2018年11月16日号

2018年11月16日号

――東アジアのビジネスに関心のある方のための情報誌――

(毎週金曜日配信    計 4 回総集編)

執筆:前田高昭  (国際金融ジャーナリス)

中国による年間数千億ドルに上ると推定される知的財産権の侵害に対抗するため、トランプ政権が動き出した。「国家安全保障上の脅威」などを理由として、中国の知財侵害を罰することを検討する。米当局は半導体大手マイクロン・テクノロジーから企業秘密を盗み出したとして、中国国有の半導体メーカーに制裁を加え、その後、司法省は産業スパイの罪で同社の起訴を発表している。トランプ政権は今後も同様の手段で中国の知財侵害を罰する方向で検討していると報じられている。た地下鉄などのライトレール開発計画を再開する指針を公表した。金融緩和は低迷する経済をエスカレートする米国との貿易戦争の影響から守り、下落する通貨をてこ入れするためだとメディアは報じる。

台湾で独立を主張する大規模集会が開催され数万人が参加し、独立の是非を問う住民投票の実施を求めた。デモは台湾という名称での独立国家の建設、そのための住民投票ならびに法改正による国名と国旗の変更を要求している。メディアは、中国の台湾に対する強硬姿勢が台湾市民の中国共産党に反対する決意を強化させ、市民の一部は中国にはない武器、すなわち民主主義と住民投票という手段を通じて中国を押し返そうとしていると論評する。

韓国の中小企業が危機に瀕している。今年に入って販売高は08年の世界的金融危機以後で最大の落ち込みを記録し、大半がゾンビ企業と認定され、倒産率も2桁台に近づいている。政府は補助金や優遇税制などの対策を打ち出しているが効果を発揮していない。むしろ最低賃金引き上げや労働時間抑制などの施策が中小企業の苦しみを深刻にしているとメディアが伝える。

北朝鮮は、米国が制裁を解除しなければ核兵器増強策を復活させると恫喝した。北朝鮮外務省は声明で、米国が姿勢を変えず、傲慢な振る舞いを続けるのであれば、北朝鮮は核兵器の増強を再開する可能性があると警告した。メディアは、非核化交渉が暗礁に乗り上げたことを示す最新の兆候だと述べ、核軍縮交渉で一層の譲歩を引き出そうとする意図があり、予定されるポンペオ国務長官の訪朝時に一層の譲歩を引き出そうとする狙いをうかがわせるとコメントする。

東南アジア関係では、在中米商工会議所の調査によれば、回答企業の多くは生産や組み立て、サプライヤーの外注先を中国から第3国へ変えることを検討しており、その移転先として主としてベトナム、タイ、マレーシアなどの東南アジアを考えており、ASEAN諸国が米中貿易紛争の恩恵を受けそうだとメディアが伝える。

インドでは2年前「廃貨」と呼ばれる高額紙幣の廃止政策を打ち出し、経済が混乱した。2年を経た現在政策の是非が再び論議を呼んでいる。政府は当時、狙いは汚職や非合法資産の取り締まりにあると説明し、最近では廃貨によって市民は現金依存度を低め、銀行口座を開設し、また徴税率も向上したと擁護する。これに対し批判派は、廃貨を打ち出した当初政府が成果として最近挙げている理由に全く言及しておらず、目的として「アングラマネー」や不正財産、テロリストらの資金、偽造通貨などの一掃を挙げていたと指摘。しかし、これらの取り締まりに役立ったという証拠も見当たらないと反論する。