2018年6月1日号

中国が南シナ海の軍事拠点化をほぼ完了したようだとメディアが報じる。また中国は対米戦争を考えてはいないが、将来における米国の介入コストを引き上げたいと望んでいるという専門家の見方を伝える。これに対し、米政府は政府として一丸となって対応すべき問題と意識し、中国の行動は相応の結果を伴うと警告してはいるものの具体策について未だ曖昧なままだと指摘されている。

台湾経済は主として好調な内需に支えられ、かつ昨年後半の勢いを受けて成長を続けている。昨年第4四半期の成長率は3.28%と15年初頭以来の高水準を記録し、今年第1四半期も3.02%で推移している。ただし台湾ドルが弱含み、原油価格が上昇傾向にあることからインフレに上昇圧力がかかっており、中銀にとってインフレ対策が目下の優先課題になっている。このため政策金利も上昇基調とみられている。

韓国政府は外国為替市場に介入した内容を段階的に公開することを決定した。公開範囲は為替当局(政府・韓国銀行)が実施する為替取引で、公開期間の売り買いの差のみを発表する。公開頻度は2段階に分け、今年後半から来年前半の分は6カ月ごと、来年12月からは3カ月ごとに公表する。決定の背景についてメディアは、米国を始めとする国際社会からの圧力があると報じる。

北朝鮮が突如、韓国との閣僚級会談への参加を取りやめるとともに、6月に予定されている米朝首脳会談の行方についても警告を発した。メディアは、こうした言動は即時の非核化を避けられると踏んでいる北朝鮮の自信の表れであり、トランプ米大統領としては、それはあり得ないことを明確に示す必要がある、あるいは、米国は駆け引きよりもサミットの失敗に備えて米政府立場を関係国にも十分根回しをするなど、もっと計算した態度で対応すべきだなどと主張する。

東南アジア関係では、マレーシアのマハティール・モハマド元首相が率いる野党連合・希望連盟が総選挙で、独立以来政権を独占してきた統一マレー政治組織(UMNO)を中核とする与党連合・国民戦線を破り、政権の座についた。メディアは、マハティール氏の勝利の背景には腐敗した現政権に対する国民の批判があったと指摘。マハティール氏は公約通り、平穏に政権をアンワル元副首相に譲るべきだと説き、新政権の課題として財政問題を挙げる。

インド南部カルナタカ州で行われた議会選挙で野党陣営が事前の予想を覆して勝利した。この選挙は、来年に予定されている国政選挙の前哨戦とみられ、また同州は野党の国民会議派が政権を握る数少ない主要州の1つであったことから、選挙結果が注目されていた。この結果を踏まえて野党陣営に団結の機運が盛り上がり、来年の国政選挙に向けて党勢の拡大を目指すモディ首相にとって痛手となった。