中国はデジタル人民元をドルの独占的地位の切り崩しや「一帯一路構想」の資金調達、経済制裁への対抗などに戦略的に活用し、また広く他の中央銀行を巻き込んでデジタル中央銀行通貨の盟主となるのを企図しているとメディアが報じる。ただし、これによって米国の金融武器が完全に失われることはないとの見方も示し、世界はドルか人民元かの二者択一に迫られる事態となる可能性があると示唆する。
台湾に対して中国が偽情報を拡散して人々に恐怖を植えつけようとする作戦を展開している。こうした外国勢力による偽情報工作では、台湾は9年連続で世界最大の標的になったと報じられた。中国の偽情報工作に対する台湾の防御はファクトチェック(事実確認)を担当する非営利グループが担い、アルファベット傘下のグーグルのようなハイテク企業も台湾当局と連携している。台湾当局は偽情報工作について調査、訴追し、偽情報拡散に対する法的な処罰も厳格化している。台湾市民の士気をくじき、当局に対する市民の信頼毀損を狙う中国の情報工作に十分注意していく必要がある。
韓国銀行はインフレとの戦いに注力し、政策金利をこの1年間で2%引き上げた。ただし8月の利上げ幅は0.25%と通常ペースに戻した。李総裁は理由として、記録的な家計負債や世界経済の見通しの暗さへの考慮と景気に与える影響を挙げている。ただし、同総裁はインフレ率が5%を超える水準にある現状では引き締め継続の決意を表明しており、韓国からの資金流出とウォン安懸念、それによるインフレ圧力なども考慮し、当面引き締め姿勢を堅持するとみられる。
北朝鮮が核兵器政策について新法を制定し、「核兵器をめぐって駆け引きができないよう、後戻りできない一線を引き、100年の制裁に直面しても核兵器を放棄しない」(金委員長発言)という決定を宣言した。核兵器使用基準も「敵対する核保有国からの侵略や攻撃を撃退するため」から、「大量破壊兵器による攻撃や指導部を含む自国の「戦略目標」に対する差し迫った攻撃を察知した場合」に先制的核攻撃を可能とした。これにより、例えば金委員長自身を標的とする攻撃を含む、まさに漠然として曖昧な状況での核兵器使用の可能性が出てきた。
東南アジア関係では、インドネシア政府が燃料に対する補助金削減に乗り出し、このため燃料費の高騰とインフレ加速懸念が高まっている。8月の年間インフレ率は4.69%と3ヶ月連続で中央銀行の目標範囲である2%から4%を超えており、財務省当局者も今年のインフレ率予想を6.6%から6.8%へ上昇修正した。エコノミストらは少なくとも50bps以上の利上げを行うと予測する。ただし中央銀行総裁は、インドネシアの強いファンダメンタルズと比較的良好な状態にある通貨ルピアを挙げ、積極的な引き締めサイクルは予見していないと語っており、強度の引き締め政策はとらないとみられる。
メディアは、インドの今後の外交政策についてキーワードとして中国台頭、非同盟、米印関係を挙げ、インドは伝統的大国として力強く自国の利益を追求すると予想する。伝統的な非同盟政策は現在のロシア寄りの姿勢を導き、兵器依存などの軍事、安保面と共にエネルギーなどの経済貿易関係で密接な関係が継続するとみられる。西側との関係では、インドは日本と異なり西側の同盟国としての立場を明確にしないだろうと指摘するが、米印関係の大枠の中で中国の台頭に備える意味から、日印関係は当然緊密化していくと期待される。