私は、1997年に大学を卒業し、その年の9月に電子部品大手の国内上場企業に入社しました。大学は法学部ではありませんでしたが、大学3年次から司法書士を勉強していたことこと、学生時代に宅建に取得していたことが理由で、法務関連の部署に就くことになりました。入社当時は、英文契約の件数は月に3件ぐらいで、その大半が秘密保持契約だったような気がしますが、入社から3年を経過した頃になると、共同開発、売買契約、ライセンス契約、合弁契約、契約以外では定款や外国の官公庁に対する文書など、多種の英文に接する機会が増えました。件数的には、売買契約が多く、特に、瑕疵担保(品質保証)責任および知的財産(の保証)の条項については、自社にとって、不利な条項を提案してくる海外の大手の会社が多かったので、弁護士に相談したり、また、参考書の案文を参考にしながら、積極的に修正しました。
このような経験を積んでいくうちに、英文契約の作成、修正、および法律用語を用いた交渉をもっと向上させたいという気持ちが段々高まり、それと同時に英語力の向上にも目を向けるようになり、朝は、毎日7時半に出勤し、1時間英字新聞を読んで英語力を鍛えました。バベルへの入学の契機は、たまたまバベルが発行していた月刊誌が会社に届き、それにインターナショナル・パラリーガルコースの案内がありました。私は、もっと、国内法務で得た知識を応用して、国際法務の力を強化したかったこと、および会社としてもそのような人材がいれば重宝されるだろうし、国内会社の法務関連の部署で、国際契約のドラフティングをうまくこなさせる人材はまだ少ないだろうと考えて、本コースに入学することにしました。実際、コースが始まってみると、1年次の最初のうちは、経験したことのある題材および条項が多かったので、物足りなく思ったこともありましたが、訴訟文書などが加わり、さらに、関係代名詞を加えた長いセンテンスになると、思考がとまってしまい、参考訳をみながら、どうしてこんなふうに原文から逸脱せず、なおかつ、読んでわかりやすい訳ができるのだろうと感心するばかりです。このままでは駄目だと、私もバベルのテキストをじっくり読むようになり、満員電車の中でも構わず、熟読しております。最近、やっと、なんとなくコツがわかってきたような気がしますが、まだまだ、力不足と実感しております。現在は、国内中堅製薬会社の知的財産部(2003年12月~2005年7月まで法務室に所属)に所属しており、海外の弁護士や相手方とのコンタクトをするうえで、法律英語を用いながら、知的財産の管理・契約・交渉などを行っております。最近、知的財産権検定2級を取得しました。将来的には、本コースで学んだ法律英語を土台にさらなるステップアップし、米国弁護士資格を取得できればと思っています。
【宮部隆司さん】 大学卒業後、国内大手電子部品会社の経営企画部法務チームに勤務。その後、国内中堅製薬会社の法務室を経て、現在は知的財産部に所属。日本在住。
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