翻訳者の倫理規定

バベル翻訳専門職大学院は、プロフェッショナル・トランスレーターが社会における価値ある職業となることを期待して次の通りプロフェッショナル・トランスレーター倫理及び行動基準を定める。


1. 一般的規律

(1)  プロフェッショナル・トランスレーターは、社会の一般倫理にしたがい、且つ、法令を遵守しなければならない。

(2)  プロフェッショナル・トランスレーターは、自己の職業が社会から専門的職業の一つであると認知させるよう品位を保たなければならない。

(3)  情報の悪用の禁止
プロフェッショナル・トランスレーターは、翻訳サービスの履行を通じて得た情報を利用して私利を図ってはならない。


2. 顧客との関係

(1)  秘密保持
プロフェッショナル・トランスレーターは、業務を通じて得た情報を顧客の意に反して他へ開示してはならない。

(2)  専門職としての注意義務
プロフェッショナル・トランスレーターは、その義務を行うに際し、専門職としての注意をもって行わなければならない。

(3)  利益相反行為
プロフェッショナル・トランスレーターは、顧客の利害と抵触する事を行ってはならない。
プロフェッショナル・トランスレーターは、利害の抵触が起きる可能性のある二重忠誠の場に身を置いてはならない。

(4)  正直性
プロフェッショナル・トランスレーターは、顧客に対して常に正直でなければならず、顧客に有用な情報を隠匿してはならい。プロフェッショナル・トランスレーターは、顧客に有用な情報・資料を進んで提供しなければならない。

(5)  説明責任
プロフェッショナル・トランスレーターは、顧客から説明を求められた場合、充分な説明を行わなければならない。


3. 提供するサービス

(1)  高い水準のサービス
プロフェッショナル・トランスレーターは、常に高い水準の翻訳サービスを提供しなければならない。

(2)  保証
プロフェッショナル・トランスレーターは、その提供する翻訳が完全で正確なものであるか又は慣用的で適切なものであるかを明らかにして、翻訳の品質を保証しなければならない。

(3)  自身によるサービス
プロフェッショナル・トランスレーターは、提供するサービスを自分自身で行わなければならない。プロフェッショナル・トランスレーターは、顧客の事前の承諾がある場合を除き、引受けた翻訳サービスの履行を他人に委譲してはならない。

(4)  監督責任
プロフェッショナル・トランスレーターは、顧客の承諾がある場合において、他人に翻訳を下請させるときであっても、その翻訳については、自己の翻訳と同様の責任を有する。

(5)  手に負えないものを引受けない責任
プロフェッショナル・トランスレーターは、自身の力量にあまる翻訳サービスを引受けではならない。

(6)  サービス料金と内容・条件の開示
プロフェッショナル・トランスレーターは、翻訳サービスを引受ける前に、翻訳サービスの料金とその内容・条件を明確に顧客に示さなければならない。


4. 同業者との関係

(1)  清廉性
プロフェッショナル・トランスレーターは、業務においては常に清廉でなければならず、汚い手段を弄してはならない。

(2)  相互扶助と連帯
プロフェッショナル・トランスレーターと相互に扶助し連帯しなければならない。

(3)  同業者の批評
プロフェッショナル・トランスレーターは、同業のプロフェッショナル・トランスレーターを悪しざまに批評してはならない。

(4)  職業基準の確立
プロフェッショナル・トランスレーターは、相互に同業者を尊重し、協力して、プロフェッショナル・トランスレーターに対する社会の評価を高めなければならない。


5. 水準の向上

(1)  自己啓発
プロフェッショナル・トランスレーターは、その言語能力、専門分野の熟達、翻訳に必要または有用なIT機器操作及び翻訳マネジメントにおいて、常に自己啓発に努め翻訳の生産性及び品質の向上に努めなければならない。

(2)  査読及び校閲
プロフェッショナル・トランスレーターは、自己の行った翻訳についての査読(レビュー)及び校閲(リバイジング)については、これを有用なセカンドオピニオンとして受け入れ、率直に聞かなければならない。