藤永二美(ふじなが ふみ)

【 Professional Translators’ Profile 】藤永二美(ふじなが ふみ)

【専門分野】
1.法律翻訳・実務翻訳

法律・ビジネスに関わる様々な文書の和訳、英訳、ドラフティング(定款、議事録、プレスリリース、契約・覚書・交渉に関わるコレポン、提案書・報告書、セミナー資料、登記など各種法的手続き等、企業法務に関する一切の文書)、並びにそれら翻訳に伴うリーガルリサーチなど、法律事務所及び企業クライアントから直接依頼を受けています。

2.ノンフィクション和訳(翻訳実績参照)

バベルのコーディネイトによる紀行物や音楽関連、また個人的な人脈を通じた歴史、美術関連出版物の和訳依頼も受けています。

【翻訳実績】

  • <主な翻訳作品>
    心交社 世界紀行冒険選書シリーズ(以下3点、野本二美名義)
    「象と歩いたインド」 (1992年) *
    原題:"Travels on My Elephant" 著者:マーク・シャンド(Mark Shand)
    「南太平洋紀行―滅びゆく楽園」 (1992年) *
    原題:”Pacific Odyssey" 著者:チェリー・ファロウ(Cherry Farrow)
    「大ロシア横断紀―自転車迷路旅行」 (1992年) *
    原題:"Off The Map" 著書マーク・ジェンキンス(Mark Jenkins)
  • <主な共訳作品>
    「マービン・ゲイ―悲しいうわさ」(キネマ旬報社1994年)*
    原題:"The Biography Marvin Gaye" 著者:シャーロン・デイビス(Sharon Davis)
    「完訳版セルフ・ヘルプ―自主独立の精神」(PHP研究所 2018年)*
    原題:"Self-help with Illustrations of Conduct and Perseverance" 
    著者:サミュエル・スマイルズ(Samuel Smiles)1866年第2版
    「英国王室秘蔵の名品でたどる海を渡った日本と皇室の文化」便利堂出版(2020年)*
    (英国クイーンズギャラリーにて2022年開催展覧会用図録)
    原題:"JAPAN Courts and Culture" 編集:レイチェル・ピート(Rachel Peat)
    版元:英国ロイヤルコレクション・トラスト(The Royal Collection Trust, the U.K.)
  • <監訳>(バベルコーディネイト)
    「世界の子どもたち」明石書店 (2002年)*
    原題:"Children of the World"
    著者:フォスター・プラン・オーストラリア(Foster Plan Australia)

    「新訳グレート・ギャツビー」BABEL古典新訳撰書(2004年)
    原題:"The Great Gatsby" 著者:スコット・フィッツジェラルド(F. Scott Fitzgerald)
  • <翻訳協力>
    大英博物館開催「マンガ展―Manga」(2019年)翻訳協力(*図録等情報多数)
     その他下記学習歴記載の通り、下訳多数。

【バベル受講歴・学習歴】

  • 1983年 バベル翻訳学院・日本翻訳家養成センター通学部
    4月期専門課程ジャーナリズム講座(夜間コース)受講・修了 
  • 1990年~2001年 子育ての傍ら、バベルの依頼を受け、自宅で紀行物や伝記物の下訳、翻訳に従事。「ビートルソングス」(ウィリアム・J。ダウルディング著奥田祐士訳 ソニーマガジンズ1992年)*、「ボブ・ディラン指名手配」(ジョン・ボールディ著 菅野ヘッケル訳 シンコーミュージック1993年)*など下訳多数。
  • 1995年 バベル翻訳・外語学院通学部出版・メディア翻訳ノンフィクション専門課程(片山陽子先生)受講・修了
    同時期1999年頃までの間、BMWオーナー向け季刊誌の記事和訳、旧通産省外郭団体ニュースレター英訳等を経験。
  • 1998年~99年 バベル翻訳・外語学院英日法律翻訳講座(通信)受講・修了(優秀賞)
  • 1998年度第3回バベルプロフェッショナルランゲージ検定(法律3級)認定

 

【バベル講師歴】

  • 1995年~ バベル翻訳・外語学院翻訳家養成講座(通信)添削インストラクター
    「翻訳表現技法篇」、「ノンフィクション翻訳篇」
  • 1998年~ 「出版翻訳マスター講座フィクション篇」
  • 1998年~2002年頃 バベル・ユニバーシティ通学部(麹町、青山)講師
    「翻訳演習IE」、同時期ワークショップ監訳担当
  • 1999年~ バベル・ユニバーシティ オンライン講座 講師 
    「翻訳英文法単語表現篇」「リーガルドラフティング議事録篇」(終了)
    「翻訳ビジネス起業講座」
    「インターナショナルパラリーガル実務講座」及び「同改訂版」
  • 現在    バベル翻訳専門職大学院講師

 

(プロフィール)
【翻訳者】
藤永二美(フジナガ フミ)
香川県高松市生まれ、千葉県在住
明治大学文学部(日本文学専攻)卒業
現在、合同会社エフエムリミテッド代表社員

【職歴】
大学卒業後、大手流通企業に入社、店舗勤務後国際業務部に配属、東南アジア出店の市場調査から契約作成補助、出店後の連絡調整等後方業務までを担当。その際、契約交渉に関わった弁護士から約10年後声がかかり、新たな法律事務所の立上げを手伝うことになり、秘書兼翻訳として弁護士を補佐、数多くの渉外案件(仲裁、海外不動産売却、外国企業の日本法人設立、外資系企業合併等)の実務を担当。
その後、弁護士と共に大手法律事務所に移転。契約書等の翻訳に加え、法人登記や官庁等への各種届出、国際案件に伴う各種文書作成手続き、英語/日本語での連絡調整等を担当。加えて後進の指導として、事務職員の希望者対象に法律翻訳研修を実施。
2015年 法律翻訳者として独立、合同会社エフエムリミテッド設立。

【資格・所属団体他】
2010年  日本弁護士連合会実施「事務職員能力認定試験」合格
2012年 The National Association of Licensed Paralegal, England &Wales(NALP=イギリス認定パラリーガル協会)によるDiploma in Paralegal Studies Distance(通信コース)修了。同年、NALP認定のIntensive Practical Paralegal Program(実地研修)修了。
現在NALPのAffiliate Member(海外会員)、日本翻訳連盟会員

【きっかけ】
大学の専攻は日本語でしたが、英語部に所属し、4年間ディベートに明け暮れたことから、漠然と「日本語と英語に関わる仕事」の一つとして「翻訳」を意識していました。それが仕事で新聞記事や契約などの和訳が必要となり、さらにたまたま当時の職場がかつての日本翻訳外語学院に近かったことで、夜間コースに通い始めたのが、私の「翻訳修行」の始まりです。
元々ノンフィクションが好きだったので、社会系の翻訳ができれば、と思っていたのですが、いくつか下訳や翻訳に取り組む中で、勉強不足を痛感し、訳に自信が持てない時期が続き、結局再度バベルに通って学び直し、それが新たなスタートとなりました。その後、通信講座の添削インストラクターを経て通学部の講師も経験しましたが、受講生の方に納得いただくためには、自分が一語一句徹底的に理解し、分析し、裏付けを取って説明しなければならず、実に大変でしたが、貴重な勉強になりました。
一方、「法律翻訳」については当初ジャンルすら知らず、将来携わるようになるとは思ってもいませんでしたが、事実や証拠を踏まえて論理的に組み立てるという点ではかつてのディベートやノンフィクションにも通じ、自分の守備範囲を広げたくバベルで開設されたばかりの通信講座を受講しました。修了を待っていたかのように旧知の弁護士から声がかかったのは全くの偶然でしたが、いきなり実践でスキルや法律知識を学ぶ機会を得られたことは本当に幸運であり、弁護士秘書兼翻訳としての約15年の経験は、何物にも代えられない大事な財産になりました。またその間のご縁によって、ノンフィクションの翻訳の依頼がいただけるようになったことも文字通り「有難く」、これからもクライアントから声がかかる限り、一つずつ丁寧に取組んでいこうと思っています。

(余談:翻訳の下訳を始めた頃は、情報を集めるのも図書館通い、かつ原稿用紙に鉛筆書きで、送るのは郵送か、近くの日本電信電話公社(今のNTT)窓口に持ち込んでファックスしていました。あれから何と40年近くが過ぎ、その間にワープロ、パソコンと進化し、いつのまにか“ペンだこ”が消え、今や「翻訳業」は、インターネット普及の最大の恩恵を受けている仕事の一つかもしれません。
今回、プロフィールをまとめるにあたり、クローゼットの奥に残っていたバベルでの学習、通学部講師時代の資料を漁ったところ、講座の修了証や片山先生による評価シートなどが出てきて、懐かしく当時のことを思い出しました。
振り返ればまさしくthe long and winding roadですが、せっかくここまで歩いてきたので、方向が判断できる限りは、好奇心の趣くままに前へ進もうと思っています。)