米国セント・ジョーンズ大学法学部卒業。卒業後、ニューヨーク市のNPO法人勤務を経て、現在は、移民法専門弁護士事務所にて、パラリーガルとして勤務。法律文書作成、翻訳業務に従事。現在、バベル大学院のインターナショナル・パラリーガル専攻に在学中。
私にとって、在米13年目となる2014年。
1月から、東京事務所への短期転任が決まり、2014年の元旦は、ニューヨークから東京へと飛ぶ飛行機の中で迎えました。飛行時間約14時間の長い空の旅でした。飛行機の中で振り返った13年。色々な出会い、出来事があり、失敗や悔しい思いがあり、それらすべてが、今の自分を育ててくれたんだ、としみじみ感じたことを覚えています。
私は、ニューヨーク市にある移民法専門の法律事務所でパラリーガルとして仕事をしています。顧客のほとんどは日系企業の方々であり、今までも日本との接点があったとはいえ、東京で仕事をするのは初めての経験です。日本のビジネス文化、ビジネスマナー、はてまた、日常生活の随所に生かされている便利なテクノロジーの習得に挑戦しては、日々、“日本”を再度学び直しています。
実は今、東京へ来て、ニューヨークに住んでいた頃には見えなかったものが、少しずつ見えるようになり、これからの自分の姿についても、その形が着々と形成されつつあるように感じています。これまでの日常であった日々のリズムから離れたことで、視点が動き、この“気づき”へと繋がったのでしょう。
その“もの”は、例えていうなれば、ドアのことです。
うまく説明できるか分からないのですが、まず、ふるさとの話からさせて下さい。
みなさん、それぞれのふるさとをお持ちと思います。私は、九州宮崎の出身で、青い空と海と、きれいな水と、色とりどりの自然に囲まれて育ちました。私にとって、ふるさとである宮崎は、いつも心の中にあり、夢へ向かう勇気を常に与えてくれる場所です。不思議なもので、ニューヨークの事務所の仕事でストレスを感じる時、宮崎の海と空と緑を頭に浮かべるだけで、心が落ち着くのです。ここでやるだけやってだめならば、私には帰る場所がある。そう思うと、不思議と物事の視点が変わり、辛いことも、イライラすることも、できない、と思うことに対しても、ひとまず頑張って前へ進んでみよう、という思いが生まれてきます。
今回、そんな宮崎に3年ぶりに帰郷し、今まで、そんな心のよりどころを与えてくれたふるさとへ恩返しできることがないか、自分なりに、具体的な形で考えることができました。宮崎に帰って、その場所を歩き、人と話し、そうすることで、明確なプランが頭に浮かんできたのです。
東京では、東京を拠点にやってみたいことにも出会いました。
ニューヨークには、大切な友人達と職場の仲間がおり、更には、職場である事務所があります。
宮崎。東京。ニューヨーク。
それぞれの場所に、これから私がやっていきたいことがあります。
物理的に、距離の離れている3つの場所でやりたいことを、すべて同時に、平行線で進めて行くことは可能でしょうか? 私の答えは、YESです。
それは、これら3つが、すべて翻訳に関することであるためです。
翻訳の仕事は、世界を言葉でつなぐお仕事ですが、翻訳者自身も、世界のどこまでも、何カ所も同時に、羽ばたいていける仕事なのです。決められた仕事場で、決められた時間仕事をしなくても良いため、自分の生活のリズムで仕事ができますし、インターネットがあれば、世界の色々な場所で進行しているプロジェクトに同時に関わることができます。
もちろん自分で責任を持ち、自身の翻訳プロジェクトの時間管理や翻訳の質の維持につとめなければなりませんが、世界のどこにいても、インターネットがあれば、常に、世界中の人々へむけて、そのドアを開くことは可能です。
今まで深く考えたことがなかったのですが、今回、東京へ来て思ったことは、ニューヨークにいるから、宮崎のプロジェクトができない、東京のプロジェクトができないというわけではなく、今まで私がそのドアを意識をしないうちに、自分で閉ざしてしまっていたということです。そのドアをあければ、世界の風は自分という部屋に吹き込んでくるものであり、世界のどこへ自身が羽ばたき、何とどこをどう繋ぐのか、翻訳者自身が選ぶことができます。そして、どれだけの世界と繋がることができるのかは、翻訳者自身の技術的なスキルとプロフェッショナルとしての責任の強さだけではなく(これらを持っていることが大前提ですが)、そのドアをどれだけ開けられ、いろんな人々やチャンスをそのドアステップへと導くことができるかにかかっているのではないか、と思います。
ドアを開けて、吹き込んでくる世界の風は、時に失敗や、辛くストレスの多い仕事、そういったものも運んでくるかもしれません。しかし、それらの経験は、きっと翻訳者としての自分の力や知恵となり、成長を促す肥やしとなります。そして、そのような経験を通し、得意、不得意、を明確にし、間引きしていくことで、自分の方向性、専門性を定め、翻訳家としてぐんと成長していけるのではないかと思っています。
自分の翻訳家としての種がどう育っていくのか、どんな花をつけるのか、どんな実が実り、その種がどこへ運ばれていくのか・・・まず、自分の翻訳家としてのドアを開けてみなければ、始まりません。
このドアの存在に気がついた今、渡米13年目にして、もともと渡米のきっかけとなった夢、“翻訳家になる”という道への確実な一歩を今、踏み出したように思います。
皆さんの翻訳のドアはもう、世界へと開いているでしょうか?
そのドアから、きっとどこでも、どこまでも、羽ばたいていけます。
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ビジネス翻訳に従事。バベル翻訳大学院にてMST(翻訳修士号)を取得。世界マーケットでビジネス翻訳に従事する傍ら、翻訳評価、翻訳ビジネスの発展向上をめざしている。Proz.com Certified PRO認定会員 1999年登録。
昨年の9月下旬、私は女性の社会進出に関するレポートを翻訳しました。英文のレポートと一緒に渡されたのは、日本の女性が結婚して子供が生まれた後、働き続けるのがいかに難しいのか、あるいはいったん職場を離れると再就職がいかに難しいのかを延々と述べた日本語の資料。そのレポートを翻訳していくうちにその内容の深刻さとは裏腹に、不謹慎かもしれませんが幸せな、満たされた気持ちになっていきました。翻訳業って何て素晴らしいんだろうと…。
というのは、その素晴らしさを痛感した出来事があったばかりだからです。ここ数年、夏休みは3週間とって日本に帰国していました。ところが、昨年は事情があって更に2週間滞在することになり、日本から主な取引先に連絡を入れました。その時点で以前のように仕事を発注してもらえることを期待するのを止めました。さすがに5週間も休んだあとは翻訳会社も呆れて仕事が来ないのではないかと諦めていましたが、トルコに帰ってみたらありがたいことに2週間で休暇前のペースに戻ったのです。そして、休暇ボケのなまった脳味噌に響いたのがこのレポートの翻訳です。
このレポートを翻訳後、なぜフリーランスの翻訳業が素晴らしいのか改めて考えてみました。まず、自分の生活サイクルを仕事に合わせて完全にカスタマイズできることです。一般の人が組織に属して働く場合は、組織の時間枠に自分の生活を合わせていかなければなりません。そこで、特に女性は結婚して子供が生まれると、組織のサイクルに自分の生活を合わせるのが難しくなります。(このレポートのテーマのひとつがこの件でした。)一方、翻訳業というのは、納期までに翻訳成果物を納品するというのが最大の使命ですので、その間どのように仕事を進めようが完全に翻訳者の裁量に任されています。特に家庭を持つ女性の場合、仕事の合間に家事や買い物を済ますことができます。また、子供たちが小さかった時は、怪我をしたので迎えに来いと幼稚園や小学校から連絡が来たり、朝起きたら熱があって学校を休ませなければならないときは、近くの診療所に空いた時間を狙って連れて行き、処方箋をもらって薬を買わなければなりませんでしたが(トルコの学校は病気で休ませる時は診断書が必要です)、仕事の合間に対応できました。仕事の遅れは、睡眠時間を多少削れば十分に取り戻せます。
次に、自分の裁量で仕事量を加減することができます。私は上の子供が小学校に入学するまで専業主婦でしたので、子供たちがもっと小さかった頃の仕事と家庭を両立させる苦労をせずにすみましたが、それでも小学校の低学年の頃はまだいろいろ手がかかったので、その頃既に始めていた仕事のとPSTの学習時間を確保するのが大変でした。仕事量が多くなってきたのは、子供たちが中学生になって、仕事に没頭できる時間が増えてからです。その頃は「来る仕事は拒まず」の姿勢で、打診された仕事はほぼ引き受けました。夏休みを取る以外はほとんど休みがない状態でしたが、その間に自分の得意・不得意な分野、翻訳に要する時間、体力と気力がどこまで持つのかがわかって有益でした。現在は、その頃のようにあまり無理できませんので、仕事を詰め込み過ぎないように気をつけています。
三番目に、老若男女の差別がなく、完全に実力で勝負できることです。「あなたは女性だから、単価は男性のXX%です」とか、「あなたの年齢では出せる仕事はありません」といった、性別や年齢で差別されたフリーランスの翻訳者はおそらくいないのではないかと思います。翻訳業では当たり前のことですが、前述のレポートを翻訳していて、それがどんなに特殊なことなのかを改めて痛感しました。翻訳業では、男性あるいは女性限定の仕事というのも存在しないかもしれません。もちろん、女性向きの仕事(たとえば、化粧品とか健康産業)というのはあるかもしれませんが、それを男性が訳してはいけないと決まっているわけではありません。
四番目に、仕事をしながら新しい知識が得られることです。翻訳会社から渡される原稿を翻訳しなかったら永久に知らなかったであろう世の中の仕組みや技術を、仕事を通じて学びながら知的好奇心を満たせるという仕事は世の中にそれほどあるものではありません。
以上、翻訳業の利点をとりあげましたが、それでは私も夏休みを5週間とろう、と考えている方はちょっと待って下さい。自分で言うのもなんですが、5週間の穴を埋めるために私は普段かなり努力しています。たとえば、突然入ってくる「超特急」の仕事にはできるだけ対応しています。今日の仕事はこれで切り上げて夕飯の支度をしようしているところに、「(昨日発注し忘れてしまったので)今日中にXXXXワードお願い」という米国から電話で依頼された仕事を引き受けて深夜まで仕事をするために、その日の夕飯は家族にテイクアウトの食事で我慢してもらったり、あまりレートがよくなくて他の翻訳者がやりたがらない、他の翻訳会社から・ヒ頼されるプルーフリーディングの仕事もできるだけ引き受けています。つまり、その翻訳会社にとって欠かせない存在になれるように努力しています。これは、ちょっと間違えば「便利屋」に成り下がってしまう危険性がありますが、主張すべきことは主張しながら、いかにその翻訳会社に食い込むかという自分を売り込む醍醐味を楽しんでいます。
また、翻訳業には家族の協力も欠かせません。私が忙しいときは今は進学のために下宿している娘が食事の支度や掃除を進んで手伝ってくれました。また、専業になったばかりの時は、仕事に必要な時間の見積りを誤ってしまい、週末に車で4時間かかる夫の実家に子供たちと夫に帰省してもらって、その間に集中して仕事を片付けたこともありました。私の仕事を陰ながら応援してくれている家族があって初めてこの仕事を続けていける、ということを改めて実感しました。家族には大変感謝しています。
今後歳をとるにつれて、仕事の量は減っていくかもしれませんが、自分のライフサイクルに合わせて質の充実を目指しながら、できるだけ長くこの仕事を続けていきたいと思います。
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私がバベルに入学を決めたのは、偶然でした。
勤務先の六本木から六本木一丁目駅を利用していたときのこと。
たまたま翻訳の学校を調べていたとき、通勤途中にバベルの学校があることを知り、興味半分で訪問したのです。
そこでたまたま学校に在籍しながら、翻訳の技術も学べ、学費の節約にもなるという、ワーキングスカラシップを知りました。学費の節約もさることながら、翻訳の技術も磨けるという点に、大変感銘を受けたのです。翻訳の仕事を請け負うことも、難しい中で、学びながら翻訳をさせていただけるということは、とても貴重なことであると思います。
また、オンラインで勉強できることも、大きな選択理由でしょう。
フルタイムの仕事を持つ私にとって、定時に授業に出席することは、難しいと考えていました。
バベルならば、自分のスケジュール通りに勉強をすることが可能です。しかし在宅での勉強は、自己を律しなければならず、それなりの厳しさは必要になります。また、遠方からの受講者でも、オンラインならば登校に苦労することもなく、同じ条件下で勉強を進めることができますね。
今私自身は受講ペースの遅れがありますが、そのような時でも、休学制度を提案していただいたり、 臨機応変にご対応いただけるところも魅力だと思います。
興味のある方はまず、説明会に足を運んでみられることをお勧めします。
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I happened to decided to enter Babel University.
I knew Babel University at Roppongi-1cho me station near my working place when I looked for school of translation. I visited there with my curiosity.
I was be able to know Working Scholarship there which I could learn not only translation skill but also save my school fee. I was impressed by the fact that I could brush up my translation skill even I saved my school fee. It is very valuable that I can learn translation skill because it will be difficult if I try to get translation work.
And also, it is big reason that I can study translation skill by web-based study. For me, it will be difficult to attend the school because I am involved in full-time job. It is possible to study at my own pace if I choose Babel University. However, you need to be self-motivated when you study by yourself. The good thing is that you don’t need to come a long distance and can study in equal situation.
My study schedule delayed but Babel University offers leave of absence on a case-by-case basis and it is advantages for us. I strongly recommend you to go to orientation session if you are interested.(Student’s Transcript)
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松浦さん写真私はアメリカに住んで翻訳通訳派遣会社で働いた事があります。
アドミのお仕事をしながら翻訳後の文章の見直しと校正をさせて頂いておりました。
現在は日本に住んでおり、アメリカから日本に間違って伝えられていることを見る事がよくあります。正したく思い、派遣社員で働く事を辞めて翻訳の仕事をする決意をしました。
徹夜で辞書をくりながら必死で言葉を探して訳していたことが頭に残っています。
翻訳を学ぼうと思った時、偶然バベルの講座項目をインターネットで見つけ実際に仕事をするのに必要な内容が詰まっており、文芸・映像翻訳専攻科で学ぶべき事が網羅されていて嬉しく思い入学を決めました。 納期内に翻訳の仕事を終えるのは難しいです。そのためには実務として訓練が必要です。
ワーキングスカラシップが解決策と思い応募し、合格して第一歩を踏み出しています。 翻訳をして正しく文化を伝える事が自分のやりたい事です。
目標は、映画や文芸書の原文の楽しさを伝えられるようになる事です。
大学院の学位が得られる事もまたバベルを選んだ理由の一つですが、私が翻訳をして活躍をする場は、学位でなく実力が勝負です。どれだけ学べるかにかかっていると思います。
I have lived in U.S.A. and worked at a translation and interpretation service company. As well as being an administrative worker, I have been responsible for reviewing and proofreading translated texts. Currently I reside in Japan, I often see things introduced into Japan from U.S.A. at fault. I wished to have correct it. I quit working as a temporary worker and decided to make translation works.
However I can vividly remember I worked all night long and looked up words for phrases desperately in dictionaries. When the subjects of learning came up on my mind, I incidentally found Babel University’s web site and saw the contents. It filled with necessaries for translation. What I want to learn listed in “Institute for Literary Arts and Film Translation” page. I was impressed and decided to enroll.
Obviously, finishing work in time is difficult for us. There is no curriculum for it-but the practical training is necessary. The way to do is getting the working scholarship. So I have applied, fortunately passed the exam and taken the first step.
My top priority in translation is conveying culture without fault. My aim is to introduce the fun of the original film and literature. Getting the master degree is also one of the reasons why I chose Babel, however it seems it doesn’t matter. It depends on how much more effective I will become. (Student’s Transcript)