説明
★内容★
2000年度ノーベル科学賞を受賞した高分子科学の白川英樹博士。その授賞式で、選考委員長はスリランカの三人の王子の話を引用して思いがけない発見が素晴らしい発明(電気を通すプラスチック)を生んだ功績を称えた。この本こそ、本書の物語であり「セレンディピティ」ということばの語源である。
5世紀にペルシアで生まれた伝承が、遥かヨーロッパを渡り、アメリカの作家による翻訳がいま、美しい日本語となって初めて紹介される。セレンデピティの語源となった物語。serendipity :偶然、貴重なものを発見すること、またはその能力。
<幻の物語が本になりました>
セイロンの美しい島の王国セレンディップ、そこに生まれ育った三人の王子が父王の命を受けて旅を続ける途中、いくつもの困難に出会いながらも、偶然や賢明さによって求めていなかったものを見出していく…。不思議な美しさに満ちた幸福な物語は、大人もこどもも魅了する魅力に溢れています。
この有名な物語は、なぜかこれまで一度も日本語で紹介されたことがありませんでした。
<セレンディピティ(serendipity) とは?>
メリアム・ウェブスター大辞典によって
「探しても見つからない、価値ある楽しいものを見つける能力」と定義されているこのことばは、『セレンディップの三人の王子』を読んだホレス・ウォルポールが友人宛の書簡の中で造語したことが知られています。ホレス・ウォルポールは、英国宰相ロバート・ウォルポールを父にもち、『オトランドの城』(1765年)などで知られるゴシック小説の大家(1717~1797)。ウォルポールは膨大な書簡を書き残しており、死後、それらは出版されていますが、このserendipityということばを造語したとされる手紙は、1754年1月28日の友人宛のものだったそうです。自分のセンスで新しい言葉を創りだし、友人への手紙に使う。そう!ちょうどあなたがやっていることと同じ…。
★著者★
エリザベス・ジャミソン・ホッジズ
米国ジョージア州アトランタ出身。司書として働く一方、1964年、児童書向けに本書を執筆。日本、中国、ヨーロッパなどに滞在。1999年、91歳で永眠。
★画家★
パトリシア・デモリ
パリ・ボザール卒の画家。現在インド洋のレユニオン島(フランス海外県)で活躍。
著者:エリザベス・ジャミソン・ホッジズ
訳者:真由子 V. ブレシニャック、中野泰子、中野武重
ISBN:978-4-89449-030-7
出版社:バベルプレス
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