2021年11月号

中国の習近平総書記(国家主席)が6中全会での「歴史決議」を通じて、「中華民族の偉大な復興の鍵」となる指導者として位置づけられ、毛沢東や鄧小平と同等の存在にまで確固として高められたとメディアは報じる。習主席は今後、自国を救う「社会主義」の現代化国家の建設に乗り出し、中国の権威主義モデルが多党制民主国家よりも優れていることを証明するために、社会の多様な考えを抑制する強権国家を目指すだろうとメディアは警告し、習主席の内政運営に大きな不安を示す。それは同時に習政権の対外政策における強硬姿勢の継続を意味し、中国が覇権主義の強権外交を強化する可能性を強く示唆している。

メディアは「台湾は中国軍の攻撃に耐えられるか」と問題提起し、台湾軍の準備不足と士気の低さを挙げて、持ちこたえられないとの見方を伝える。中台双方の軍事力の現状についても水陸両用作戦の準備状況、歩兵数、軍事予算の規模などを挙げて中国側が優位に立っていると報じる。ただし、台湾政府も海軍艦船やミサイルの増産生産計画の推進や実践的経験を積むための軍事訓練の見直し、予備役兵の能力向上を監督する機関の新設などの対策を講じていると伝え、専門家は、米国やその同盟諸国と合同訓練を行えば台湾の軍事能力の飛躍的向上が期待できると語っていると報じる。

韓国経済は供給面の問題とコロナ感染再拡大が響いて、7~9月の国内総生産(GDP)が前期比で0.3%増にとどまった。政府支出は微増して経済を支え、輸出が底堅い世界の需要により好調だったが、設備投資の減少が経済の足を引っ張った。この間、10月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比でほぼ10年ぶりの高水準となる3.2%に上昇した。主因は原油価格の高騰にあるが、このため8月に続き、年内の追加利上げへの圧力が高まっていると報じられている。

北朝鮮がパンデミック感染防止のために閉鎖した中朝国境の制限を緩和し、中国との貿易取引を拡大している。このため9月の対中貿易が急増し、しかも非合法な北朝鮮石炭の対中輸出がこれに含まれているのではないかとの疑惑が生じている。兵糧を絶たれた北朝鮮が最終的な命綱である対中貿易の再開を試みているのは事実とみられ、今後どこまで拡大していくかを注視する必要がある。

東南アジア関係では、フィリピンが得意とするビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)業務の現場であるコールセンターが新型コロナウイルスの直撃を受けている。100万人を超えるとされるコールセンターの労働者が換気の悪いオフィスで働き、非衛生的な社員寮に住まわされて感染が拡大している。企業は労働者の保護措置に消極的で、政府も感染拡大防止に十分努力していないと非難されている。事実、アウトソーシング企業や地方都市の責任者は実態を隠蔽するような説明をしている。感染防止には、政府や関係企業の責任ある対応が欠かせないと言えよう。

インドのモディ首相がCOP26で2070年までの脱炭素を宣言した。メディアは、特に排出量の削減、再生可能エネルギーの利用増、経済成長の化石燃料依存度の縮小、経済の炭素強度の45%削減などの宣言をインドの純粋に大胆な公約として歓迎する。現在の気温上昇をもたらした炭素排出に対するインドの責任が小さいこと、インド市民にも高炭素のライフスタイルを享受する権利があることを認める一方で、インドは環境面での努力がまだ欠かせないと指摘。猛暑や洪水による死者の増加可能性を警告する。またインドを含む途上国の脱炭素目標の達成時期があまりに遅く、世界の平均気温上昇を1.5度に抑えるのが難しくなると警告するが、先進諸国はこれに失望せず、自らの脱炭素計画を加速させ、途上国が享受できる炭素予算の余裕を拡大するよう努力すべきだと提言する。