説明
★内容★
以前よくかくれんぼをしていて、おじいちゃんに見つけられた場所に隠れる「ボク」。階段の下、ドアのうしろ、ベッドの下、木と木のあいだ……。
そのうえ、おじいちゃんのコートをはおってみたり、靴をはいてみたり、一緒にやった凧あげをしたり。
「はやく出てきて、いっしょに遊ぼうよ」と、誰ともなく語りかけますが、いつまでたっても大好きなおじいちゃんは出てきてくれません。「ボク」はこの遊びがだんだんつまらなくなってくるのですが……。
繊細で多感な少年の心が見事に描写されていて、「ボク」の行動一つひとつに胸がキュンとなりますが、悲しみで胸がしめつけられるだけではなく、未来に希望を見出す前向きな作品です。
大切な人の死を受け止め、自分なりに答えを見つけ出そうとする男の子と、「ボク」の気持ちを受け入れやさしく抱きとめるお母さん。
ふたりのやりとりと、最後に「ボク」がおじいちゃんの居場所を見つけることができた場面に、ほっとすることでしょう。
★著者★
アイリーニ・サヴィデス (Irini Savvides)
ギリシャ・キプロス系の血を引いた作者は、1967年にオーストラリア、シドニーに生まれる。シドニー大学卒業後、中・高校で国語と演劇の教師となる。
マッコーリー大学の修士課程で書いた小説 “Willow Tree and Olive”が2001年に処女作として出版されるなど、教職のかたわら青少年向け作家としても活躍している。現在はブルーマウンテンに在住。
★絵★
オーウェン・スワン(Owen Swan)
フリーランスのイラストレータ―。
1975年オーストラリア、シドニーに生まれ、幼年期をニューサウスウェールズ州とブルーマウンテンで過ごす。
本書のほか、主なイラスト作品に、真の自分は何かを問う現代版おとぎ話 “Lilli-Pilli the Frog Princess”(2010年)、フィル・カミングス作 “Anzac Biscuits”(2013年出版予定)などがある。
発行:2013年2月20日
原書:HIDE and SEEK
タイトル:『もう いいかい?』
定価:1,600 円+税( 1,680 円)
著者:アイリーニ・サヴィデス(作)
オーウェン・スワン(絵)
訳者:きくた ようこ(菊田 洋子)
出版社:バベルプレス
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