欧米のライターズマーケット近況

第4回 世界のライターズ・マーケット近況(2024年11月)

米国のライター向けコンテスト

米国では、ライター向けに多様なコンテストがあり、初心者や経験の浅いライターが気軽に参加できるコンテストも開催されています。そのいくつかを紹介します。

Writer’s Digest Your Story Contest

Writer's Digestでは、初心者でも短い内容を書いて参加できる、「Your Story Contest」というコンテストを開催しています。プロンプトに沿って作品を執筆し、オンラインでの投票によって受賞者が決まります。次のようなプロンプトがあります。

      ・ 写真プロンプト:特定の写真を提示し、それに基づいて物語の冒頭の一文や短編小説を執筆する形式です。
      ・ テーマプロンプト:特定のテーマや状況を提示し、それに沿った短編小説などを執筆する形式です。
      ・ 特定の形式:「100ワードの短編」や、「物語の冒頭1文のみ」など、形式に焦点を当てたプロンプトも提供されています。
公式サイト:

Reedsy Weekly Writing Prompts Contest

Reedsyはライターと出版業界をつなぐオンライン・プラットフォームです。ここでもコンテストが開催されていて、Reedsyに登録すると、毎週金曜日に5つのライティング・プロンプトが送られてきます。1週間以内にそのプロンプトに沿って執筆した作品を提出すると、250ドルの賞金を獲得するチャンスがあります。優勝者はReedsyの雑誌「Prompted」に掲載されることもあります。

フィードバックのコミュニティ ― Critique Circle

Reedsyでは、ライターが互いの作品にフィードバックを提供し合うための、Critique Circleというコミュニティ機能があります。

      ・ 毎週のCritique Circleメール: Reedsyのコンテストに投稿すると、コンテスト終了後、毎週水曜日に、Critique Circleのメールが送られてきます。このメールには、ランダムに選ばれた3つの作品が含まれており、これらの作品にフィードバックを提供することが奨励されます。
      メールに含まれるのは、コンテストに提出され、承認された作品のみです。
      ・ フィードバックの提供:作品の「コメント」セクションに直接書き残すだけで、フィードバックを提供できます。

Critique Circleは、他のライターからのフィードバックを受け取り、自分の作品を改善するための貴重な機会です。

公式サイト:

NYC Midnight Writing Contests

NYC Midnightはライター向けの創造的なライティング・コンペティションを提供する団体で、短編小説を中心に、さまざまなジャンルでコンペティションを開催しています。

“NYC Midnight”という名前は、すべてのチャレンジがニューヨーク時間の午後11時59分、つまり真夜中の1分前に始まり、終了することに由来しています。作家が新しいジャンルやテーマに挑戦し、限られた時間内で作品を完成させるよう促されます。

主な特徴

      ・ 多様なコンペティション:250ワードのマイクロフィクション、100ワードのマイクロフィクション、短編小説、500~1,000ワードのフラッシュ・フィクション、スクリプトなど、さまざまな形式のコンペティションが開催されています。
      ・ プロンプトの提供:各コンペティションでは、ライターがランダムにグループ分けされ、ジャンル、アクション、単語などが割り当てられます。ライターは48時間以内に、指定されたジャンルで、指定されたアクションが起こり、指定された単語を取り入れたオリジナルストーリーを創作します。
      ・ 時間制限:コンペティションの期間は24時間から8日間までさまざまで、限られた時間内での創作が求められます。
      ・ フィードバック:すべての参加者が、提出した作品に対して審査員からのフィードバックを受け取ることができます。
      ・ フォーラム:参加者同士で作品をレビューし合うフォーラムも提供されています。
      ・ 賞金と賞品:各コンペティションの優勝者には、現金や賞品が授与されます。

NYC Midnightのコンペティションは、ライターとしてのスキルを磨き、新しい挑戦に取り組む絶好の機会です。

公式サイト:

 

<ライタープロフィール>

村山有紀(むらやま・ゆき)
IT・ビジネス翻訳歴10年以上。国内外の様々な場所での生活と子育ての
経験をふまえ、自分らしい発信のスタイルを模索中。