説明
★内容★
フランソワ・ルピックは、家族から「にんじん」というあだ名で呼ばれ、不当な扱いを受けていた。末っ子の彼は、家族の誰からも愛されなかった。押し付けられる雑用、理不尽とも思える母親の怒り、自分に対して冷淡な父親をどうにかやり過ごし、時には皮肉とも言える視点で周りを冷静に観察しながらにんじんは成長していく。新しく来た女中のアネットと友だちになろうとも考えたが、母親は朝から晩までにんじんを叱り飛ばしては、彼から楽しみをすべて奪ってしまう。未来の花嫁として遊ぶ可愛いいマチルドとも間を裂かれてしまった。にんじんは、もう生きているのが佗しくなってきた。そして、もう1人の自分が「お前の様な奴は死んでしまえばいいんだ。」と嘲る夢を見るのであった。にんじんは目を醒してから「楽しい死」ということを考え始めた。そして、父親が村長に当選して大得意になっている夜、納屋で首をくくろうとする。そこへ折よく父が駆けつけるが、彼にはなぜ息子が死にたいのか解らなかった。するとにんじんが、「だって僕は母さんが好きになれないんだもの。」と答えた。これを聞いて父は、「では俺があいつを好きだとでも思っているのか。」と答える。この言葉はにんじんを有頂天にした。「この世には自分以外にも淋しがっている人間がいるんだ。」そう思った時ににんじんは、自分はどうしても可哀想な父さんのために生きて行かなければならないんだと思ったのであった。
★書誌情報★
出版社 : バベルプレス (2016/10/24)
発売日 : 2016/10/24
言語 : 日本語
ペーパーバック : 240ページ
ISBN-10 : 4894495317
ISBN-13 : 978-4894495319
寸法 : 12.8 x 1.4 x 18.8 cm
発売日 : 2016/10/24
言語 : 日本語
ペーパーバック : 240ページ
ISBN-10 : 4894495317
ISBN-13 : 978-4894495319
寸法 : 12.8 x 1.4 x 18.8 cm
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