2025年7月18日号

中国の習主席の政策について、メディアは対内的にはソ連崩壊の主因をイデオロギーの衰退と政治支配力の喪失にあったと認識し、中国共産党による支配のいっそうの強化を、そして対外的には、中国が米国に追いつく時間を稼ぐために持続的な均衡状態の実現を夫々目指していると述べる。習の「多極化」政策はそうした時間稼ぎの戦略の一環だと指摘する。

台湾ドルが今年に入って対米ドルに対して11%以上急騰し、輸出セクターに大きな脅威となっている。要因として、多額の米国債を持つ生命保険会社による大掛かりなヘッジ取引、広範な米ドル安、中央銀行の介入などが挙げられている。生保は、他通貨を介して米ドルを空売りする「プロキシ(代替)ヘッジ」も講じていたが、再び自国通貨でのヘッジに回帰し始めている。

韓国が黄海で中国との領有権争いに巻き込まれている。メディアは、台湾を巡り米中紛争が起きた場合、米軍の機動力が制限されかねない戦略的重要性を持つ問題として、東アジアにおける新たな火種となると警鐘を鳴らす。中国政府も韓国領海での示威的行動を強化するよう指示を出したとされ、黄海での中国の活動を今後注視する必要が出てきた。

北朝鮮が国連制裁回避策の一つとして、数千人のサイバー工作員を西側企業に入り込ませ、企業秘密や資金を盗み出している。グローバルなスキルを持つ技術者を訓練し、そうした技術者への需要とリモート勤務の増加を悪用し、グローバルなデジタル労働力に溶け込ませている。地域は米欧、東アジアの広範囲に及んでいる。

東南アジア
関係では、ベトナムが米国と暫定貿易協定で合意した。メディアは、トランプ米政権は各国に対して対中貿易削減やサプライチェーンからの中国排除を求めており、今回の合意は同目標に向けた重要な一歩だと指摘する。またトランプ政権は東南アジア諸国に対して外国投資審査や半導体への技術輸出規制の導入を促している。

インドでは経済が世界最大の成長率を誇るなか、株式市場が急成長し株価も急騰、高リスクのオプション取引や短期取引に市民が殺到している。専門家はその状況を賭博が違法な国でのギャンブルに例えている。事実、こうした市場構造を利用して米証券会社が巨額の利益を得ている。当局はデリバティブ取引の規制強化を急いでいる。