グローバル翻訳市場の実情 第1回 グローバル翻訳市場の特徴

米国翻訳専門職大学院(USA)副学長 堀田都茂樹

The Professional Translator の読者の皆さん、こんにちは。今から2年半前に半年間にわたって『グローバルに働く-翻訳者として成功する秘訣』という連載で、グローバル翻訳市場で働く方法についてさまざまな観点から論じてきました。しかし、今になってみると、そもそも「グローバル翻訳市場とは何か?」あるいは、「日本の翻訳市場とどう違うのか?」という視点が足りませんでした。そこで、今回の連載では改めてグローバル翻訳市場の特徴を捉え、グローバル翻訳市場で働く際に気をつけるべき点について論じてみたいと思います。 私はこれまでトルコに住みながら約15年にわたり実務翻訳を職業としてきましたが、取引先のほとんどは昔も今も海外の翻訳会社です。世界中の翻訳会社と長年にわたって取引しながら気がついたことは、日本の翻訳会社と海外の翻訳会社とは取引の形態が違うことです。したがって、日本の翻訳会社ばかりと取引してきた翻訳者が、海外の翻訳会社と取引を始めようとすると、日本の翻訳会社では必要なかった知識や技術を求められ、戸惑ってしまう場合もあるかもしれません。今回は、日本と海外の翻訳会社の特徴や違いについて簡単にまとめてみます。

日本の翻訳会社 海外の翻訳会社
一対一の翻訳(英語/外国語→日本語、または日本語→英語/外国語) 英語から複数言語への翻訳
ほぼ日本語のみのコミュニケーション グローバル翻訳市場の共通語は英語
企業が海外から入手する原稿を日本で翻訳する(ソース言語が外国語の場合) 海外で作成された資料を海外で翻訳する
翻訳者の役割は文書の翻訳に限定されている 翻訳は工程の一部分であり、翻訳者は製品化された翻訳(パンフレット、Eラーニングモジュールなど)の品質管理や保証にも関与することが多い
翻訳のチェックや校正は社内のチェッカーが担当 翻訳のチェックや校正は登録翻訳者が担当、または他の翻訳会社に外注、クライアントが直接校正
翻訳支援ツールは必須ではない 翻訳支援ツールの使用が必須

上記の表は、日本の翻訳会社と海外の翻訳会社の特徴の違いをまとめたものです。  まず、日本の翻訳会社で英語や外国語の資料を翻訳する場合、日本語を含めた複数言語に翻訳することはほとんどないでしょう。たいてい、日本語にしか翻訳されません。これに対して、海外の翻訳会社の場合、ひとつの資料が複数言語に翻訳されます。これは、日本の翻訳会社では日本国内の取引先が海外から入手した資料を翻訳するのに対して、海外の翻訳会社では、翻訳資料を作成した企業や団体が翻訳会社に直接翻訳を依頼するためです。言語ごとに別の翻訳会社に発注せずに、まとめて一社に発注すれば、納期や価格など発注のための交渉は一箇所で済んで重宝します。そのため、日本語の翻訳も他の言語と一緒に海外で処理されるものが多くなっています。  それでは、日本語/英語から他の言語に翻訳する場合は、国内の翻訳会社ではどのように処理しているのでしょうか。まず、日本語から外国語に翻訳する場合は、翻訳者に日本語のコミュニケーション能力を求めている場合が多いようです。日本語で書かれている内容を理解しないと翻訳はできませんので、日本語の能力を確かめるうえでも、この条件は妥当でしょう。  では、英語から他の言語への翻訳はどうでしょうか。私は、日本の翻訳会社が実施した多言語翻訳(約25カ国語)のプロジェクトの一部(英語→トルコ語)に参加したことがありますが、日本ではこうした多言語翻訳プロジェクトはそれほど多く実施されていないのではないかと思います。ある言語から多言語への翻訳は、元の言語が何語であっても、まず英語版を作成してから他の複数言語に翻訳するのが一般的です。その場合、翻訳者とのコミュニケーションは英語で行わなければなりませんが、日本でコーディネータの募集要領をみると、必要な能力として英語でコミュニケーションがとれる、という条件はほとんどありません。これに対して、グローバル翻訳市場の共通言語は英語です。世界のどこの翻訳会社と取引しても、コミュニケーションは英語で行われます。  5年前と今年の春、日本企業の大型合併のために日本語の資料を英語に翻訳する数千万語単位の大規模翻訳プロジェクトが実施されました。どちらのプロジェクトも米国の翻訳会社に発注され、その翻訳会社から世界中の翻訳会社に案件が出回りました。海外在住の日本語/英語翻訳者のもとには、複数の翻訳会社からプロジェクトへの参加を依頼するメールが届きましたが、日本の翻訳会社や日本在住の翻訳者にはほとんど情報が届きませんでした。これはあくまでも推測ですが、英語でのコミュニケーション能力が問題にされたのだと思います。これはほんの一例ですが、本来であれば日本で翻訳されるべき案件が日本を迂回してどんどん海外に流出しています。  次の特徴として、日本の翻訳会社から受けた案件は、翻訳が終わると社内の他の担当者がチェックや工程管理を行うので、翻訳後は翻訳者の役割もほぼ終了します。これに対して、海外の翻訳会社の案件は、翻訳は大掛かりな案件(たとえば、Eラーニングのモジュール、ウェブサイト、ビデオなど)の一部であり、たいてい翻訳後もモジュール、ウェブサイト、ビデオに製品化されたものをチェックする作業が伴います。  翻訳のチェックや校正ですが、日本の翻訳会社は社内でチェッカーと呼ばれる担当者がチェックや校正を行いますが、海外の翻訳会社では登録翻訳者が翻訳のチェックや校正を担当します。まれに、他の翻訳会社に外注されることもあります。日本のチェッカーは、翻訳業に就く前の修行として認識されることも多いようですが、翻訳を経験していない人がプロの翻訳者の案件をチェックすると、ひどい場合は改悪されてしまいますが、翻訳者にはどこをどう直したのかはほとんど知らされません。これに対して、海外の翻訳会社では、翻訳者と実力が同等またはそれ以上の翻訳者がチェックや校正を行った後、その原稿が翻訳者に戻されます。翻訳者が訂正を受け入れるかどうかは、翻訳者の裁量に任されています。訂正原稿を元に最終原稿を仕上げて納品します。また、クライアントの担当者が翻訳原稿の校正に直接関与することもありますが、その場合も、翻訳者による訂正と同じ工程で処理します。  最後に、翻訳支援 (CAT) ツールの使用についてですが、日本の翻訳会社では使用を義務付けているところはそれほど多くないでしょう。これに対して、海外の翻訳会社では、最低1種類のCATツールを使いこなせないと、登録しても仕事が発注されません。というのは、CATツールはWordだけではなく、ExcelやPPTのレイアウトを整えたり、タグを処理するために必要不可欠だからです。  海外の翻訳会社と取引を始める場合は、上記の特徴や要件を考慮に入れてください。 お知らせ:この連載をもとにしたセミナーが8月30日に開催されます。ご興味のある方は是非ご参加ください。世界中どこからでもオンラインで参加できます。詳細は、下記URLからお願いします。
http://www.jta-net.or.jp/seminar_global_honyaku_market.html The Professional Translator 7月10日号より
http://e-trans.d2.r-cms.jp/
                                  

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翻訳者の資格が問われる時代へ!!

米国翻訳専門職大学院(USA)副学長 堀田都茂樹

デジュールスタンダードの時代へ?! 翻訳の国際規格、ISO17100が間もなくスタートします。ISO(国際標準化機構、本部ジュネーブ)は様々な国際技術規格を世界標準とすべく、規格を策定、世界に普及させようとしています。
以下に翻訳関連する規格を列挙しましょう。
・ISO 9001:2008
文書化プロセスと手順に適用される規格。
・ISO 27001:2005
文書化された情報セキュリティマネジメントシステムの構築、導入、運用、監視、維持、改善のための要件を規定する規格。
・EN 15038:2006
欧州標準化委員会によってヨーロッパの翻訳/ローカリゼーション専用に作られた品質規格。
・ISO 13485:2003
ISO 9001を基にした規格で、医療機器と関連サービスの設計、開発、製造、設置に焦点を置いた規格。
・ISO 14971:2007
医療機器の翻訳サービス全体を通してリスク管理のあらゆる側面が考慮されていることを確認するプロセスを提供する規格。
(ISO 13485を補完するもの) その内に、TC(Technical Committee)37という言語、内容及び情報資産の標準化をめざす専門委員会が設置され、その下にはいくつものSC(Sub Committee)が設置されています。この17100もこの中で検討され、現在は、DIS(Draft International Standard)、という 段階にあり、間もなくISO17100( Requirements for translation Services)が翻訳の国際 規格として誕生する段階です。 私は大学院のスタッフとしてではなく、日本翻訳協会の一員としてこのISO17100DISの検討プロジェクトに参画することになりました。 日本はとかくこのようなルール創りには蚊帳の外に置かれがちですが、我々翻訳者ひとりひとりの課題としても正面から向き合う時が来たように思います。 これが、我々バベルグループが40年にわたり独自に追求してきた、 ‘ 翻訳のプロフェショナリズム ’を確立することでもあるからです。 『翻訳プロジェクト・マネージャー資格試験』にチャレンジ!!
私が関わっている日本翻訳協会において昨年スタートした『JTA公認 翻訳プロジェクト・マネージャー資格試験』についても、このISO17100に準拠し、それを越える(翻訳品質のみならず、ビジネスとしての健全性を含む)資格として注目され、スタートしています。 
     http://www.jta-net.or.jp/about_pro_exam_tpm.html
次回試験は9月20日です。
バベル翻訳大学院の院生は受験が無料となります。

これからの翻訳者は翻訳プロジェクトマネージメントスキルが必須です。
この業界で長い方はご承知かと思いますが、ISO9001という品質マネージメント規格は、ローカリゼーション翻訳の世界では、国際規格として採用され、翻訳会社( Translation Service Provider) によってはこの認証を取得して、クライアントにたいする営業のブランド力としていました。しかし、その後、翻訳の業界にはそぐわないとして欧州規格EN15038が創られ、これが次第に浸透するようになりました。そこでISOはこのEN15038をベースとして、ISO17100の開発に踏み切ったという訳です。 このISO17100は、‘翻訳のプロフェショナリズム’の確立という意味でも大事な視点を含んでいます。 まず注目すべきは、このISO17100は翻訳会社のみならず、翻訳者、チェッカー、クライアント、その他のステークホールダーを巻き込んだ規格であるということです。 また、この規格では翻訳者の資格(Qualification of Translators)、そしてチェッカー、リバイザー、レビューアーの資格を明確にしようとしていることです。すなわち、翻訳者を社会にどう認知させるかという視点もベースにもっているということです。 翻訳者の資格(Qualification of Translators)
(1) 翻訳の学位(大卒資格)
(2) 翻訳以外の学位(大卒資格)+実務経験2年
(3) 実務経験5年
(4) 政府認定の資格を有する
のいずれかが必要と謳っています。
また、翻訳プロセスについても
  Translate
⇒ Check
⇒ Revise
⇒ Review
⇒ Proofread
⇒ Final Verification
とその品質確保の要求プロセスを規定しています。
*Review、Proofreadはオプション これらの要求項目は、まさに業界とそれを取り巻くクライアント、エンドユーザーが一体とならないと達成できないことです。翻訳の品質を一定に保つためにはこれらの視点、プロセスが必要であることをクライアントが納得していただけなければならないわけで、それがなければ翻訳業界の発展も見込めないわけです。 私は、翻訳者教育の分野では、米国に翻訳大学院( Babel University Professional School of Translation)を設立しAccreditationを取得するために、米国教育省が認定している教育品質認証団体、DEAC ( The Distance Education Accrediting Commission )のメンバー校になるべく数年に亘る交渉をした経験があります。 このAccreditationを取得するプロセスでは、約3年の年月と、1,000ページに及ぶ、Educational StandardsとBusiness Standards遵守の資料の作成が要求されました。 その後、これらの資料に基づき、監査チーム(5名)を米国事務所に迎え、プレゼンテーションをし、査問、監査を受けるわけですが、こうしたルールにどう準拠するかのやり取りは、嫌というほど経験しています。 自分で選択したとは言え、その経験があるがゆえに、既に作られたルールに意図に反して従わざるを得ない無念さを痛感していました。翻訳の教育はこうなんだ、他の学科を教えるのとはこう違うのだといっても、所詮、ヨーロッパ系言語間のより容易な翻訳を翻訳と考えている彼らには、その意味が通じず、いつも隔靴掻痒の思いがありました。 従って、ルールメーキングの段階からこの種のプロジェクトに関わる必要性を痛切に感じてきました。 というのは、現在、Babel University Professional School of Translationは翻訳の プロフェショナルスクール(専門職大学院)でありながら、DEACという一般の高等教育の認証団体に加盟しているからです。私としては、ロースクールがそうであるように(ABA-American Bar Associationの認証)、翻訳教育においては翻訳教育の独自性を念頭に翻訳機関の世界連合が翻訳教育の認証をすべきと年来考えているからです。従って、翻訳者のプロフェショナリズムを極めるためにも、翻訳高等教育の品質認証団体を世界規模で設立、Professional Accreditationを提案していきたいと考えています。 私の持論としては‘ 翻訳者は翻訳専門の修士以上の教育プログラムを修めるべき’ と考えています。翻訳は専門と言語力の統合があってこそ可能、すなわち、大学院レベルの教育であってしかるべきと考えています。 今回のISOのプロジェクトに関わるにあたって、改めて、私も含めて、日本人のルールメーキングに対する頭脳改造、行動改造、そして戦略が必要と痛感しています。 翻って、世界に広がつている日本のサブカルチャー、マンガ、アニメ、コスプレ、カラオケは実は日本が積極的に世界に発信した結果ではなく、海外が着目して普及していったのが実際ということに驚かせられます。浮世絵などの日本の伝統的コンテンツが海外の買い手に二束三文で買いたたかれて、とんでもない高値で売りさばかれているという事実に気付いているでしょうか。従って、世界文化遺産に登録された日本食にしても、もっと戦略的に世界に発信して格付けをする、そんな視点が望まれるのでしょう。 いつもルールメーキングではかやの外に在り、ロービーイング的な動きが苦手、技術があればルールなんか越えられるという根拠なきうぬぼれ、ルール作りは政府に仕事、この辺の体質を一掃する必要がありそうです。アジェンダを作成、規格を提案できる日本をめざすそんな時期に来ているように思います。 ディファクトスタンダードになるのを成算もなく待つより、デジュールスタンダードに自ら当事者として関与する、という姿勢が必要なのかもしれません。また、そのためには、我々日本人に苦手な原理、原則、能書きを書ける人材、グランドデザインが描ける人材を育てる必要があるということなのでしょうか。                                   

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グローバル翻訳市場の実情 第2回 日本語関連のグローバル翻訳市場はどこにあるか?

米国翻訳専門職大学院(USA)副学長 堀田都茂樹

グローバル翻訳市場で日本語関連の実務翻訳の仕事を得るにはどうすればよいでしょうか?まず、世界のどの地域の翻訳会社が日本語関連の仕事を募集しているのかを知らなければなりません。現在、日本を別にすれば、日本語の翻訳を取り扱うグローバル翻訳市場は大きく3つに分けられます。 1つ目がシンガポールを中心とするアジア・太平洋地区、2つ目が英国を中心とするヨーロッパ、そして3つ目が米国を中心とする北米です。この3カ国では、英語が母国語あるいは公用語です。シンガポール、英国のロンドン、米国の大都市には世界の大企業が地域本部や支店を構えており、企業の経済活動が活発に行われているため、この3カ国には多数の翻訳会社があります。    アジア・太平洋地区では、シンガポールを中心に英語圏の香港とインド、中国、マレーシア、タイ、ベトナムなどにも翻訳会社のネットワークが広がりをみせています。ヨーロッパでは、英国を含むEU圏と西ヨーロッパ、チェコ、そして中東のトルコなどです。北米は米国とカナダが中心ですが、南米のアルゼンチンなどの翻訳会社の募集もときどきみかけます。 第1回の「グローバル翻訳市場の特徴」でおわかりのように、グローバル市場の翻訳会社は一般に英語から複数言語への翻訳を取り扱っていますが、それぞれの市場では、扱う言語の組み合わせが異なります。シンガポールを中心とするアジア・太平洋地区では、日本語、中国語(簡体字(中国大陸)、繁体字(台湾))、韓国語を中心としたアジア言語、英国を中心とするヨーロッパ市場ではヨーロッパの主要言語(ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語)とアジア・中東の主要言語(日本語、中国語、アラビア語など)、北米市場ではヨーロッパの主要言語とアジア言語の組み合わせを取り扱うことが多くなっています。日本語関連の案件は幸いどこの市場でも取り扱っていますので、時差の問題をクリアすればどこの市場とでも取引が可能です。  翻訳会社のクライアント(翻訳の発注元)もそれぞれの市場で異なります。まず、アジア・太平洋地区では、シンガポールや香港にアジア本部や支店を開設している多国籍企業、ヨーロッパではヨーロッパや米国に本社がある多国籍企業、そして北米では米国に本社がある多国籍企業です。ただし、企業の規模が大きくなると全世界に企業の拠点を設けているため、たとえば、アジアと北米の翻訳会社から同一企業の別の部門の仕事を発注するということもあります。 今までに挙げた特徴を表にすると、以下のようになります。

市場 アジア・太平洋 ヨーロッパ 北米
主な国、()は今後増加が予想される シンガポール、香港、インド、中国(マレーシア、タイ、ベトナム) EU圏、EU以外の西ヨーロッパ、(チェコ、トルコ) 米国、カナダ(アルゼンチンなど南米)
取り扱い言語 アジア言語(日本語、中国語(簡体字(中国大陸)、繁体字(台湾))、韓国語 ヨーロッパの主要言語(ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語)、アジア・中東の主要言語(日本語、中国語、アラビア語など) ヨーロッパの主要言語とアジア言語の組み合わせ
クライアント(翻訳の発注元) シンガポールや香港にアジア本部や支店を開設している多国籍企業 ヨーロッパや米国に本社がある多国籍企業 米国に本社がある多国籍企業

 上の表をみると、日本語関連の翻訳が発生する国は、既に日本企業が進出して活発に事業を展開しているか、現在進出中でこれから事業活動を展開していく国々です。中でも日本語の翻訳案件が多いのは、アジア・太平洋地区のシンガポールです。シンガポールの翻訳会社はどこでも世界中の言語を取り扱っていますが、アジア言語の取り扱いが圧倒的に多く、なかでも日本語の案件はアジア言語全体の3-4割を占めるといわれています。この他に、インドや中国の翻訳会社でもかなりの量の日本語案件を取り扱っています。一方、ヨーロッパの翻訳会社の取り扱い言語はEU圏の23言語が中心で、日本語案件はどちらかというと少ない方に入ります。米国の翻訳会社では、日本語案件を積極的に取り扱っているところと、そうではないところがあるようです。日本語案件を取り扱っているかどうかは、翻訳会社のウェブサイトで確認します。日本語版のウェブサイトがある翻訳会社では、かなりの日本語案件を取り扱っているとみてよいでしょう。  上記に挙げた国の翻訳会社は、所在地とは別の国に対して翻訳者を募集している例です。海外にお住まいの方は、その国が観光国だったり、日本企業が進出している場合は、居住国の翻訳会社でも翻訳案件が結構見つかるかもしれません。私はトルコに住んで22年になりますが、翻訳を始めた15年ほど前は、トルコの翻訳会社からは個人的な手紙だとか、観光地のパンフレットなどしか需要がありませんでした。経済が発展を始めた10年ほど前からリーマンショックの前までは、1年間に合計1万ワード程度のトルコ語の案件を受注していました。リーマンショック後昨年末までは、トルコ語の案件の需要はほとんどありませんでした。ところが、昨年10月に安部首相が経済界の重鎮を引き連れて経済外交を行なった後、1カ月に一回程度問い合わせがくるようになりました。そして、ここ2カ月で日本とトルコの4社から問い合わせがあり、そのうちトルコの2社から3件、合わせて2万ワード強の案件を受注しています。実務翻訳は、日本との経済の結びつきに左右される部分が大きいという一例です。 The Professional Translator 8月10日号より
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世界が一つの言葉を取り戻す

米国翻訳専門職大学院(USA)副学長 堀田都茂樹

バベルと長いお付き合いの方はバベルの塔の神話をご存知のかたは多いことでしょう。
しかし、バベルの塔の神話の真のメッセージは必ずしも人間の傲慢を諌めることだけではないというところから出発したいと思います。 それは、20年以上前にオーストラリアの書店で見かけた子供向けの聖書に書かれた解釈でした。 神は、 自らの智に溺れることなく、その智を世界に散って広めなさい、と諭し、世界中に人々を散らしたという解釈でした。すると、散った民はその土地、風土で独自の文化を育み、 世界中に一見多様と思われる地球文化を生み出したのです。 しかし、もともとはひとつだったことば(文化)ゆえに翻訳も可能であるし、弁証法的に進化した文化は、常に一定のサイクルで原点回帰をしているので、ただ視点を変えるだけで、結局、同じことを言っていることが理解できるのではないでしょうか。 しかし、 人間の性でしょうか、バベルの塔のころの傲慢さゆえ、自文化が一番と考えることから抜けきれないでいると、もともと一つであるものさえ見えず、理解できず、伝える(翻訳)ことさえできなくなってしまうのかもしれません。 翻訳の精神とは、自らの文化を相対化し、相手文化を尊重し、翻訳するときは自立したふたつの文化を等距離に置き、等価変換する試みであるとすると、その過程こそ、もともと一つであったことを思い返す試みなのかもしれません。 「世界が一つの言葉を取り戻す」、それは決してバベルの塔以前のように、同じ言語を話すことではないでしょう。それは、別々の言語を持ち、文化を背負ったとしても、相手の文化の自立性を尊重し、その底辺にある自文化を相対化し相手を理解しようとする ‘翻訳者意識’を取り戻すことなのではないでしょうか。 バベルの塔の神話はそんなことまでも示唆しているように思えます。 また、ここに翻訳の本質が見えてきます。 昨日、あるテレビ番組で、日本料理の達人がルソン島に行き、現地の子供の1歳のお祝いの膳を用意するという番組を観ました。おそらく番組主催者の意図は世界遺産となった日本料理が、ガスも、電気コンロもない孤島で通用するかを面白く見せようとしていたのでしょう。 この日本料理の達人は自らの得意技で様々な料理を、現地の限られた食材を使い、事前に 現地の人々に味見をしてもらいながら試行錯誤で料理を完成させいくというストーリーでした。そして、最後は大絶賛を得られたという番組でした。 しかし、かれはその間、自ら良しとする自信作で味見をしてもらうわけですが、一様にまずいと言われてしまいます。しかし、何度も現地のひとの味覚を確認しながら、日本料理を ‘翻訳’していくのでした。そこには自文化の押し付けもなければ、ひとりよがりの自信も 見られません。ただ、現地のひとの味覚に合うよう、これが日本料理という既成概念を捨て、日本料理を相対化し、自らのものさしを変えていくのです。 世界には7,000を越える言語、更にそれをはるかに越える文化が有る中、翻訳者が 翻訳ができるとはどういうことなのでしょうか。 翻訳ができるということはもともと一つだからであり、 翻訳ができるということは具象と抽象の梯子を上がり下がりできるということであり、 翻訳ができるということは、自己を相対化できるということでしょう。 例えば、世の中には様々な宗教があり、お互いを翻訳しえないと考えている方が多いのではないのではないでしょうか。 しかし、一端、誰しも翻訳者であると考えてみましょう。翻訳者という役割が与えられた時点で、自らの言語、文化を相対化する必要があります。翻訳する相手の文化を尊重し、自国の文化を相対化し、相手国の人々がわかるよう再表現をする。 「翻訳とは、お互いの違いは表層的なものであり、もともとは一つであることに気づき、お互いを認め、尊重し合う行為である」と考えれば、 「優れた翻訳者を世界に送り出すことで世界を一つにする」ということは、あながち、夢物語とは言えないのではないでしょうか。 また、勇み足を許していただけるのであれば、日本人こそ、いや日本語を母国語として日本文化で育まれた我々こそ、このことを心底理解して 世界をひとつにする適性を持ち合わせていると言えないでしょうか。 The Professional Translator 2014年1月10日号 ― 通巻94号より
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2015年は日本人が自信を取り戻し、世界へ‘日本’を発信するとき!!

米国翻訳専門職大学院(USA)副学長 堀田都茂樹

最近の風潮を見ると、自信を失ったかに見える日本の行く末が不安になります。  国を愛しているか、との若者への質問にYESと答える割合が先進国中の最低、PISAの国際学力では、トップクラスに帰り咲きながら、そのやる気の無さは先進国のトップ、また、留学して世界に雄飛しようとする若者の数は、韓国、中国本土、台湾にどんどん追い抜かれている日本。  そんな、覇気のない日本を挽回しようと考えているのは私だけではないでしょう。  また、一方では、中国、韓国の中傷、プロパガンダに右往左往する日本。それぞれの国のお国事情で格好な外敵、悪者とされて反撃できない、自虐的歴史観に犯された日本人。 そんな時代に、正しい歴史認識の下で、日本の自信を取り戻す必要があるように思います。
http://relit.biz/kn2711/1521
http://relit.biz/kn2711/2521  故 村山 節(みさお)さんの「 文明800年周期説」や、トインビーの歴史観をとり上げるまでもなく、今、歴史は西欧合理主義から東洋の智へと大きな転換期を迎えています。  東洋の中でも日本は、儒教、仏教、道教、禅、神道という思想哲学の集積地、‘たまり’文化といわれる地域。全てに神を感じ取り、清く明るい志を持ち、見えないものを見、全ては自分の内にあると内省する日本人。  まずは、この素晴らしい日本を正しく認識するところから、日本を世界に発信することができるのでしょう。  では、翻訳者として我々は何ができるのでしょうか。  まずは、日本の正しい姿を伝える様々な書籍、情報を英語にして、日本の真の姿を世界に伝える、そんなところから始まるのかもしれません。 本日は, これを担う今注目の新進気鋭の経営コンサルタント、鳥内一浩さんをご紹介します。世界トップと言われるマーケティングの神様、J.エイブラハムを日本に招請するなど、西欧流のマネージメント、ビジネステクノロジーに理論と実践両面に知悉しながら、今は
日本精神に根ざす日本型経営を‘日本発 新資本主義経営’として世界に普及しようしています。 以下、膨大な鳥内さんの抱えるコンテンツの中からその一部をご提供いただきました。本日は第一回とし、4回にわたってこのコーナーで紹介いたします。 第一回レポート
こんな世界に誰がした?
http://www.realinsight.co.jp/2012/report/report1revival.pdf レポート1補足動画(1)リーマンショックとは何だったのか
https://www.youtube.com/watch?v=5SjIUeMb0G8 レポート1補足動画(2)誰も知らない、戦後最長の景気
https://www.youtube.com/watch?v=xPXvlZYzCK0 日本の世界に果たす役割を考えると、「日本発 新資本主義経営」をはじめ、鳥内理論を世界に広めることはどれほど重要なことか、多言を弄することではないでしょう。 201410241132_1
鳥内さんを更にお知りになりたい方は以下をご覧下さい。 ■日本人のための真のメディア http://realinsight.tv/ ■鳥内浩一最新刊『「コラボ」の教科書』http://amzn.to/Xr5C6t ■facebook(個人) http://www.facebook.com/toriuchi ■会社facebookページ  http://www.facebook.com/hirokazu.toriuchi バベルではこれまで、こうした日本、東洋に根ざす経営思想、その関連書籍として、老荘思想の泰斗である田口佳史さんの『東洋からの経営発想』、『清く美しい流れ』、経済ジャーナリスト、浅井隆さんの『人類の運命』, 思想家、田坂広志さんの『目に見えない資本主義』、『未来を予見する5つの法則』等々の書籍を英訳出版してきてはいますが、未だ、微々たる量です。
https://www.babel.edu/alum/je.html 前号でお伝えしておりますように、政府は日本の人文科学、社会科学、自然科学などに関する書籍の英訳を国費で支援し、海外に発信する事業に乗り出すとのこと。これは安倍政権が重要課題に位置づけている対外広報強化の一環だそうです。翻訳対象を選ぶ有識者による委員会を設置し、今年度は約8,000万円をかけて10~100冊程度の本を翻訳し、海外の図書館や研究機関に提供するとのことです。日本の魅力を発信するために、古典ではなく、専門書から一般書までをノンフィクションを対象にするとのこと。フィクション、サブカルチャー系は対象外です。 いずれにしても、中国の対外広報予算が数千億円とも言われるなか、寂しい話です。
歴史認識をめぐり、中、韓が日本を批判、反日教育を強めている中、本気かと言いたいのが率直な印象です。  BABEL UNIVERSITYでは、これからも、日本を英語で発信するプロジェクトによりいっそう注力していきたいと考えます。そのために、英語で発信するための日英翻訳出版講座、Plain English講座等を土台に、様々な英訳プロジェクトを立ち上げ、2015年は本格的に、日本のほんとうの姿を世界に伝える書籍を英訳し、世界に発信していきたいと考えています。2020年、オリンピックイヤーはあくまでも通過点、近視眼的にならないよう淡々と
進めていきたいと考えます。  結びに、多摩大学大学院教授、元内閣官房参与、思想家の田坂広志さんのバベルに寄せられたことばをお読みください。  『21世紀、この日本という国が世界に対して為すべき貢献は、何か。それは、決して「経済的貢献」や「政治的貢献」だけではありません。何よりも求められているのは「文化的貢献」であることを、我々は知るべきでしょう。 
なぜなら、歴史的視野で見るならば、いま、世界全体の「知の潮流」は、西洋的な知のパラダイムから東洋的な知のパラダイムへと、螺旋的発展による弁証法的回帰を遂げつつあるからです。特に、東洋の知のパラダイムの中でも、日本的精神は、高度に洗練された禅の思想を始め、自然(じねん)の思想、縁(えにし)の思想など、世界が学ぶべき深みを持ち、その成熟した日本文化は、これから世界に対して大きな影響を与えていくものとなっていきます。
 すなわち、21世紀は、日本が欧米の文化を輸入し、学ぶ時代から、欧米が日本の文化を輸入し、学ぶ時代になっていきます。そうした時代に、日英・英日翻訳のプロフェッショナルの道を歩まれる皆さんには、単なる「職業的責任」を超え、「歴史的使命」と呼ぶべき役割が与えられています。
 特に、日英翻訳の世界は、いまだ未踏の荒野であり、あらゆる困難を超え、誰かがこの荒野を切り拓いていかなければなりません。その困難は、単に「日本語を英語に訳す」という技術的な困難ではなく、「日本的な精神や文化の神髄を世界に伝えるための新たな言語のスタイルを生み出す」という困難に他なりません。一人の著者として、その格闘を続けながら願うのは、皆さんの中から、そうした荒野に道を切り拓く「多くの同志」が生まれてくることです。それは、困難に満ちた道でありながら、一人の人間が人生を賭するに値する、素晴らしい道であることを信じています。今日が、皆さんにとって、その「輝ける道」への第一歩となることを祈りつつ。』

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– 副学長から聞く - 翻訳専門職大学院で翻訳キャリアを創る方法

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海外からも参加できるオンライン説明会

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◆ 海外在住の方にも参加いただけるように、インターネットweb会議システムのZoomを使って行います。 奮ってご参加ください。Zoomのやさしい使い方ガイドはこちらからお送りします。

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Plain Englishで世界に発信 – Japan Presentationの時代

米国翻訳専門職大学院(USA)副学長 堀田都茂樹

日本の魅力発信を国費で支援、対外広報で中韓に対抗? 本年7月27日の毎日新聞によると、政府は日本の人文科学、社会科学、自然科学などに関する書籍の英訳を国費で支援し、海外に発信する事業に乗り出すとのこと。これは安倍政権が重要課題に位置づけている対外広報強化の一環だそうです。翻訳対象を選ぶ有識者による委員会を設置し、今年度は約8,000万円をかけて10~100冊程度の本を翻訳し、海外の図書館や研究機関に提供するとのことです。 日本の魅力を発信するために、古典ではなく、専門書から一般書までをノンフィクションを対象にするとのこと。フィクション、サブカルチャー系は対象外。 いずれにしても、中国の対外広報予算が数千億円とも言われるなか、寂しい話です。 歴史認識をめぐり、中、韓が日本を批判、反日教育を強めている中、本気かと言いたいのが 率直な印象です。 今まさに、英訳発信の時代、受信中心の翻訳から英訳発信の時代がいよいよ来たと言えそうです。 選定委員がどんな本を選んだのか、興味があるところですが、バベルとしては自信をもって次の3つの書籍を日本の智を的確にプレゼンしているノンフィクションとして推奨したいと考えます。いすれもバベルのプロジェクトで英訳をしています。 ●田坂広志著
Invisible Capitalism
― Beyond Monetary Economy and the Birth of New Paradigm Economies Invisible Capitalism ― Beyond Monetary Economy and the Birth of New Paradigm Economies

原著: 見えない資本主義 ― 貨幣を超えた新たな経済の誕生
日本の精神性に根ざした新しい資本主義を説いたなるほど!!の本です。 ●田口佳史著 
The Managerial Ideas from the EastThe Managerial Ideas from the East
原著:東洋からの経営発想
老荘、日本思想に泰斗が語る西洋の経営思想、経営技術に行き詰まりを感じている経営層に向けた注目の書 ●安保徹著 
The Only Two Causes of All Diseases The Only Two Causes of All Diseases
原著:人が病気になるたった2つの原因 ― 低酸素・低体温の体質を変えて健康長寿!
免疫学の世界的権威が語る病気にならない2つの方法 宣伝はさておき、
日本人の海外留学生がますます減り、
国際機関でも日本人のリーダーシップが希薄、
日本人の自覚が乏しい今日この頃の若者を見ていると、 米国籍のバベル翻訳大学院にネット留学して、英訳技術を学んで日本の 発信者になれ!!と言いたいところです。 そこで、ご紹介しましょう。
大学院のプログラムにも入っていますが、Plain Englishを!
もともとPlain Englishは1950年代にルドルフ・フレッシュが米国人に向けて提唱、その後、米国レーガン大統領、英国サッチャー首相もこれを支持し反響を呼びました。議会でも対消費者に向けて簡潔明解な文章を書こうと、消費者保護の観点からも注目されました。また、アニュアルレポート等、IR( Investor’s Relation)の分野においても、このPlain Englishは支持されて今日に至っています。 バベルはこのPlain English教育を始めて20余年、時代がPlain Englishを求めていると確信しています。 本年11月15日、日本翻訳協会と提携して、Plain Written English能力検定試験を満を持してスタートします。 http://www.jta-net.or.jp/about_plain_written_english_exam.html あなたの英語は非常にわかりやすいそんな評判を獲得しましょう。 英会話?未だに英会話などと言っている方に申し上げましょう。
書ければ話せる!!
簡潔明解な英語が書ければ、
話すように英語が書ければ
英会話レッスンなぞ不要!! 英語を話すには、あとは慣れです。
こうしてPlain Englishの書き手は、その場に置かれれば、立派な英語の使い手として評価されるはずです。 ここで忘れがちなことを最後に一つ、英語力は決して日本語力を超えることはないと言う厳粛な事実です。 その意味でも、翻訳を通じて、英語と日本語と両者と格闘しているあなたは素晴らしい日本の発信者となれるはずです。 自信をもって世界に出ましょう!!! Plain Englishを添削付き講座で勉強したい方は以下へ。
https://www.babel.edu/program/31011.html

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100年をめざすBABEL UNIVERSITY Professional School of Translation (2014年11月15日 ハワイ学位授与式での講演録)

米国翻訳専門職大学院(USA)副学長 堀田都茂樹

バベルグループは1974年創立、40年を迎えます。そして、バベル翻訳大学院は米国で設立以来、まもなく15年を迎えることになります。 企業は1年で自主退場(倒産)するのが4割、5年で6割、10年で8割と言われます。 (諸説あるようですが) としてみると、『よう頑張っている!』とエールを送りたいそんな気分ですが、それは さておいて、皆さんに質問です。 世界で100年以上の歴史をもつ企業が一番多い国はどこだか、ご存知ですか。 なんと日本なのです。2万社を越える企業が日本では100年存続しています。
企業がGoing Concernと言われる意味を改めて実感します。 では、世界最古の企業はどこか、ご存知ですか。 これはなんと日本の金剛組、神社仏閣の建築をしている宮大工の会社組織です。
創業したのが578年、聖徳太子の時代という大阪市天王寺区の「金剛組」は、今年何と1436歳。日本国内どころか世界でも最古とされる老舗企業です。 前置きが長くなりましたが、BABEL UNIVERSITYは、ここ3年以内に100年続く翻訳大学院になるための土台を築く予定です。 では100年続く組織、企業の条件、日本の100年続く企業の共通点はなんだと思いますか。ちなみにBABEL UNIVERSITYは株式会社立の大学院です。米国の教育機関では普通の組織形態です。 それは2つあります。
  1.信仰 ― Mission
  2.ゆるんだ組織 ― Resilient、「柔弱は剛強に勝る」
そこでBABEL UNIVERSITYは信仰をはっきりと明言することを決意しました。 それは東西融合、東(W)の文化と西(E)の文化を、翻訳を通じてつなぐということです。
WEからEW(【ju´;】)へ、そしてYOUからWEへ。
米国の本の刊行点数が年間15,6万冊、内、日本語に翻訳されているのが多く見積もっても6,7千冊。ましてや、日本語の本が英語に翻訳された数は微々たるもの。
せめて、均等くらいにはしたいものです。 翻訳を通じての東西融合、バベルグループはこれをめざします。
それにより読者に様々な気づきをもたらすことができれば幸せです。
そもそも、翻訳ということ自体、東西融合と言えます。日本語を英語にリテラルに変換しても、相手の文化に通じないとすれば、ここでCultural fittingの役割が求められるわけです。すなわち、翻訳こそ東西融合の結晶とも言えるでしょう。 バベルの翻訳大学院が拠点を置く、ハワイという地は現地語でPeko、地球のおへそと言われます。ぴったりと思いませんか、バベルグループはハワイを起点にして地球図書館―East West Global Library(仮)を構築していきたいと考えています。 また、バベルグループはゆるんだ、ネットワーク型の、それぞれが自律した組織を選択しました。それは大企業、マンモス大学のような、丸抱えの発想から、自立した皆様とのパートナーシップネットワークです。 Alumniの皆様とのパートナーシップ、すなわちグローバルなProfessional Firm、自立したプロの集団をめざします。 すでにご承知かもしれませんが、バベルグループ自体が教育、出版、版権仲介、翻訳、人材派遣・紹介等のパートナーシップ型の企業形態をとっていることを加えておきましょう。 それではここで、このパートナーシップメンバーとなるための3つの条件、別の言い方をすると翻訳者として成功するための3つのブランディングを改めてお願いしたいと思います。 ・MST―翻訳の修士号を取得する
・翻訳出版をする、できれば監訳者も経験する
・第3者認証を取得する 1つ目は、マスター・ディグリーを取得する!!

これは修了された皆様はすでにクリアーしているわけですが。
MSTは米国教育省が認可した教育品質認証団体【 DEAC 】のメンバー校として米国連邦政府が認証する資格です。
バベル翻訳大学院(USA)は米国のProfessional School (翻訳専門職大学院)、言わば、翻訳業界のMBA。ISO17100(世界翻訳標準)がまもなく発表される今日では、世界の翻訳実業界では翻訳修士号が強力な武器となります。 2つ目は、翻訳書を出版する!!
翻訳出版することが翻訳者としての強力なブランディングです!!修了までに翻訳書を出版してください。また、監訳者にもチャレンジください。文芸分野から金融・IR、特許・医薬・技術、リーガルなど,社会、自然科学分野の出版も可能です。 3つ目は、翻訳の世界標準資格をとる!!
翻訳力の第三者認証を受けることが第二の強力なブランディングです。 翻訳の修士号 (MST)取得に加え、翻訳業界の世界標準資格を取得してください。
業界で30余年の実績を持つ一般社団法人日本翻訳協会が実施する翻訳専門職資格試験 、翻訳出版能力検定試験、翻訳ビジネス能力検定試験等、ご自身の専門とする分野の資格を取得ください。また、合格すると大学院の単位にも加算できます。
最後にAlumniの皆様に3つをお約束しましょう。 1.自律、スキルアップのための学習機会の継続提供
2.出版を含む仕事の機会の提供
3.研究の機会の提供
ここで、参考までに新設予定の講座を紹介しましょう。
・翻訳リサーチ講座
・CAT―翻訳支援ツール活用講座
・Kindle編集講座
・言語学講座
また、来年より翻訳研究所を本格稼働します。
翻訳研究所は以下の4つの研究室から成ります。 ・出版翻訳リサーチ研究室
・ビジネス翻訳リサーチ研究室
・eトランステクノロジー研究室
・翻訳教育研究室 
ここでも皆様のスキルアップにお役に立てればと考えております。
最後にまとめとなりますが、
皆様が 
・プロとして自律、そして、自立して
・プロフェショナル・ネットワークの一員として
・翻訳を通じて東西融合を果たす信者になっていただきたい

と考えています。 ということで、Alumniの皆様の今後のコミットメントを期待しております。 
ありがとうございます。
The Professional Translator 2014年11月25日号 ― 通巻115号より

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『CATツール活用のすすめ -グローバル翻訳マーケットの必須スキル-』

米国翻訳専門職大学院(USA)副学長 堀田都茂樹

本誌の連載記事「グローバル翻訳市場の実情」でも述べられている通り、グローバル翻訳マーケットでは、CATツールの使用が翻訳の仕事の発注条件となることが少なくありません。 CATとは、Computer Assisted Translation (またはComputer Aided Translation)の略で、コンピューターを利用して生産性を向上させる翻訳技術の総称です。使用するソフトウエアは翻訳支援ツールといわれ、代表的なものにSDL Trados、Wordfast、OmegaTなどがあります。 1990年代頃から翻訳の生産性向上のためにコンピューターが活用されてきましたが、元々ローカリゼーション(ローカライズ)といわれるIT系翻訳に限られていた技術でした。 しかし、今ではIT系翻訳以外のビジネス翻訳にもローカリゼーションのプロセスが導入されています。 特に、日本国外のクライアントではCATツールの使用が当たり前とされているため、世界中の翻訳会社を相手にプロの翻訳者として活躍していくためには必須のスキルなのです。 バベル翻訳大学院(USA)では、2015年よりIT Competenceの充実を図ります。 その第一弾として開講するのが今回ご紹介する「CATツール活用のための翻訳テクニック – 実務トライアルコース」です。 このコースでは、事前知識のない方にもわかりやすいように、ローカリゼーションの定義やローカリゼーション全体の作業フローの説明から始まります。その後、翻訳の基礎表現技法や分野別の演習などに進みますが、その都度理解度チェックを繰り返しながら進めますので、コース終了時には満遍なくコース内容を理解できる仕組みになっています。
(自習型のオンラインコースですので、時間を気にせずいつでも繰り返し練習することができます。) また、このコースを共同制作したローカライズ専門の翻訳会社、TransLingo社.での翻訳者採用を前提としていますので、受講修了後は、採用トライアルを受けることができます(任意)。 2015年は、このコースを足がかりに仕事の幅が広がるグローバルマーケットに参入しましょう。 「CATツール活用のための翻訳テクニック – 実務トライアルコース」(オンラインコース)
2015年1月開講 【カリキュラム】 <セクション 1 はじめに>
ローカライズの定義・ローカライズの流れ・ローカライズで使用するツール
ローカライズで扱う主な内容 / 理解度チェックテスト(1) <セクション 2 ローカライズの基本>
翻訳の基本 / 理解度チェックテスト(2)
翻訳の表現 / 理解度チェックテスト(3)
CATツールを使った翻訳の流れ / 理解度チェックテスト(4) <セクション 3 ローカライズ翻訳の分野>
ソフトウエア翻訳 / 理解度チェックテスト(5)
ドキュメント翻訳 / 理解度チェックテスト(6)
マーケティング翻訳 / 理解度チェックテスト(7)
マーケティング翻訳の訳し方のヒント / 理解度チェックテスト(8) <セクション 4 翻訳テクニックの詳細 >
文法テクニック / 理解度チェックテスト(9)
英語の訳し方 / 理解度チェックテスト(10) (11)
日本語の用語・表現 / 理解度チェックテスト(12)
修了テスト 【テキスト】
翻訳者オンライントレーニングテキスト(Preziスライド)
* TransLingo社 制作
理解度チェックテスト
* バベル翻訳大学院 制作 ※テキストはすべてweb上で閲覧するネット教材。音声や動画はありません。
※この講座はCATツールの操作方法を学ぶものではありません。

【評価方法】
多肢選択問題(自動採点のテスト)により評価。
(1)理解度チェックテスト12回(各回80%以上の正解)*何度でも受験可能。
(2)修了テスト 1回 (70%以上の正解)*3回まで受験可 【コース修了後】
TransLingo社の翻訳者採用トライアルを受けることができる(任意)。 【受講期間・料金】
受講期間:2ヶ月 受講料:30,000円(税込)※入学金不要・教材費込 受講申込フォーム(受講開始は2月中旬を予定)
The Professional Translator 2014年12月25日号 ― 通巻117号より

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翻訳者のもうひとつの役割 -日本発信のすすめ 今、偉大なる翻訳者、福澤諭吉が生きていれば???

米国翻訳専門職大学院(USA)副学長 堀田都茂樹

「学問のすすめ」
天は人の上に人を造らず、人の下に人をつくらず 人は生まれながら平等であると言われているが、
現実には大きな差がある。それはなぜであろうか。
その理由は、学んだか学ばなかったかによるものである。
学問を身につけ、自分の役割を果たし独立すべき。
自由とわがままは異なる。学問とはその分限を知ることである。 自分の行いを正し、学問を志し、知識を広め、各自の立場に応じて才能と人格を磨き、
外国と対等に付き合い、日本の独立と平和を守ることが急務である。 福澤諭吉の「学問のすすめ」は、明治維新の5年後、1872~76年に書かれています。人口が3500万人の当時、340万部も売れた驚異のベストセラー、今日で言えば、日本の人口が1億2千万人であるとすると、なんと1200万部ということになります。 当時の日本は明治維新を経て、言わば強制的に鎖国を解かれ、本格的なグローバル社会へ突入した、まさに激動期、社会、国家革命を目前にした時です。 この本は、まさに新しい時代を拓く指南書として多くの日本人が貪り読んだ本でした。 従って、「学問のすすめ」は単なる個人の能力至上主義を唱えたものではなく、個人の社会的あり方、役割を説いたもので、個人が自立するなかで国家自体の繁栄が成し遂げられる事を説いています。これが独立自尊。 今という時代の課題を考えると、当時、日本が直面していた難題と不思議と符合すると言われます。 ・グローバル化の波が押し寄せ、右往左往する主体性を欠く日本
・近隣諸国が謂れなき侵略意図をほのめかし、
・国は長期の財政赤字で破綻寸前
・政府は企業優先、庶民を顧みない
・社会制度の崩壊、遅々として進まない構造改革 等々の状況を見ても、当時、福澤が指摘すると同様、
今こそ、次の時代への明確な展望を持つべきときに来ていると思います。
国に依存せずに、個々が自らできることを自覚するときにあると考えます。
そんな時代に福澤諭吉が唱えたのが `実学のすすめ’ 、 ここで私は、時代意識を転換する新しい視点として、優れて実践的な学であるべき翻訳、 日本の世界における新たな役割を示唆する「翻訳のすすめ」、いや『日本発信のすすめ』を今こそ皆さんとともに考えていきたいと考えます。 世界がボーダレス一つになる中、各々の言語を生かしつつ、情報の共有化を図り、世界を融和、相互発展させるには『 翻訳』は欠かせない方法論と考えます。日本は‘翻訳立国’と言われて久しいにも係わらず、国家レベルの施策において翻訳の占める位置付けはあまりにも低いとしか言いようがありません。細やかなコミュニケーションスタイルをもつ日本人の特性を持ってすれば、多・双方向翻訳で『翻訳再立国』を果たし、東西、南北の橋渡しとなり、日本と世界との情報格差を無くし、その‘多・双方向翻訳力’を持って世界に貢献するという図式もあながち夢物語ではないと考えます。  そのために、バベルは翻訳大学院を2000年に設立しましたが、翻訳高等教育の在りかたにとどまらず、国家レベルの施策としての『 翻訳プロフェッショナリズム の構築』をめざしたいと思います。  日本は明治維新以来、福沢諭吉をはじめ、西周、中江兆民をはじめ多くの啓蒙家が、西欧の文化、文物を‘和魂洋才’を念頭に急速に取り入れ、国家の近代化を果たしてきました。これは、換言すれば、‘翻訳’を通して当時の西欧の先進文化、文明を移入してきたと言えます。俗に、‘翻訳立国―日本’と言われる所以です。  六世紀から七世紀にかけて中国文化を移入したときには大和言葉と漢語を組み合わせて翻訳語を創り、明治維新以降は西欧の人文科学、社会科学等のそれまで日本にはなかった抽象概念を翻訳語として生み出してきました。Societyが社会、 justiceが正義、truthが心理、reasonが理性、その他、良心、主観、体制、構造、弁証法、疎外、実存、危機、等々、これらの翻訳語は現在のわたしたちには何の違和感もなくなじんできているのは承知の通りです。  翻って、この‘翻訳’の現代に占める社会的位置は、と考えてみると、不思議なくらい、その存在感が読み取れません。  もちろん、巷では、翻訳書を読み、政府、また企業でも多くの予算を翻訳に割いています。また、ドフトエスキー、トーマスマンをはじめ、世界中の古典文学を何の不自由もなく親しめる環境があるのも事実です。また、将来を展望しても、ITテクノロジーによる更なるボーダレス化を考えても翻訳は計り知れないビジネスボリュームを抱えています。  一説には、一般企業が年間に外注する翻訳量は金額に換算して、2000億円市場とも言われます。これに、政府関係、出版関係(デジタルを含む)、更にアニメ、マンガといったコンテンツ産業関連を加算すれば、優に、一兆円を越える市場規模になると言われます。  とすると、過去は言うに及ばず、今後、日本のビジネス取引、文化形成における‘翻訳’の役割は、想像以上に大きいと言わざるを得ません。そうした認識をふまえ、現状の日本の‘翻訳’の在るべきかたちを見直し、受信型翻訳から発信型翻訳へシフトし、西と東の 融合に大きなきっかけを提示できればと考えます。 今、偉大なる翻訳者、福澤諭吉が生きていれば???
かれは豪放磊落にこう言ったかもしれません。 『一身独立すれば一家が独立し一国が独立する。一人ひとりがその目で世界を観て、 世界の中で日本の果たすべき役割を考えよ。日本はその深く、細やかなコミュニケーション力、翻訳力をもって世界の融和に果たせる力量を備えているということは誰しも否定しないであろう。まずは大志を抱き一人ひとりが行動してみよう。
やってもみないで事の成否を疑うな!』と。
更に、福澤諭吉は、翻訳者はどうあるべきかを問われて、こう言うかもしれません。 『行動する翻訳者たれ!! その目で、その五感で良きものを見極め、それを己の文化に取り込み、更に己の文化を掘り下げこれを世界に伝えよ!そして、東西の半ばに立ち、東西文化、東西文明の融合に尽力 せよ!!』と。

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米国の教育の新潮流 CBE ― 型にはまった教育からの脱却

米国翻訳専門職大学院(USA)副学長 堀田都茂樹 昨年、オバマ大統領がCBEという新しい教育形態も連邦奨学金の対象にすると議会で発表、下院を通過し、米国ではCBEは教育の新しい潮流になっていると言います。CBEとはCompetency Based Education(CBE)、教材、教室、単位、修学時間、修学年限、単位当たりの学費といった旧来の教育の枠組みを越えて、目標とするCompetency、すなわち、知識、能力、態度といった統合的目標に基づいて学習効果を評価、達成しようとする試みです。 従って、学習者主体の教育の自由化を志向していると言われています。 旧来の言い方であれば読み、書き、そろばん。最近であれば問題解決型学習、アクティブ ラーニングにも関係が深い、言わば知識教育からの脱却と考えられるでしょう。また、英国、フィンランド、ベルギー等で5歳児から義務教育化されているプログラミング学習もその路線と言えるかもしれません。 しかし、まだ、この定義も必ずしも固まっていない様ですが、米国ではすでに34大学がCBEを看板にこの教育モデルを宣言していると言います。 こうした自由度の高い高等教育の制度が米国で普及しつつある背景には ・MOOCs ( Massive Open Online Course)のような無料、且つ膨大な教材が解放されていること *MOOC: オンラインで公開された無料の講座群 ・その背後にInstructional Designerのような教材制作のプロの出現していること ・旧来のキャンパススタイルの不自由な学習形態から、オンライン、そして複合的なブレンディドラーニングが急激に増加したこと ・また、これらにより人々が様々な学習形式で学ぶようになったこと 等があると言います。 従って、そのCompetency Based Education には、
1. 教材より評価主体、評価重点 2. 資格認定試験との連携 3. 産学連携、キャリア重視の教育 4. 自由度が高い科目選択 5. 教えるというよりメンター的指導を重視 6. 先行学習評価を加味、すなわち実績を考慮
等の特色があると言います、 バベルの翻訳大学院(米国)はProfessional School (専門職大学院) なので考える土台が 相違するとも言えるのですが、これらの視点を基にざっくり自己総括すれば、こんな感じでしょうか。
1. 翻訳者に求められるCompetence(Competency)を明確にしているか=Yes *別表参照(ITIはThe Institute of Translation & Interpreting 英国の翻訳協会) 2.カリキュラムはCompetenceに沿って組まれているか=Yes 3.評価の方法は単なる知識のAchievementではなくProficiencyを軸に行われているか=(Yes) 一般社団日本翻訳協会の各種資格試験(5段階評価)と連動、そして、資格認定を単位として認めている 4.産学連携、キャリアプランと直結しているか=Yes、大学院がバベルグループの ビジネス翻訳事業、翻訳出版事業、版権仲介事業、人材紹介・派遣事業とのアライアンスからなっている、いわばCorporate Universityの体裁をもつProfessional Schoolである 5.科目の選択の自由度があるか=Yes,いずれの専攻においても他の専攻の科目を広く受講でき、且つ、翻訳出版ワークショップのようなプロジェクトに参画することも単位として認められている 6.メンター的な機能があるか=Yes,すべての院生に専任のカウンセラーがアサインされ、別に、キャリアコンサルティング、ラーニングカウンセリング、ITカウンセリングといった制度を用意している 7. 先行学習を評価しているか=(Yes),過去の学習実績、過去の資格取得実績、 過去の翻訳実績を単位として認定している
以上、Competency Based Educationという米国の先端教育の流れに沿って BABEL UNIVERSITY Professional School of Translationを自己総括してみました。 もちろん、私自身、CBEを深く学び、総括したわけではないのですが、新しい教育の 潮流を私なりに考える絶好に機会となりました。 MOOCsの積極的活用に始まり、様々な課題が浮き彫りにされましたが、これを皮切りに翻訳専門職大学院の教育を次のステージにとの気持ちを新たにした次第です。 attach1
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