説明
★内容★
ガイア(地球)の創造を物語るギリシア神話は、闇の中から白い衣をたなびかせた女神が踊りながら登場する、イメージで始まるのだといいます。この鮮やかなイメージにインスパイアされた生物進化学者の著者は、本書においてダンスの比喩を用いて、即興や進化、カオスからの秩序の創出、少数の基本的なステップから作り出される無数のパターンなどの概念を、ものの見事に表現してみせることに成功しています。
地球温暖化に代表される深刻な環境破壊、第三世界諸国にまで拡散する一方の核兵器による人類終焉の恐怖のシナリオ…。人類および地球そのものの持続可能性の危機が、現実問題としてのしかかってきている、それが今日の状況に他なりません。生物進化学者である著者は、この地球および人類の過去・現在・未来を、いかなるパースペクティブのもとに見つめているのでしょうか?
著者は、進化する地球と宇宙=自己創造する自然の有様を「ガイアのダンス」に喩えます。たとえば、生命進化のプロセスは、バクテリアの昔から人類に至るまで、少数の基本的なステップから作り出される無数のパターンの繰り返しであり、それはガイアのダンス、すなわち生きたシステム(Living System)である、ガイアが進化の過程で踏みつづけてきたステップである、というのです。人類が、この生命のダンスに包括されて、競争と対立に明け暮れることなく、「生きたシステム」の中での協力的なシナジーへの移行を志向するならば、人類と地球の未来は、必ずやひらかれるだろうと、著者は考えます。
もちろん、本来的にガイアの一部である人類に、それは不可能なことではないはずです。
★著者★
エリザベット・サトゥリス(Elisabet Sahtouris)
国際的に高い評価を得ている進化論生物学者、未来学者、著作家、大学教授、並びにビジネスコンサルタントである。博士課程終了後、ニューヨーク市のアメリカ自然史博物館で研究を進め、「ノバ」や「ホライズン」などのテレビの科学番組制作に携わる。現在ワールド・ビジネスアカデミー会員、世界賢人会議(World Wisdom Council)委員。生きている宇宙の科学的モデルを提唱している(www.viavisioninaction.org[Article]参照)。また国連の先住民コンサルタントを務める。ギリシャ、ペルーのアンデス地方といった広範囲にわたる生活を通じて、地球の生態系と原住民科学に関する現代の重大な社会的・経済的問題に対する解決策を見出した。
タイトル:アースダンス
著者:エリザベット・サトゥリス
訳者:吉田 三知世
ISBN:978-4-89449-060-4
出版社:バベルプレス
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