中国で開催された第3回米中貿易協議が不調に終わった。メディアは不毛な交渉によって関税を巡る1,000億ドル規模の貿易戦争が今月中にも勃発しそうだと報じる。トランプ大統領は6月15日以降に500億ドル相当の中国産業製品に対する高関税の発動に動くと発言。これに対して中国は報復すると公言している。メディアは、米政府は目先の貿易赤字問題よりもデジタル、バイオ、ナノなどの産業分野の競争力維持という長期的で戦略的な対応が必要だと提言する。
台湾が毎年恒例の漢光軍事演習を今年も開始した。仮想敵国として中国の名前は挙げられていないが、一連の軍事演習では「侵略勢力の撃退」を想定したシミュレーションが行われている。今回は実弾射撃を伴う実動演習に加え、「海岸線での敵軍撃退」演習も行われ、また民間が初めて参加する総力戦として実施されており、大陸からの軍事侵攻を押し返す台湾の決意が明確にされている。
6月13日に韓国で統一地方選と国会議員の再・補欠選挙が投開票され、与党「共に民主党」が14カ所を抑えて圧勝。保守系の最大野党「自由韓国党」は2カ所での勝利にとどまった。文在寅政権発足後初めて実施される全国規模の選挙で、その信任が問われていた。圧勝の背景には、平昌冬期五輪の成功やシンガポールでの米朝首脳会談開催などによる最近の南北デタントの動きが指摘されている。
北朝鮮関係では、6月12日に米朝首脳会談が予定どおりシンガポールで開かれた。メディアは、1年前の緊張した朝鮮半島情勢が改善したと肯定的に評価する一方で、核兵器や施設の廃棄に関わる北朝鮮の確約は具体性に欠けていたと指摘。米韓合同軍事演習の停止など米国の譲歩が大きかったと批判する。今後については、交渉に前のめりのトランプ大統領に対して、これ以上の譲歩をしてはならないと警告。同時に核兵器と施設に関する全面的な開示とともに非核化のプロセスの迅速な開始を求める。
東南アジア関係では、シンガポールが歴史的な米朝首脳会談の開催地に選ばれたのは、米中のいずれとも中立的姿勢を保ち、数々の国際首脳会議の主催地としての役割を果たしてきた実績が背景にあるとメディアは報じる。外交安保ではベトナム戦争時代に遡る米国との関係がきわめて緊密だが、経済では貿易を中心に中国との関係が強く、習近平国家主席は経済とアジアにおける地政学上の影響力を強化しており、この流れは加速する可能性があると指摘する。
インド準備銀行は4年半ぶりに政策金利であるレポ金利の0.25%の引き上げを決定した。利上げの理由として準備銀行は、上昇する原油価格と最近におけるグローバルなインフレ圧力の増大を挙げたが、政策スタンスは「中立」を維持した。また今年第1四半期のGDPの伸び率は7.7%と順調だった。