第6回 5年後の未来履歴書を描く
あたかも、そうなっているかのように5年後の履歴書を書こう!!
さて、いよいよこれまでの総まとめSTEP4、5年後の未来履歴書作成 Write your future resumeです。これまで描いてきたキャリアビジョンをあたかも現実であるかのように描いていきます。
1.5年後のあなたの‘ 売り ’は?
2.5年後の履歴書に書くあなたの獲得スキル、資格は?
3.5年後の履歴書に書くあなたの職歴は?
今、この時点でこんな注意を言う必要もないのですが、念のため。
日本的考え方である、目標、ゴールは今を起点に積み上げていくものという考えをまだお持ちであればこの時点でこれを払拭してください。重要なことは、SuccessをDefineする場であるキャリアビジョンはできるかぎり大きく、Vividに描き、そのうえで、そのビジョンと今との乖離を埋めていく、これが基本です。
1.の ‘売り’ を描くまえに、ゴール、すなわち、キャリアビジョンが十分に ‘自分の売り’ を描くに足るほど大きく描けているかを確認しましょう。
そのポイントのひとつは、前々回で説明したように、目標を描く時に、抽象の階段を上り下りしながら、その抽象度を上げ、揺るぎないゴールにしていくことです。
その時の視点のひとつはTrans-personalな視点を獲得すること。これもすでにお話しているように、小さなエゴを離れ、利他的視点を獲得すること。
こうして描かれたゴールは揺るぎないものと信じます。
そうして考えましょう、あなたの ‘売り’は? あなたのアピールポイントは?
これが、あなたのefficacy(自信)を裏付けてくれます。
また、その社会的価値( Social role )が確固としていれば、その対価としての報酬は必ずそれに見合うかたちでついてくると、決めましょう。
また、世に言う‘引き寄せの法則’は何かが幸運を引き寄せてくるのではなく、ご自身が描くゴールが大きく、鮮明であればあるほど目の前に現れる光景が違って見えてくるということを言っているわけです。すなわち、その大きな、強烈なゴールが自分の中に鮮明に描かれてくると、これまで見ていたと同じ光景であってもそこに新しい何かが出現したかのように、すなわち、あたかもそれを引き寄せたかのように見えるだけなのです。すでに前からそこに有ったのに!!
2.次に、その ‘売り’ を裏付けする、資格、スキルをリストアップしましょう。
その時のポイントのひとつは、これも以前申し上げたことですが、その分野、専門を徹底して絞り込むことです。すなわち、自分だけのユニークな専門分野を確立することです。これは、言わば、戦略的縦展開。そのうえで周辺の分野も専門とする領域に取り込みます。これは、言わば、戦略的横展開。すなわち、翻訳を例にとれば、その特化した翻訳分野での業務だけではなく、ライティング(本、記事を書くこと)、レクチャー(講義をすること)、専門に関連した翻訳プロジェクトを率いること。この縦横のクロス戦略を実現できれば、安定収入は約束されるでしょう。
2つめのポイントは、以下のようなLimited Beliefを解き放つことです。
・私の才能は限られている。
・私には十分な時間がない
・私は一流の翻訳者にはなれない
・一流の翻訳者になるには血の滲む努力が必要だ
・私はお金に恵まれていない。
・私は運がない人間だ
等々
自分を縛っている自分がいることに目を向けてみましょう。
自分に不都合に決めている自分を解放しましょう。
3.さて、ここまでくれば、次のキャリア履歴書は簡単かもしれません。
望む仕事歴を好きに書いてみましょう。
あたかも実現したかのように。
さあ、こうして描いた5年後の未来履歴書を、5年後の自分が確認している姿を想像してみましょう。
その時の現実と寸分違わない履歴書が出来上がっていることに気づくでしょう。
そう決めましょう。
ちなみに、この原理原則は個人、すなわち自然人でも、会社組織、法人でも同様です。
最後に、少し観点を変えてこんな視点をバベルグループを例にご紹介します。
それは、
1.MISSION 使命
2.GOAL これを達成するためのゴール
3.OBJECTIVE そして、ゴールを実現するための具体的な施策
という考え方です、米国のバベル翻訳専門職大学院は以下のように1.2.3を掲げています。
https://www.babel.edu/mission/
同様に、大学院事業を含む、42年の歴史を持つバベルグループは以下のようなMISSION、GOAL、OBJECTIVEを50年、100年に向けて掲げています。
バベルグループの使命
MISSION
智の宝庫である地球【 Global Knowledge Garden】 において、
翻訳を通じて智の共有を実現し、
人々に気づきをもたらし、
共に喜びを分かち合える環境を創ることです。
GOAL
そのために、
翻訳高等教育のプロフェショナリズムを確立し、
翻訳会社のプロフェショナリズムを確立し、
そして、
翻訳者のプロフェショナリズムを確立します。
OBJECTIVE
そして、これを実現するのがバベルグループの各事業です。
http://www.babel.co.jp/
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- 【キャリアサクセス実現シート】
- Phase 1. 自己発見シートの作成 Find your own uniqueness
- Phase 2. キャリアビジョン作成 Define your own success
- Phase 3. スキル棚卸しシート作成 Do your own inventory
- Phase 4. 5年後の未来履歴書作成 Write your future resume
- Phase 5. 5年間のアクションプラニング作成 Make your action plan
https://www.babel.co.jp/bcc/mailform/bcc4.html このキャリアサクセス実現シートによるキャリアビジョン創りは、STEP1,2,3,4と順にこなしてください。 今からでも遅くありません、5つのSTEPからなる「キャリアサクセス実現シート」を試してみませんか。この未来の履歴書をいかにVIVIDに描けるか、これがあなたの未来を決める、そんな‘不思議’な体験をするでしょう。
WEB雑誌 「The Professional Translator」通巻165号より
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Brexit(Britain+Exit), 英国の国民投票によるEU離脱の衝撃は、日本、そして世界の経済、政治に大きな影響を与えつつあることはご承知かと思います。
円高、ドル高、株安、貿易の縮小、難民の無制限な移動の制限と世界はある方向急展開しつつあることを実感させます。
EUは解体に向けて歩む?のかもしれません。実際、オランダ、イタリア、オーストリア、フランス、デンマーク、スウェーデンももしかしたら、という状況のようです。
では、このBrexit以降、世界はどんな方向へ急展開しているのでしょうか。
それは、
GlobalismからNeo-nationalism (Localism)へ
国境を無くし、人の交流を自由化し、市場を開放する方向から、難民の無制限な移動の制限をし、国家を取り戻す方向へ
ElitismからPopulismへ
国際金融資本家に代表されるエリート主導から大衆主導の時代へ
ここに、ヒラリーVSトランプの構図も見え隠れしています。
翻って、翻訳を考えてみましょう。英語至上主義、日本でも喧しく企業内の英語公用語化の話題がマスコミを賑わせていますが、これこそグローバリスト、国際金融資本家の思う壺。
最近では日本の東大がアジア地域での大学ランキングが昨年までの第一位から七位に転落とマスコミでは自虐的論調が聴かれますが、おそらくその理由は、授業が英語で行われている割合が少ない、執筆される英語論文の割合が少ないなどが問題にされているように思います。
しかし、考えてみてください。英語圏以外で先進の学問を日本語、自国言語で学べる国は日本以外ではあるでしょうか。また、世界中の古典が読める稀有な国日本。
今まさに、大きな潮流は、ローカル、それもグローカル、開かれたローカリズムの時代に突入しつつあるように見えます。
ここにこそ翻訳の意義があります。個々の自立した文化をお互いに尊重し、そのうえで翻訳による相互交流を行う、そんな翻訳的価値が見直されています。
皆さんは‘遠読’( Distance reading )ということばをご存知でしょうか。Close Reading、精読に対して言われる用語です。これまで世界文学を語るときは常に原典主義をとってきたわけで、自ずと英語をはじめとする主要言語で世界文学が語られてきたわけです。しかし、世界文学を語るときにマイナー言語の国の文学も視野に入れるべき時代で、その際採用されるのが‘遠読’??なのです。つまり翻訳で読むわけです。
米国では今、多言語の翻訳出版の会社が続々と起業され、イギリスも英連邦の本のみを対象にしていたブッカ―賞をゆくゆくは、翻訳文学も対象にすることを考えていると言います。マイナー言語のプレゼンスが高まってきたと言えそうです。更に面白いのは、自分の作品が英語に訳されることを想定して書く作家も出てきているということです。
ことほど左様に、世界は個々の自立を前提にそのコミュニケーションの方法論として‘翻訳’を求めています。グローバリストの脅し、誘惑に左右されずに、これからの世界における翻訳の意義を堂々と主張しましょう。
お互いの文化を尊重し翻訳を通じてハーモナイゼーションを計る、素晴らしい時代の到来です。
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