2024年3月22日号

中国で全国人民代表大会(全人代)が開催され、習近平氏ら党・国家指導者が出席し、政府活動報告や全人代常務委員会活動報告などが承認された。メディアは、政府は多くの課題を抱えるなかで野心的な経済成長目標を打ち出したが目新しさに欠けると述べ、習一強体制について批判的論調を展開する。

台湾でも上場投資信託(ETF)の取引が活発化し、当局はこの機をとらえてアクティビ型ETFを導入する予定。アジアでは日本、シンガポールに続く動きであり、市場の今後の発展動向が注目される。因みに日本でアクティビ型ETFが解禁されたのは2023年6月である。

韓国では人口減少による輸入労働力が不可欠となっており、東南アジア諸国から未熟錬労働者を導入している。その数は30万人以上とされるが、さらに約43万人がビザをオーバーステイして不法就労していると見込まれている。彼らは日常的に略奪的な雇用主や非人道的な条件、虐待に直面しており、政府の対応が注目されている。

北朝鮮の金総書記が韓国に対して何らかの軍事的挑発を行うのではないかという見方とともに、金総書記の最近における発言には憂慮すべきものがあるとメディアが伝える。そうした懸念の背景として、金総書記の南北統一方針の放棄宣言や海洋境界線を越える領海の主張、対ロ関係の緊密化、トランプ前大統領再選の可能性などを挙げる。

東南アジア関係では、FRBによる利下げが迫るなかASEANの大手銀行の利ざやが縮小し、貸出業務収益が不安定化しそうな状況にあるとメディアが報じる。銀行は、金利環境が変化する中で成長維持のための戦略を練ることが重要になっており、今後の情勢推移を注視していく必要がある。

インドでは、メディアがインドにおける第3の問題として経済上の南北分断を挙げ、モディ政権に対応を促している。モディ首相も4~5月に予定される総選挙への対策を兼ねてこうした要望に沿うような動きをみせている。選挙ではモディ政権と与党が圧勝するとみられているが、勝利を収めた政権と与党がその後にどのような動きを示すかが問題である。注視したい。