川村清夫(かわむら すがお)

【 Professional Translators’ Profile 】川村清夫(かわむら すがお)

1.著書

  • 『オーストリア・ボヘミア和僑:幻のハプスブルク帝国改造構想』、(中央公論事業出版、2005年)
  • 『プラハとモスクワのスラヴ会議』、(中央公論事業出版、2008年)
  • The Bohemian State-Law and the Bohemian Ausgleich、(中央公論事業出版、2010年)
  • 『ターフェとバデーニの言語令:ハプスブルク帝国とチェコ・ドイツ民族問題』、(中央公論事業出版、2012年)

 

2.経歴

  • 2000年~2003年:常磐大学国際学部非常勤講師
  • 2001年~2010年:湘南工科大学総合文化教育センター非常勤講師
  • 2010年~:バベル翻訳専門職大学院アソシエイト・プロフェッサーとして「世界翻訳史」を担当中

 

3.ブログ、執筆原稿

  • The Professional Translatorに「翻訳の歴史研究」を連載中
  • 現在、新著『日本翻訳史』を執筆中。

 

4.インタビュー (Q&A形式)

Q1 翻訳という仕事との出会いは?

A1.大学から東欧近代史を主専攻、大学院でドイツ学、スラヴ学を副専攻として学んできたので、中欧、東欧、ロシアの歴史において書かれてきた史料、文献の翻訳に関する専門知識の重要性を痛感したため。

Q2. 最近の翻訳書で特に印象に残った本は?

A2. イギリスの歴史家ロビン・オーキー(Robin Okey)の大著『ハプスブルク君主国』(The Habsburg Monarchy, 2001、New York)、(三方洋子訳、山之内克子、秋山晋吾監訳、2010年、NTT出版)。ハプスブルク帝国史の専門家による学術書の翻訳は、ノンフィクションの翻訳家だけではできず、日本のハプスブルク帝国史の文化史専門家と政治経済史専門家の協力が必要だった。

Q3. 今後、どんな翻訳をしていきたいですか

A3. 古典的な哲学書の翻訳には、その本が書かれた時代に近い時代に書かれた注釈書が必要である。翻訳のための水先案内としての注釈書の重要性を強調してゆきたい。現在執筆中の新著『日本翻訳史』に、その方針を力説したい。

Q4. 「知求翻訳図書館」に対する感想は?

A4. 世界史の中で書かれてきた本の翻訳に対して自分がどう思うか、どうあるべきか考え、表現できる場所であってほしい。

(プロフィール)
川村清夫(かわむら すがお)
歴史家。文学修士(東欧近代史)、Ph. D. (ハプスブルク帝国史)。現在バベル翻訳専門職大学院で「世界翻訳史」を担当、The Professional Translatorで「翻訳の歴史研究」を連載しながら、『日本翻訳史』を執筆中。中欧、東欧、ロシアだけでなく、ヨーロッパ全般、イスラム圏、東アジア、日本の歴史における史料、文献の註釈、翻訳の歴史を考察している。使用言語は、英語、ドイツ語、ロシア語、中国語(堪能)、チェコ語、ポーランド語、イディッシュ(ユダヤ・ドイツ語)(読み書き)、フランス語(読解)、韓国語(会話)、日本語(母語)。