在の留学生数は約37万人に達し、その多くが中国からの留学生である。この流れが続いた結果、日本は現在「移民大国」へと変貌を遂げつつある。しかし、果たしてこのような急速な外国人受け入れは、日本の国益に資するものなのだろうか?
中国人留学生と「国防動員法」のリスク
外国人の中でも、特に中国人の増加は日本の安全保障において無視できない要素となっている。現在、日本に在留する中国人は84万人以上にのぼる。この数は、単に経済活動を目的とするものではなく、彼の国の戦略的な移民政策の一環である可能性が高い。
中国には「国防動員法」という法律が存在する。これは、中国政府が有事の際に海外在住の中国人を軍事的・政治的活動に動員できるというものである。つまり、日本国内に滞在する中国人が、何らかの国家的命令に従い工作活動を行う可能性があるということだ。
これを象徴するのが、「CSC(中国学生学者連合会)」の存在である。CSCは、中国政府が資金を提供し、世界各国の大学に留学生を送り込み、情報収集や影響力拡大を図る組織とされている。欧米諸国では、このCSCの危険性が指摘され、排除の動きが進んでいるが、日本の大学は依然として彼らを積極的に受け入れている。
この問題について、ジャーナリストの佐々木類氏は、「日本の大学はCSCの存在を知ったうえで留学生を受け入れているのか?」と疑問を投げかけている。実際に、私立大学の中には、在校生の9割が中国人留学生という学校も存在している。このままでは、日本の教育機関が知らぬ間に中国の影響下に置かれてしまう危険がある。
中国による「静かなる侵略」
中国政府の影響力拡大は、単に人の移動にとどまらない。日本国内の土地や企業の買収も、深刻な問題となっている。
・中国資本による土地買収
沖縄や北海道では、中国企業による土地の買収が進んでいる。特に、水源地や軍事的に重要な地域が買収の対象になっていることが問題視されている。
・東京の火葬場は中国系企業がほぼ独占
近年、東京の火葬場が中国系企業によって次々と買収され、日本人が利用しにくくなっているとの報道もある。これは、葬儀ビジネスを通じた日本文化への浸透という側面も持つ。
・認知戦と情報戦
中国政府は、「戦わずして勝つ」戦略を採用している。SNSを利用した世論操作や、親中派議員の増加など、日本の政治・メディア・経済のあらゆる分野に影響を及ぼそうとしている。
日本はどう対応すべきか?
これらの問題に対し、日本はどう対応すべきだろうか?
まず、日本政府は移民政策の抜本的な見直しを行い、無制限な外国人受け入れを制限するルール作りが求められる。特に、以下のような対策が急務だろう。
1.外国人の土地購入規制の強化
→ 軍事・インフラに関わる土地は、外国資本が容易に買えないよう法改正を進める。
2.国防動員法に基づくリスク評価
→ 中国人留学生・技能実習生の受け入れに対し、安全保障上のリスクを事前評価し、制限をかける。
3.大学への留学生受け入れ基準の厳格化
→ CSCなどの政府関与が疑われる団体に関与する学生の受け入れを制限。
4.政治家の親中派問題の監視と透明化
→ 政治資金の流れを明確にし、外国からの影響を排除。
日本が生き残るために
日本は、平和国家としての理想を掲げながらも、現実的な防衛戦略を考えなければならない。人口減少を補うために移民を受け入れることが、必ずしも国益に適うとは限らない。むしろ、安易な移民政策が国家の存続を危うくする可能性もある。
かつて、日本は高度な国防意識を持ち、外敵の侵入を防いできた。しかし、現代においては、戦争のかたちが変化し、「静かなる侵略」という形で国土が脅かされているのだ。
このままでは、日本は知らぬ間に「日本でありながら、日本ではない国」へと変質してしまう危険がある。日本の未来を守るため、私たちは何をすべきか?今こそ、真剣に考え、行動を起こす時ではないだろうか。