───バベル翻訳大学院(USA)に入学したきっかけをお聞かせください。
バベル翻訳大学院(USA)ハワイ開校、特別奨学生募集の案内書を読んだことがきっかけです。病院で難しい治療の選択肢、時には癌の告知やホスピスを説明する医師と日本人の患者さん、家族のコミュニケーションの橋渡しの役目を担うことがあり、そのたびに、その役割の難しさと責任の重さを感じておりました。思いがけずバベルの案内書をいただき、翻訳の勉強がインターネットで、しかも仕事を続けながらできることを知り、すぐに応募いたしました。素晴らしい学習のチャンスを与えてくださった湯浅学長をはじめバベルのみなさまに心から感謝いたしております。
───卒業されて、大学院時代の感想はどうですか。なにが役立ちましたか。
勉強と仕事を両立させることは確かに大変なことでしたでした。コンピュータ操作の知識、ネット検索のスキルを身につけていたら、もっと効率よく学習に取り組めたのではないかと思いますが、とにかく継続することができたのは、惜しみなく知識を分かち与えてくださった先生方のご指導と暖かい励ましのおかげです。苦しいかったこともみんな懐かしい思い出です。そして中でも苦労した「Plain English講座」や「インターネットサーチ講座」は、生活の場、仕事の場でのプレゼンテーションにとても役立っています。
───ご卒業後、日野原重明先生監修の翻訳書を出版されていますが、これをご紹介ください。
修了作品として翻訳した『The Caregiver’s Essential Handbook』が2008年に中央法規社より出版されました。 「あんしん介護アドバイス、お年寄りにやさしい1000の知恵」(中央法規出版) サッシャ・カー、サンドラ・コーロン著 日野原重明 日本語版監修 アレストラ敦子・平山登志夫訳
この本は、介護をする人たちを支援するために、年老いた愛する家族を介護する米国の人たちの知恵と工夫を集めて介護に必要な知識と情報を分かり易く説明し、老人の気持ちを優しい視点で捉えらえて、介護が必要になったら何をしてあげればよいか、加齢による心と体の変化への対応法、問題が起きる前に準備すべきこと、支援の求め方等、情報源やアドバイスを幅広く提供しています。
出版に際しましては、日本の医療介護制度、習慣、文化の違いを踏まえて情報を整理することにとても苦労いたしました。幸いにも、日野原重明先生が監修をお引き受けくださり、老人の医療、介護と福祉に長年の間たずさわっている平山登志夫博士(兄)の支援と助力があってやり遂げることができました。出版に関わってくださった全てのかたがたに感謝いたしております。
───今後の抱負をお聞かせください。
現在は、主人と元気に幸せな一日を生きることを大切にしています。そして良い本に出あったら、また翻訳に取り組んでみようと思っています。
[box color="lgreen"]<プロフィール>
聖路加短期大学卒業後、フルブライト留学生として渡米、米国病院で看護研修を受け、ニューヨーク州及びハワイ州のプロフェショナル・ナース(RN)の資格を取得。米国のブロンズウィック・ホスピタルセンター及びクアキ二・メディカルセンターのべットサイドの看護、看護管理職を経て、2001年にバベル翻訳大学院(USA)に入学。現在ハワイ在住。