新着情報

「翻訳とは何か?翻訳に関わり続けた四十八年を振り返る—その④」                                 バベル・グループ代表 湯浅美代子

号迄に、1974年から2022年迄の48年に亙る回想の第3回までを書きました。

今回はその第4回、「月刊翻訳の世界」誌の発行のプロセスと同時に通信制翻訳学習コースの拡充、そして通学制の翻訳スクールを東京、大阪、名古屋へと展開していった時代の意気込みは、かなり、やる気満々!と言ったところでしょうか!?(笑) 

この時代は1990年代へと続く日本経済の拡大発展の時と成長のタイミングが同じだったと言えます。やはり、当時の日本経済も成長過程が完成の状況へとそろそろ近づいていたタイミングであるとも言えますね。 

さて、この1980~90年代の発展成長プロセスを経て、いよいよ2002年に始まる、米国にて翻訳専門職大学院設立となるわけですが、この経緯、イベント事情についても振り返っておきたいと思います。 

ところで、大事な転換点となった、月刊誌『翻訳の世界』を創刊して『翻訳とは何か?』を探求していこうと考えたわけですが、この「月刊 翻訳の世界」誌の発刊のプロセスが、大変大きな研究、学びのプロセスとなりました。多彩な執筆陣、多くの方々の翻訳への関心、興味を惹き起こしつつ、翻訳作業の重要性、単に外国語ができれば、翻訳ができる! と言った誤解を指摘しながら、翻訳とは何か?について深く探求していこうとする意志を深めつつ色々な活動をしてきたこの48年だったとも言えます。

勿論、これで終わりではなく、まだまだ気づきを広げながら、そして同時に気づきを深めつつ!という状態なのですが。 

更に一つ一つの出来事を思い返すと、今や、それらが関係する人々との交流の中で、多面的な意識の目覚め、気づきを得ながら歩んできた四十八年間であったと思います。過ぎてしまえばあっという間のように感じますが、その活動の繋がりに一つ一つ目をやると、それらの事象の発生が、単に独立して起きていたのではない!という事実に深い気づきを感じます。

そこで、この第4回は、わざわざ日本を離れて、何故、ハワイ州に『翻訳専門職大学院』を設立したのか? という、バベルの翻訳教育の集大成、「翻訳専門職大学院の設立』について振り返ってみます。

まずは、米国に開校したバベル翻訳専門職大学院の運営母体(米国企業Babel Corporation社)を設立することから始まったのですが、米国の語学、翻訳教育事情もあまり知らずに先ずは、カリフォルニア州に行き、日本との交流、関係などを肌で感じることになりました。日本との交流から考えて、カリフォルニア州を選んだわけですが、アドヴァイスして下さる現地の皆さんにお会いして、とても親近感が湧き、米国の通学、通信教育事情についてもよく理解することができました。 

とてもよく整備されたシステムがあり、多くの通学制、通信制の教育プログラムが提供されていました。カリフォルニア州のオフィシャルスタッフの方々からの説明などを聞き、米国内での教育事情、制度などを学び、新天地での翻訳者養成専門職大学院の構造とその意義、世界的市場価値をイメージできました。こうして、特段の意識も持たず太平洋を渡り、あの第二次世界大戦において日本が米国との戦争に引きずりこまれたあの真珠湾へと、特段の意識も持たないうちに、図らずもその足跡をたどることになっていったのです。日本人の無意識のうちに眠る真珠湾の意識波動がざわめいた、というような感じでしょうか。日本艦隊の皆さんの想い、やはり、騙し討ちに遭ったという意識が蘇るのでしょうか!あの太平洋戦争を戦った、日米間の歴史が脳裏に蘇る旅程であったのです。そうして、終戦後生まれの日本人として、太平洋戦争へと引きずり込まれた当時の日本軍の無念の思いを受け入れ、乗り越える必要があったのでしょう!!そういう複雑な想いの基に、ハワイに設立した「バベル翻訳専門職大学院」でもあったのです。

言語も文化も個人の意思、意識を超えて、国や民族という大きな思いの塊を形成していることが実感できた体験を思い出しました。心の深い部分に根差した想いを共有していた!と思うことができた体験でした。自分も日本人だった!というような思いが沸き上がったことを思い出します。この思いは、哲学への傾倒と思いを同じくするものなので、私自身の個性を形成する精神波動だと感じます。 

さて、何といっても「翻訳」とは、政治・経済・歴史・技術・文化の伝達交流=コミュニケーションに関わるその基本的役割を果たすわけですから、その意味でも、日本を出発し、カリフォルニア州の遠隔教育マネジメントの皆さんとお会いできたことは、とても良い体験であり、重要な情報、知識を得ることができ、米国における「バベル翻訳専門職大学院」設立の知識・情報と人間関係も一気につながった瞬間でした!! そして、その素晴らしい成果を喜びつつ、ここに新たな「日英翻訳のプロフェッショナル養成の専門職大学院」が誕生することとなったのです! 

そのプロセスは、『 バベル Babel 』という名前が翻訳の本質を体現している!ことを証明してくれた!と思えるほどに、感動した体験となりました。しかし、その喜びとともに帰路に訪れたハワイ観光ですが、それは同時に「太平洋戦争」と名付けられた日本と米国間の戦争で日本は敗れ、敗戦国となり米国の統治下に置かれることとなった出来事を思い出させる、あの日米戦争勃発の地ハワイの「真珠湾」へと招かれたわけです。なかなか一筋縄ではいかない訪米体験となりましたが、しかし、この帰路の「真珠湾」訪問が、カリフォルニア州にての設立から「ハワイ州」での大学院設立へと変更した大きな要因だったことを思い出します。 

私も戦後の生まれですから、ある意味では日本が米国の占領、統治下の国に生まれたわけですが、昭和二十年の敗戦以来一度も、日本が米軍の占領から離れて、独立国となった!とは聞いたことがありません。この原稿を書きつつ、改めて思い返したのですが、未だ日本は独立国ではないのです!だから、トランプ大統領も、バイデン大統領も、羽田からではなく、米軍の横田基地から軍用ヘリコプターで、アメリカ大使館に来るのですね!! 

今頃、これに気づくなんて、アメリカの日本統治は凄い手腕ですね。皆さんも、第2次世界大戦(太平洋戦争)で日本は広島と長崎に2発の原子爆弾を落とされて、米軍に無条件降伏をしたのをご存知ですね。しかし、そういう実感があまり湧かない!というのが本音です。

アメリカの日本統治は凄く上手い!としか言いようがないですね。ただし、政治家も議員も日本人ではなく、米軍が選抜して決めた日本人風政治家であって、日本の為に働くとは言えない方々のようですね。 

さらに、軍隊ではない自衛隊という名のシステムですから、防災出動が中心なのですね。世界が平和であったために日本は軍隊が無くても平和な暮らしができました。それで、ロシアのプーチンは何時でも南下戦略を取れるようにウクライナに侵攻しているのでしょうか?だんだん、きな臭いタイミングになってきましたね。 

 日本人の私たちも、いつまでも平和ボケしていられないタイミングになったのでしょうか?そろそろ、皆さん、起きてくださいね!(笑)

では又。 いつも有難うございます。

0
おすすめの記事